序章-3 始まりのVRWORLD
遅れてしまって、すみません!
本当ならば昨日に投稿する予定でしたが、執筆に遅れてしまいました
その分、長めに書いたので見てください!
「じゃあ次は、ハード交換について話します」
「オー!」
「………………」
もはや、定着してきた流れになってきた。
クッシーは手を上げ、メイは笑顔で拍手する。
メイの拍手が終わると、ミッチーの説明を始めた。
「まず、受付の人に参加チケットを見せます。チケットはQRコードだから、受付の人にスキャンしてもらうだけで、ハードが貰えるわ」
「ほうほう」
その説明に、クッシーは頷く。
「ハードは、見た目は同じでも中身が違うの。事前に設定したアバターに、〝仮想世界〟に入る為のゲームアプリが入っているのよ」
「うんうん……」
その説明にメイは、こくこく頷く。
「そして、交換してくれる受付場所は、大阪城ホール南入り口前よ。〝ベータ版〟も、同じ場所で配布していたから覚えてるわ」
「へぇ~」
「………………」
その説明に、クッシーとメイは頷いた。
「以上! これでハードについての話を終わります」
「オー」
そんなミッチーの説明が終わると、クッシー達は拍手を送った。
これらを見て、彼は思った。
何、この流れ?
どっかのテレビか? これ?
と。
言ったら面倒事になるので、心の中でツッコミを入れる事にした。
そう思ってたら、ミッチーは咳払いをしてから言った。
「さて、皆さん。次の話はお待ちかね!」
なぜか急にテンション高くなった。
「〝仮想世界〟の事を話します!!」
「……!」
「オオッ! 待ってましたー!!」
待ちに待った話題に、クッシーとメイは目を輝かせる。
確かに、ちょっとテンションが上がった
けど、ちょっと疑問も出てきた。
「……オイ、ちょっと待て」
こればかりはツッコませてほしい。
「何で急にハイテンションになるんだよ」
そうツッコんだら、ミッチーが膨れて反論をした。
「え~、いーじゃない! その方が盛り上がるでしょ!」
「どんな理屈だよ」
それでコメディに行くのかが分からないが、それは置いといて。
後もう1つ、言いたい事がある。
「て言うか、それ話しても大丈夫か? 〝オープニングセレモニー〟でも言われると思うが」
それが、言いたい事だ。
彼が懸念しているは、話のカブりだ。
大阪城ホールで行われる〝オープニングセレモニー〟は必ず、〝仮想世界〟の説明が入る。
だから、質問をする。
「……!」
その質問に、ミッチーはピクリとした。
「あー……。確かにそうだねー」
クッシーは冷静になって、そう呟いた。
「…………さすが、お兄ちゃん。鋭いわね……」
その呟き、ミッチーに刺さってた。
ミッチーは苦笑いを浮かべながら、口を開いた。
「確かに話すと思う。でも、それはストーリーと世界観だけ」
そして、そのまま質問を答える。
「……だから……ミーちゃんの方が……詳しく、聞ける……」
メイはそう解釈する。
「その通りよ、メイちゃん!」
その解釈に、ミッチーは肯定する。
「アタシは〝ベータテスター〟だから、攻略情報がいっぱい持っているの。モンスターの特徴やダンジョン攻略、そしてボスの倒し方まで知っているわ!」
「オオー!」
そう胸を張るミッチーに、クッシーは驚きの声を上げた。
……なるほど
だから、話を聞きに来てほしかったんだな
なぜテンション高いのか、なぜ会議を始めたか。
そんな疑問も、それを聞いて納得した。
「スゲーよ、ミッチー! さすがは第8位だな!」
と、クッシーは褒めている。
イヤ、そこ関係ねぇと思う
「でしょ~。ね、お兄ちゃん」
ミッチーは笑顔を向けて、声をかけてきた。
「……そうだな」
褒めてほしそうなので、頭を撫でる。
「エライな、ミー」
するとミッチーは、嬉しそうな表情になった。
たまには兄妹のスキンシップは必要だな
そう思って撫でていたら、彼は妙な視線を感じた。
いや、感じてしまったのだ。
「………………」
そして、見てしまった。
なぜか、羨ましそうな目で見つめるメイを。
なぜ、羨ましいんだ……
とりあえず、深く考えない様にした。
「?」
そんな彼に違和感を感じたのか、ミッチーは顔を上げて小首を傾げている。
「あ、イヤ……」
ミッチーと目をあって、言葉を濁してしまう。
あれをどう言えばいいのか分からないので、話を切り替える。
「それより、ミー」
「? なぁに?」
上機嫌だな
「〝仮想世界〟について、教えてくれるか?」
「……! もちろん!」
目を輝かせて、ミッチーは頷いてくれた。
「さぁ、話しますよ!」
機嫌、テンション共に高くなったミッチーの説明が始まった。
「まず始めにこのゲームは、複数の世界が登場します。世界は全部で8つ。アタシが解放した世界は、全部4つよ」
「オオッ」
ミッチーの説明に、クッシーは驚きの声が出た。
「……たった1ヶ月で、そこまで進むとは…」
彼も驚いていた。
それもそのはず、〝ベータ版〟―――――〝クローズ・ド・ベータテスト〟が行われた期間は約1ヶ月。
十分な期間に見えるが、実際には違った。
ゲーム史上初の機能、〝フルダイブシステム〟があったからだ。
仮想の身体とは言え、現実と同じ様に動いて闘うのだ。
大抵の人は普通の敵でも、苦戦を強いられたはず。
慣れるのに、どうしても時間がかかってしまうのだ。
それでもミッチーはいち早く戦い方を編み出し、クエストやダンジョン攻略をやり込んでいたのだろう。
「フフン、凄いでしょ?」
ミッチーは笑いながら言った。
「……凄いよ……ミーちゃん」
と、メイはミッチーを褒めた。
「イヤ~、それほどでも♪」
褒められて、さらに上機嫌になるミッチー。
「じゃあ、その4つの世界を教えてくれない!?」
身を乗り出して、クッシーは質問をした。
「……じゃあ、さっそく本題に移りますか!!」
その質問を機に、〝仮想世界〟の説明が始まった。
年末に投稿してしまいましたが、最後読んでくれてありがとうございます
次回は26か27日に投稿いたします
では、よいお年を!