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3/30

とりあえず、第3話 全部を誰かのせいにして、生きていられるなら楽でしょうよ

そろそろ物語を加速させないと(汗)、誰も読んでくれなくなっちゃう。(汗)

豚肉?の事は、多少気になるが今は置いておこう。

それよりも、もうすぐ来る天津飯だ。

こいつがこの店のナンバーワンだ。(当社調べ)

こいつとギョーザを口に放り込み、ビールでそれを流し込む。

それだけで、アロハが食べてるニラレバの約6倍はウマイ。

想像するだけで楽しくなってきた。

オラ、ワクワクしてきたぞ。


カチャ。

待つこと暫し、天津飯がついに来た。

ふんわりと揺蕩う白い湯気。

しかし、それを見つめる俺の心はワクワクしてこない。

「ワクワク」が消えて、「ヤバい」が心を埋め尽くしていく。

何が「ヤバい」のか、天津飯のアンに赤みが見えないのだ。

薄茶色なのだ。

天津飯をレンゲに乗せて、恐る恐る口をつける。

咀嚼を繰り返し、飲み下す。

うん、これ、塩味デスネ。


ダァー、なにやってんのよ。違うでしょ。

俺が店に来る→天津飯を注文する→甘酢っぱい天津飯を出すは、今まで繰り返してきた鉄板の流れでしょうよ。

うわぁ、引く、正味のはなし、これはないわぁ。

そりゃ、確かに今日は気を抜いて居たのかも知れない。

店主と俺の信頼関係の上に胡座をかいて、明確に「甘酢っぱい」と指定しなかった。

俺が賭けにでて、裏目っただけとも言える。

過去を振り返れば、甘酢っぱい天津飯を食べられなかった日は今日だけではない。

時には俺の、そして大半は店主のミスで塩味の天津飯を食べ、涙で枕を濡らした日は過去にもあった。

しかし、ここ2ヶ月ほどは違ったはずだ。

俺は基本的に甘酢っぱい天津飯と他に何か一品を注文し、店主はそれに応えてくれていた。

この2ヶ月に限って言えば、俺と店主の防御率は0,00だ。

塩味天津飯を完璧にシャットアウトしてきた。

しかし今日は違った、気の抜けた棒球をスクリーンの最上段まで運ばれた気分だ。


やっぱ、ハゲ(店主)はダメだな。

ハゲは何をやらせても大事なところでしくじりやがる。

だからハゲは嫌われるんだよ、主に女性から。

そんな事で私(女性)を守れるの?ってことだろう。

はぁ、俺のこの2年間の頑張りは、ほとんど崩れ去ってしまった訳ね。

また、一からやり直し、、、いや、小さな修正で済むかもしれない。

バッテリーは信頼関係が重要だ。

俺はハゲを信用できないが、ハゲには俺を信用してもらいたい。

ピッチャー(店主)に気持ち良く球を投げさせるのはキャッチャー(俺)の役目でもある、と聞いた事があった気がする。

ここはひとつ見せてやりますか、名キャッチャーの名リカバリーってやつを。


「へぇ、オヤッサン、久しぶりに塩味の天津飯を食べてみたけど、結構美味しいなぁ(大嘘)。でも、やっぱり俺には甘酢っぱい天津飯が一番美味しいかなぁ(切実)。」

少し大きな声でそう言いながら店主を見ると、、、。

店主は大きなあくびをしながら、厨房で椅子に腰掛けスポーツ新聞を捲るところだった。

ヘイ店主、ドゥーユーノウ ボイス オブ カスタマー?

VOCだよ、顧客の声ってやつだよ。拾えよ、集めろよ、そこには成長への種が含まれてる事が多いんだよ。


って、ハゲに言っても無駄だったか。だってハゲだしな。

ハゲを有能にする事と蟻に因数分解を理解させる事は、等しく現代の技術では実現不可能だと考えた俺は、甘酢っぱい天津飯の代替手段について熟考し始めた。

楽に生きたい。(切実)


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