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《OCO》-オブシディアンクリスタルオンライン-  作者: 仲元心影
序章 『始まりの現実』
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序章-6 始まりのWARNING

昨日、前の話を手直ししました。

ちょっとエミのセリフを付け足しました。

できれば、前の話も見てください。

 少し沈黙が続くと

『……ごめん』

 エミは、突然謝り出した。

「………………」

『アンタの事を考えずに、言い過ぎた』

 その謝罪が、痛い。

 罪悪感と言う針が、良心を刺していた。

『ごめんなさい』

 もう心がボロボロだが、彼は気付いた。

 エミが、泣いている事に。

「………………」

 彼女はただ、彼の事を心配してくれた。

 例え心の中に踏み込んでも、父との関係を良好にしたかったのだ。

 〝あの時〟から、ずっと。

『……ひっく……ッ……ううっ』

 エミの嗚咽おえつが、モバイルから聞こえてくる。

 無意識に放った言葉で、彼女を傷付けてしまった。

 彼女の想いを、ないがしろにしてしまった。

 だから、彼は――――――――

「…………エミ」

『……?』

「……すまなかった」

 謝った。

『え……?』

「……お前の想いを、踏みにじった」

『………………』

「だから、謝る。すまなかった」

 5回も謝罪している中で、トップに来る最低な事だ。

 トラウマに踏み込まれても、幼馴染みを泣かす事は本当に最低だった。


 ……本ト、学習しないな……オレ……


『………………』

 エミの嗚咽おえつが聞こえなくなったが、物音がする。

 向こうで、涙を拭いているんだろう。

 そしてエミは、涙声で

『…………やっぱり、優しいね。ニィチは』

 そう言った。

「!」

 その言葉に思わず、俯いてた顔が上がった。

『怒ったり、ケンカしても、いつも助けてくれる』

「………………」

 まさか、その言葉が出てくるとは思わなかった。

 自分は、そんなのではないのに。

「……そんなんじゃねーよ」

 だから、彼はこの言葉を口にした。

「オレは、優しさなんてない」

 否定的な言葉だけど、実際にそうだ。

 父親を嫌い、エミを泣かした自分は、優しさなんてない。

 似合わない言葉なんだ。

 分かりきっているんだ。

 自分は臆病者だって言う事を。

『……優しいわよ』

 それでも、エミはこう言った。

『だって、さっき謝ってくれたでしょ』

「………………」

 そう言ってくれたけど、その言葉が分からない。 

 心のどこかで、何かが引っかかる。

 何が刺さっているのかが、分からない。

 分からないから、理屈っぽく聞こえた。

『だから』

 そんな彼を置いて、エミは続けて話した。

『きっとおじさんと仲直りできる。あたしはそう信じてる』


 ……そんな事……


 エミの言葉に、彼は困惑した。

 さっきみたいに冷静は欠けていない。

 それ故に、困惑した。

「……オレは……」

 どんな言葉を出せばいいだろう。

 何を訴えるのだろう。

 そんな迷いの中で、彼は口を開く。

 その時。


 ピーポーパーポーン♪


 急にBGMが止まり、そんな音が流れた。

「……?」

 その放送に一瞬、彼は気を取られた。

 別に珍しくも何ともない、始まり方。

 いつもの迷子放送か、定期連絡が来るかに思えた。

 でも、違った。

 放送内容はこれだった。



『――――緊急放送。緊急放送。ただいま、不審な団体が近くでうろついている情報が入りました。繰り返します――――』



「な!?」

 その放送に彼は、動揺する。


 何で、こんなタイミングで……!?


 そんな疑問を置き去りして、放送は続いた。


『――――警察と連携して、警備を強化しています。皆様、十分に気を付けてください。決して、不審な人物に近づかないでください――――』


 最後まで、不審な団体について教えてくれなかった。

 機械みたいな女性の声の、放送。

 それが終わると、一斉にざわめき出した。

「え、何それ?」

「マジかよ……」

「……嘘でしょ……」

 不安、恐怖の空気が漂っていた。

 事態が飲み込めないから、生まれる空気。

 そんな空気の中で、急にエミは訊ねてきた。

『……何? どうしたの!? 大丈夫なの、ニィチ!?』

 どうやら放送を聞いていた様だ。

 でも、名前を呼んでくれたので、平静さを取り戻した。

「……ああ。大丈夫だ」


 とは言え、ミー達が心配だ……!


 エミにそう言ったものの、彼はミッチー達を心配する。

 心配だからこそ、行動に移した。

「……悪いが、ちょっとかけ直す」

『は!?』

 その言葉に驚くエミ。

「半までには電話する」

『ちょ、待って!』

「じゃ」

『ニィチ――――』


 ブツッ


 エミの制止を聞かず、電話を切った。

「………………」

 そのまま、モバイルの画面を見つめた。

 電話モードから、ホーム画面に戻っていた。

 そこから見るは、ひとつ。

 時計。

 現在の時刻は、午後0時を示していた。


 ――――時間的に考えて、どうもタイミングが良すぎる

 それに、あの放送


 放送で言っていた、〝不審な団体〟。

 それに、心当たりがあった。

 この〝ゲーム〟の()()ゆえに狙う、組織。

 その名が、脳裏に過った。

「………………」


 ……考えてる時間がない


 そう思い、彼は走った。


 もし、〝アイツ等〟が、近くにいるんだったら

 ――――確実に襲撃してくる

 その前に、ミー達と合流だ!


 また、大切な人を失わない様に。

 彼は、ミッチー達の下へ、疾走する。



急展開

次回も急展開!

更新日は27日か、28日です

お楽しみに!!

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