第一章-19 戻り行くSQUARE
何とか出せました……
遅れてしまって、本当にすみませんでした!!
「……すごい」
たった二人で、敵部隊を掃討したのだ。
アイリスも驚くだろう。
「……大丈夫か、オズ」
「ああ、大丈夫だ。少し耐久値がヤバいけどな」
「……はぁ」
あんな戦い方をしたんだ。《手甲》がボロボロになるのも、時間の問題か
「……アイリス。《手甲》は持ってないのか?」
「えっと……銃だけですね」
「……だろうな」
カテゴリー別だもんな
「まあまあ、それくらいにして」
元はと言えば、お前のせいだろ
「ちょっと心配になってきたから、戻って良いか?」
「…………」
軽薄さがない。
いつものオズではない。
「心配か?」
「心配だよ」
なぜ、その言葉を選んだのか。
すぐに分かった。
「メイが危ないかも知れないからな」
「……な!?」
なぜ、この世界にいるんだろう。
動揺と混乱で、もうメチャクチャだ。
「……何で」
「事実だ」
その言葉と目が、釘を刺している。
「気が付いて、走り回っていたら。居たんだ。泣いている彼女を」
「――――――」
到底受け入れられない事実だ。
まさか、大阪公園全域に広がっているとは。
「シャドウくん……」
「今は中央で避難してるが、どう探しても〝大将首〟がいないんだ」
〝大将首〟……?
「〝大将〟……まだ、見つかってないの?」
アイリスの言葉で気付いた。
「まだ、見つけないのか!?」
「落ち着け、相棒!」
「……ッ」
つい焦ってしまった。
「いつもの冷静さは、どうした?」
「……すまん」
心から不安が、広がっている。
罪悪感すらある。
「……とにかくだ。始まって以降、姿を見せない〝奴〟を探しつつ。どうにか中央まで戻るぞ」
「……そうだな」
彼は頷く。
確かにムダだな、これは……
「分かりました……」
アイリスも頷く。
「じゃ、さっそく……」
オズが行こうとした瞬間、敵がまた現れた。
行く手を阻もうと、立ち塞がっている。
「ボコすか、相棒!」
「……判断は任せる」
「行きましょう、シャドウくん! オズくん!」
皆が戦闘態勢を整えると、敵が一斉に襲ってくる。
「つ、どりぁぁぁぁぁぁ!!!」
「ギャア!!」
まず初手でオズが、敵を蹴り飛ばす。
「――――――」
「ギャアッ!!」
そして彼は《加速》を使い、オズが仕留め損なった敵を中心に叩き斬っていく。
「……ッ!」
「――――ッ!!」
彼らの戦闘スタイルを崩さない様に、邪魔にならない様に。
遠くにいる敵を、アイリスは狙撃する。
「ギャア!!」
「ギャア!!」
「ギャアッ!!」
三位一体。
まるで弾丸の様に突破して、プレイヤー達の方へと向かっていった。
黒開暦5年7月27日
仮想世界・エリア《始まりの街》
《シュライン・ステーション前》
そこに近付くに連れ、叫び声が聞こえてくる。
「うぁぁぁぁ!!」
「キャアァァァァァ!!」
「ぐぁぁぁぁぁ!!」
「――――――」
ここでも、阿鼻叫喚が始まっていた。
敵の数も増えている。
「……もうすぐだ! この路地を抜ければ……!!」
敵と言う壁を壊しつつ、オズは叫んでいる。
「――――ッ!!」
その隣で《宝剣》を振り回し、敵の数を減らしていく。
「……見えてきた!」
アイリスの言葉で気付いた。
ようやく見えた、あそこの〝神殿〟に。
「……はぁぁッ!!」
だから、突き進んだ。
敵の壁を、打ち壊した。
「……なんだ!?」
一面に広がる、白い血と石クズ。
周りのプレイヤーと、エネミーが一斉にこちらを向いている。
「何アレ……?」
「…………」
先頭に立っている人がいるが、そんなのは後回しだ。
「……ふっ!!」
目の前にいる敵を葬る。
ただ、それだけだ。
「ギャア!!」
「ギャア!!」
「ギャア!!」
順調に敵の数を減らしている。
「――――!」
無事に広場に入れた様だ。
オズ達が後ろのプレイヤー達と接触している。
「排除!」
「排除!」
「……ッ!!」
当然、メイの姿が分からない以上。
向こうは任せるしかない。
「消えろ……!!」
その内に現れるだろう。
敵の指揮官が。
「排除!」
「排除!」
「――――!」
それまでに、壊し続ければ良い。
それが現段階で出来る、彼の立ち回りだ。
壊せ、守る者の為に
次回もお楽しみに!!