序章-4 始まりのLEAVE
先月に引き続き、投稿を遅れてしまいました
本当に、すみませんでした!!
次から間に合う様に書きますので、皆さま
最後まで見てください!
黒開暦5年7月17日
午前11時17分
大阪城公園・市民の森
会議が始まって、数十分経過していた。
「……じゃあ、さっそく本題に移りますか!!」
「オー!!」
クッシーからの質問を機に、〝仮想世界〟の説明が始まった。
クッシーとメイは手を、歓声を上げた(メイは声が出ていない)。
もう定番だな
そう思いつつ、ミッチーの説明を聞く事にした。
「最初の世界は――――――――《始まりの街》、〝カーディナル・ミッドタウン〟!!」
「オオッ!」
最初のタイトルに、また歓声を上げるクッシー。
「その名の通り、太陽が昇らぬ月夜の世界。一番最初に冒険する世界なの!」
名前の意味を知って、思った。
安直だな
「最初の世界だけあって、結構重要な世界なのよ。何せ、異世界を繋ぐ〝門〟はここだけだから」
「?」
その説明に首を傾げるメイ。
「……どうゆう意味だ?」
彼も疑問を感じたので、質問をする。
すると、ミッチーは答えた。
「普通はクリアしたら次の世界に行くけど、このゲームは違う。拠点となる世界、《始まりの街》から7つの世界に旅立つ。て言うのが、ストーリーらしいの」
「……つまり?」
「クリアしたら、一回戻らなきゃいけない」
「ああ……」
応答していたクッシーは頷く。
「……オンラインあるあるだな」
〝フルダイブシステム〟がある分、メンドくさいな
「そんなイヤな顔をしないの」
顔に出てしまったので、ミッチーにツッコまれた。
「……クリアするには、〝門の鍵〟を守るボスを倒さなければいけない。もちろん、〝門の鍵〟で扉を開ける事も含めてね」
気を取り直して、ミッチーは説明を続けた。
「うはぁ……」
「……大変そう……」
クッシーとメイは苦そうな顔で、呟いていた。
「うん、大変だった。ものすごく」
その呟きに、ミッチーは頷きながら断言した。
「だってレベルが高いもん……。〝ワールドボス〟だけあってキツいもん……」
「う、うん……。そだね……」
何か、嫌な事を思い出す様に吐き出すミッチーに、なんとなく頷くクッシー。
何があった、〝仮想世界〟で
「通常のモンスターだって、結構大変なのよ。慣れるのに、2日もかかったし」
何か、グチり出した。
「それに、あの〝女王〟……」
「あの……ミーちゃん……?」
だんだん、ストレスが溜まっていくミッチーに、メイは心配そうな声で呼ぶ。
ちょっと間を置いて
「…………あーもう、ムカつく!! 何よ、『私はアナタと違う』って!! そりゃあ、違うわよ!!」
「あぁ……落ち着いて……ミーちゃん……!」
急にキレるミッチー。
そしてなだめるメイ。
そして、説明会は中断した。
もう、呆れるしかなかった。
「……なぁ、相棒」
「……何だ」
この状況を静観する彼に、クッシーは声をかけてきた。
もちろん、苦笑いを浮かべて。
「〝女王〟って?」
「知るか。他人なんざ、知ったこっちゃねぇよ」
と、冷たい言葉で返した。
実際、彼にとって他人なんてどうでもいい存在だった。
「……だよね」
その言葉にクッシーは、苦笑いを強めて、そう答えるしかできなかった。
「どー思う、メイちゃん! ヒドイと思わない!?」
「……う、うん……そうだね……」
過去のストレスをぶちまけるミッチーに、それを聞くメイ。
メイには頑張ってもらえているが、もう〝オープニングセレモニー〟までの時間がない。
あと一時間くらいなので、何とか軌道修正をしようとした。
その時、モバイルの音楽が流れた。
電話だ。
「……? 誰だ?」
彼はモバイルを取り出し、誰の電話なのか確認する。
すると彼は
「――ッ!?」
硬直した。
理由は簡単。
相手が幼馴染みだからだ
「……? 相棒? どうした?」
そんな事を知らず、クッシーは訊ねてきた。
「……?」
「……お兄ちゃん?」
メイとミッチーも、こちらを見ている。
彼の着信音で、話を止めた様だ。
「………………エミ……」
彼は思わず、電話相手の名前を呟く。
……アイツ、部活じゃねえのか……
「え?」
その呟きにクッシーは、固まった。
「……お兄さん……」
「……もしかして、伝えてないの? エミお姉ちゃんに」
何となく状況を察するメイとミッチー。
「………………」
図星だった。
伝える訳ねぇだろ。アイツに
そう思いながら、電話に出た。
「……もしもし」
『あ、ちょっとアンタ! 部活休むってどういう事よ!!』
その直後、彼女の怒鳴り声が耳に突き刺さる。
「……ッ」
耳鳴りがするほど、痛かった。
『何であたしに連絡1つ、寄越さないのよ!!』
「……イヤ、どうせ言ってもキレられるなって……」
『はぁ!? あたしのせいにしてるの!? ふざけないで!!』
また怒鳴り声が突き刺さった。
この怒れる少女の名は、椎名 えみ
彼にとって、苦手な幼馴染みである。
『大体アンタは、代表選手でしょ! その自覚があるの!? この時期に休むって、バカなの!? ねぇ、バカなの!? ねぇ! ちょっと、返事しなさいよ! バカ!』
この様子だと、まだまだ説教が続きそうだ。
なので、彼は立ち上がった。
「……オイ、ミー。すまんが、オレは一旦抜けるぞ」
「う、うん」
少し困惑していたが、ミッチーは頷く。
「アハハ。相棒、また怒られてるじゃん」
「うっせー」
と、クッシーの冗談に言い返す。
「あと、メイ」
「?」
なぜ呼ばれたのか分からないメイに、ある頼み事をする。
「ミーの情報を整理して、オレのとこに送っといてくれ」
「……分かった……」
その頼みを頷くメイ。
「じゃ、会議を続けてくれ」
そう言って、彼は皆の所から離れた。
――――――非常に、面倒臭そうな表情で。
会議から離れるカズヒサ
どう怒られるかな?
次の更新予定は、23日か24日です
お楽しみに!