第一章-21 開幕の《OCO》
明けまして、おめでとうございます!
これからも《OCO》よろしくお願いします!!
「《サンダーショット》!!」
「ギャア……!!?」
放った雷は、指揮官の身体を感電させる。
「――――《アクションスキル》」
よくやってくれた、メイ!!
あとはオレが、ぶちかましてやる!!
「――――!!」
「《スラッシュ・レイド》!!」
「――――ギャアッ!!」
その身体は、敵の身体を貫かせた。
確かな手応えは、この最悪な《イベント》が終わる合図になる。
「――――………………」
「――――………………」
「え、何だ?」
「終わった、の?」
突然の出来事に、プレイヤー達は戸惑っている様だ。
膝を付いた軽銀歩兵たちは、その機能を停止するかの様に。
地面に吸い込まれていった。
「――――――」
息が詰まりそうだった。
だけど、視界いっぱいに《イベントクリア》と言う表示が映し出されていた。
「――――ジャドウくん!!」
「お兄さん!!」
「……何とか、なったな。オイ……」
周りの歓声がすごくうるさいが。
オズがこっちに来てくれた。
「クリアおめでとう、相棒」
「……ふ、そうだな。ありがとうよ、オズ」
これでいいか
今は喜びに優先しよう
じゃないと身体が持たないからな
「……ふふ。初めて見たかも、シャドウくんの笑顔」
「……それが、お兄さん、です」
何を言っているのかは分からないが、オズがこんな事を聞いてきた。
「なぁ、相棒。エレインは――――――」
質問の途中で、何か。
警告の様な電子音が鳴り響いた。
「な……!?」
これは、何だ!?
「なにこれ、耳イタ!?」
「何なの!? 一体、何なのよ!?」
「知るか!! こっちが聞きてぇよ!!」
現場も軽く、混乱してくる。
「……空が、来る」
「え……?」
アイリスの言葉を、確かめる様にメイは。
上空を見上げた。
「――――――」
そして彼も、釣られる様に空を見上げる。
そこに広がるのは、本当の意味での《深刻なエラー》だった。
「……うっそー」
オズも彼も、誰も理解が出来ない。
一気に場は静まり返る。
何かの〝亀裂〟。
空に広がり、《青い粒子》が溢れ出している。
「……なによ、これ……」
どっかの女の声。
そして《粒子》は、彼は知っている。
あの時の場面で見た、〝光子〟にそっくりだった。
「……〝ホログラム〟……?」
メイの言う通りだと、彼は思ってしまった。
《ファースト・イベント》が終わってしまった以上、《運営側》から何かしらの〝行動〟が出るのも。
あまりにも、必然だった。
『……――――――』
文字通りの砂嵐。
次第に音声は鮮明化され、人物像を形成していく。
それは忘れなれない、〝男の姿〟だった。
「――――ッ!!」
キルア!!
全ての元凶。
それが、演説の様に語り出した。
『――――やあ、諸君。初めまして』
「――――――」
周りが凍り付いている。
『私の名はキルア。この《世界》を招いた、〝張本人〟さ』
「…………!!」
いきなり何を……!?
『君たちは選ばれたのだよ。私たちの、《神々の試練》に』
意味不明な事を言い続け、現場は混乱していく。
『……何の突拍子もない、理解が苦しむと来た』
冷徹な、一言。
『ならば、何故。何故、その友人がいないのか? 何故、痛みを感じるのか? 何故、その血は暖かいと感じるのか?』
場は再び、静寂に帰る。
『それらは全て、〝事実〟なのだから』
「――――――」
『その消失も、感情も、痛みも全て〝事実〟なのだから』
マスクのせいで、表情が見えない癖に。
静かな怒りがひしひしと、感じてしまう。
ほぼ、逆ギレだろ……!!
『ならば、《人類》に突き付けようではないか』
口調が速くなる。
『我々が行うのは《審判》。その《運営》だ』
演説は最高潮に達した。
『そして、〝宣言〟しよう』
そして、最悪の言葉を。
『これより、《デスゲーム》を始める!!』
「―――――」
『三千の犠牲を経てなお、一万の君たちが残っている!』
『まだ〝失望〟と〝堕落〟にいる、存在では無いと確信した!』
『それだけで我等は、嬉しく思うぞ……!!』
皆は思考を無くした。
『ならば、君たちに合わせた。《試練》の名を与えよう』
多くの言葉を並べ、優越に浸っている。
『その名は――――――』
それが運命の幕開けだった。
『《オブシディアンクリスタルオンライン》』
それは悲劇の幕開けだった
次回もお楽しみに!!