愛らしいお尻
「はいやめますッ!! なので絶対見てくださいねっ!!」
「分かった、分かったから」
「ご主人様っ! 僕も見て欲しいのだがっ、よろしいでしょうかッ!?」
「ガレットは今着ているだろう……」
「他にもいろんな種類のメイド服があるのですよご主人様っ!!」
「そ、そうか……」
「はいっ!!」
何だろうか? 男性で言うところの集めたコレクションを見せびらかしたいとか、そういう感情なのだろう。
その気持ちは分かるので、ガレットも見てあげる事にするのだが、そもそもあのキラキラした目で嬉しそうに見つめられたら流石に本人を前にしてダメだとは言えない。 言える奴は人の心が無い奴ぐらいだろう。
しかし、それと同時に俺にはもう一つ気になる事がある。
以前奴隷達は四人一組のグループで仕事内容のローテーションを組んでいるという話をサラから聞いたような気がする事を思い出したのである。
その時は奴隷達がそれを望むのならば無理の無いように好きなようにすれば良いと思っていたので聞き流して何も考えず許可したのだが、今目の前にいるのはガレット一人である。
ふむ……。
そしてれはふと修練場の天井を見上げてみると、ケンタウロスの大きなお尻と尻尾が小屋梁からはみ出ているいるのが見える。
もし俺がこの違和感に気付けなかったら、あの愛らしいお尻も気付く事ができなかっただろう。
とりあえず脳内メモリーに保存しておく。
というか、この修練場なのだが、前世で言うところの体育館というよりかはアリーナに近いため当然天井はかなり高く、どうやってそこまで登ったのかと少し気になるので後日教えてもらおう事にしよう。
それにしても、現れたのは何でガレット一人なのだろうか? 『8時だヨ!』とでも言えば良いのか? いや、言わないけれども。 前世のネタなど分からないだろうし。
きっとそれはそれで別途合図がありそうな気もする。
まぁ、奴隷達には自らの意思で俺の事を護衛してくれるくらい位には今のところ大事にされていると思って良いだろう。
プライベートな時間は殆ど無いのと同義なのだが謀反を起こされるよりかは、遥かにマシであると諦める事にする。
それに、俺自身安全だしな。 死亡フラグなどもはや俺の敵ではあるまい。
「それじゃ、そういう事で。 あとは適当に二人でカレンドールさんの相手をしといて。 ここ最近愚弟と愚妹に実家の経営について夜中まで叩き込んでるから眠くてな、君たちに押し付ける形になって申し訳ないのだが、少し横になるから終わったら起こしてくれ」
「「はいっ!! かしこまりましたご主人様っ!!」」




