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全員俺の奴隷へと堕としている

 それがどういう意味を持つのか理解できない俺ではない。


 そしてこれはスフィアだけの問題ではなく、今俺の隣に座っている公爵令嬢である、帝国では珍しく黒く長い髪をポニーテールに束ね、女剣士特有の鋭い黒目を持っているブリジット・モーデルにもスフィアを襲った主犯格として罰せられるというもので、当然ながら俺はスフィアの未来を奪っただけではなく、このまま行けば実質彼女の未来をも奪った事にもなるのだ。


 ほんと、糞野郎だな。


 今さら後悔しても遅いのだが、自分がした事による後始末くらいは自分で拭う覚悟くらいは俺にだってある。


 と、いうよりも良心の呵責で潰れそうというのもあるのだが、しない善よりやる偽善の方が良いに決まっている。


「私は今物すっごく機嫌が悪いんです。 貴方みたいな屑に見つめられると余計にイライラしてしまうのでこちらを見ないで頂きたい」

「……すまない」

「っ!? わ、分かればいいです」


 そして気が付けば俺はブリジットを見つめていたようで、彼女から視線を向けるのをやめるように言われるのだが、つい最近までクロード殿下の隣だったのに今では俺の隣に当てがわれては腹が立つその気持ちも十二分に分かるので素直に謝罪を口にする。


 するとブリジットは俺が女性から高圧的な態度を取られているにも関わらず素直に謝罪した事が信じられないというような表情をした後、面白くないという表情へと変わり、分かればいいと返して前を向く。


 もしかすれば俺が癇癪を起して教室をつまみ出される事を期待したのかもしれない。


 そんな彼女の視線は今、クロード殿下とスフィアへと移っていた。





 俺が魔術学園へと再び登校し始めて一か月が経過した。


 そのころになるとメリッサ直属の部下はクヴィスト家には全ていなくなり、今では俺の奴隷たちに暗殺のイロハを教えたり読み書きを教えたりと大活躍である。


「我が愛しのご主人様、お待ちしておりました」


 そしてメリッサの部下を俺サイドに引き込む作戦を考え俺に許可を取らずに勝手に実行に移した張本人であるメリッサは今現在、俺の靴を舐めそうな勢いで片膝をつき、頭を下げ、俺に会えた喜びを隠す素振りも見せず、出迎えてくれる。


 このメリッサなのだが、おれの躾という名のお仕置きを受けた後殺すのは勿体ないと隷属魔術で俺の奴隷になるかここで死ぬか提示してあげると、俺の奴隷になることを選び、俺が買ってきた奴隷たちの教育を任せていたのだが、人手が足りないという事でクヴィスト家にいるメリッサの部下を引き抜いていたとの事。


 引き抜きに関しては一人目で分かった為問い詰めれば素直に教えてくれたので、どうせならば手駒は多い方が良いと許可したのである。


 因みにメリッサの部下も裏切られては目も当てられないため当然全員俺の奴隷へと堕としている。

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