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とりあえず、第26話 職業

なりたい職業になれるだけでもすごい。


それでは第26話、スタートです。

ウチの工房のお得意冒険者ゲイルと話す中で、冒険者に憧れる俺の姿を少しずつ父と兄に刷り込んでいるつもりだ。


まともな親なら、自分の子供が冒険者になる事を薦めたりはしない。

冒険者は、多かれ少なかれモンスターと戦う職業だ。

その危険性から帰らぬ者となる事も多い。

戦争でもなければ死亡率の統計の1番は、冒険者だと思う。

そんな職業を自分の子供に薦める親はいないので、冒険者になる者は冒険者にならざるを得なかった者達だ。

実家の跡を継げない者、職に溢れて食い詰めた者、腕っ節だけが取り柄の者。

俺も実家の跡を継げない者だが、俺のように街の中に住む者なら、親がどこぞの商家なり職人なりに伝手や縁故で放り込むようだ。


さて、俺は将来何の職で食べていくべきなのか?

俺の目的は2つ。

1つ目は、自分の力で生活できるようになったら家族に自分が転生者である事を伝え、黙っていた事を謝罪して家を出る事。

2つ目は、自分と同じ転生者の痕跡を探す事。


他の街でも情報を集めるだけなら、職業は旅人ってのもありかと思ったが無理だな。

どこぞの有名人や女性用生理用品みたいな名前の野郎も確定申告の職業欄に旅人と記入しているとは思えない。

よしんば旅人を名乗るにしても、先立つものは必要だ。


2つの目的を叶えやすい具体的な職業は、商人か冒険者の2つだと思っている。

俺が他の人と違うのは、前世の知識がある事だ。

例えば、俺が前世の記憶にある小説をアナザワルド風にアレンジして売ったとする。

売れるかも知れないが、それを知った転生者が俺に接触を図って来てもおかしくない。

接触を図ってくるやつが、どんな奴か分かったもんじゃない。

楽曲も同じだと思う。

俺は27歳で死ぬ気もないし。

文豪デビューとミュージシャンデビューは諦めた。

商人は、なかなか良さそうな気がするが、同じ理由で前世の知識はかなり制限される。


冒険者になりたい理由はいくつかある。

ひとつは移動の制限があまりないことだ。

冒険者ギルドの創始者の頑張りで、それなりのランクの冒険者になると、国境を越える移動が楽になるそうだ。

受け入れる側も優秀な冒険者はウェエルカムらしい。

その点、店を構える商人なら気軽によその街に行ったりも難しそうだ。

行商のような形ならとも考えるが、あれはルート販売だろう。自由気ままに移動するとはならない気がする。

同じ理由で、商隊貿易の商人もダメだと思っている。

俺のとりあえずの目標、学問の本場と冒険者ギルドの本部に行く為には、自由な移動は必須だと思う。


冒険者になりたい、もうひとつの理由。

それは強さを身につける事。

実は、モンスターを倒す事で、少しずつ自身の魔力が強化されるらしい。

詳しい原理は分からないが、何匹もモンスターを倒した者と全くモンスターを倒していない者では、魔法や身体能力に明確な差が現れるそうだ。

それを知った時は、もう冒険者になる事しか考えられなかった。

男の子にとって、モンスターと戦って力を得るなんて物凄いロマンだ。

色々と理由をつけたが、これだけでも十分な理由だと思う。


冒険者は10歳からなれるらしい。

それまでに、何とか両親を説得しようと思う。

仕事柄か、両親は冒険者に嫌悪感を抱いている訳では無さそうだ。

10歳から12歳までの間は冒険者をして、冒険者の目がないか、自分に向いていないと分かれば商人になると言って、説得してみようと思う。


まぁ、大商人になって、金の力で冒険者を雇い、生け捕りにしたモンスターと安全を確保した上で戦う作戦がないでもないし。

支配階級の立場にあり、さらに個人の強さを求める者なら同じような事をしていてもおかしくないと思う。


10歳まで後3年だが、両親には俺の希望を少しずつ伝えていこう。

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