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第八十話

 「休んどれ!この阿呆が!!」


 隙を見て逃げ出そうとしたミリーにドリュアスは小さな拳で頭を叩いた。

 

 「で、でも…」


 ひりひりする頭をさすりながらおずおずと言ってみる。


 「でもも糞もあるか!体だって治ったばかりじゃろうが!」


 今のミリーはというと傷は完治し、体力も戻りつつあった。

 化け物になるのにも支障はない。

 

 「ドリュアス、お前達も一緒に来い。ウッディーネとトゥールスの中間地点に陛下がいる。アンタは…馬で手綱を握っていてくれ、ドリュアスは乗れないみたいだからな」


 「連れて行くのか?ミリーも」


 「仕方ない、放置はできないからな」


 「ドリュアスも馬乗れないんだ」


 「喧しいわ!」


 再度頭を叩く彼。

 ドリュアスは仕方なくというのが全面に出た顔をしながら了承した。

 





 「来たぞ!」

 

 キマイラ達はというと、森の中で蛮族達と戦っていた。

 とはいえ…


 「俺がいく。取りこぼしを頼んだ」


 「お任せを」


 蛮族達の前に出たキマイラは館でドレスリンの兵士に見せたような巨大な肉の塊に姿を変える。

 そしてその姿のキマイラがとる戦法は二つ。


 「クソッ!化け物が……ゴフッ」


 黒い毒霧を勢いよく吐き出すやり方。

 

 「霧を避けて回り込め!奴はうご」


 もう一つは肉塊から生やした無数の触手、虫の脚、蛇などで横凪ぎ一閃にする戦法だ。

 狙いもつけずに適当にやっているだけだが、十分である。


 「本気は出してないが長く持たん…テュポーン、いざとなったら交代を」


 「ええ、分かっています。ですが必要ないかと」


 「ん?ああなるほど」


 攻めてきた蛮族達が退いていく。

 後に残ったのは死体と負傷者のみ。


 「よし良くやってくれた。前進だ!」


 小競り合いを繰り返しながら、少しずつ前進する。

 きっと他の場所でも同じようなことが起こっているだろう。

 

 「攻めていかないのか?」


 「いくさ、だがちょっと待て」


 「ほう…」


 「問題は魔術師ですね。確か一人あちらに居るとか」


 「報告によるとな。死亡確認もされてない」


 「なら出てくるまで待つか」


 「ああ、そうだ。…っと言ってたら」


 森に突如爆発音がいくつもいくつも聞こえ始める。

 大砲の音だ。


 「エイラも攻撃してそうだな」


 「恐らくな。前進するのを支援するのが目的だ。矢をつがえる暇も与えんようにな。こっちも砲撃だ!弾ごめ急げ!」


 蛮族を包囲する部隊のいくらかにはキマイラ達がトゥールスから運び出した新型の砲が配備されている。

 実戦においてどれ程有効かを見る為だ。


 「でこれは…」


 彼は新型の大砲の扱い方を書いた手帳を見ながら弾を込めていく。

 すぐさま砲撃が始まり、それと同時に槍兵が前に出ていく。

 

 「中々よさそうに見えるな」


 横目で大砲を見るキマイラも満足そうであった。

 実際かなり優秀で、なんといっても新型の大砲には特殊な機構が取り付けられており、反動が少ないのだ。

 これのお陰でいちいち大砲を元の場所に戻さなくて良い分、発射速度を上げられる上、照準も楽になる。


 「数が無いのが悔やまれるぜ。こいつをあと三百は欲しい」


 「そうか」


 「キマイラさん、我々も彼らについていきましょう」


 「ああ」


 砲撃と共に進軍するスタトゥニテ帝国軍、彼らの勝利は絶対である。

 

 


 

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