とりあえず、第21話 教えて、鍛冶師入門
ホットヨガ的な?
とりあえず、第21話、スタートです
兄が鉄貨を温められる事が出来た後も、母からの講義は度々行われた。
そして、兄が鍛冶師として見込みがある理由も教えて貰えた。
鉄貨を温められるだけなら、マッサージ系セラピストの素質だってあると言えそうな気がする。
「ヒュー、カイン先生のホットセラピーを受けた後は、体が軽いぜ、俺の体もカイン先生のお陰で超ホットだぜ」
顧客の感想を笑顔で受け止める兄カイン、、、。
いかん、また封印されし妄想が。
兄が鍛冶師として見込みがある理由、それは触媒にあった。
魔力を触媒を通して熱や光、または風や水などの現象に変換することが体外で行われる一般的な魔法だ。
この時、触媒には魔法現象に変換されなかった魔力がいくらか残っている。
触媒中に残っていた魔力はすぐに大気中へと霧散するのだが、何度も続けて触媒に魔力を通すことで触媒は徐々に魔力を通しやすくなるらしい。
母は触媒に魔力が馴染むという言い方をしていた。
魔石は良い触媒でかなり「馴染んでいる」のだが、強度はそれほどない。というか脆いと言っても良いらしい。
剣のような武器の材料に砕いた魔石を混ぜることはあるらしいが、コストと耐久性の面であまり一般的ではないそうだ。
そこで父の様な、火魔法の得意な鍛冶師の登場だ。
剣造りの最終工程で、何度も剣に魔力を通して仕上げを行うと、あら不思議。
魔力がよく馴染んだ、魔法の触媒に適した剣が打ち上がる。
この技術は、武器の打ち直しや研ぎなどの整備にも使えるので、
基本的には、どんな魔法を剣に使っても良いのだろうが、風魔法は辞めた方が良さそうだ。俺がやったら、灰やホコリが舞い散る羽目になる。
火魔法使いの鍛冶師が多い理由は、燃料費の節約もあるのではないかと思う。
鉄を魔法で熱せられれば、燃料費も下がる。
城壁で囲まれたこの街の中に、森などはない。
庶民が使う、主な燃料は城壁外から運ばれてくる木材になる。
しかし、モンスターがいるこの世界では木材の入手コストも安くはないようだ。
火魔法だけで鉄を柔らかく出来れば、燃料費もゼロだな。
鍛冶師丸儲けである。
武器や防具は、その目的から使っていると変形する事が多い。
変形した武器防具は少し魔力の通りが悪くなるそうだ。
魔力の通りを重視する人は、父のような鍛治職人に整備を依頼する事になる。
火魔法鍛冶師に剣の整備を依頼せず、ただの鉄の剣に自分の魔力を何度も通した剣を持つ剣士もいるだろう。
ただ、そういった剣士は剣士の中でも特殊な、スーパープライベーターとでも呼ぶべき剣士だろう。
カイン先生のマッサージは健全なマッサージです。
不健全な意味については、ご両親に聞いて下さい。
私の範疇外です。
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