第一章-7 宝石のOVERSKILL
5月分の更新を飛ばしてしまい
本当に申し訳ございませんでした
何とか仕上げましたので、どうか
彼らの戦いを、見届けください
なぜ、《願い》が口に出た?
なぜ、〝力〟が、心から溢れ出してくる?
その疑問が少なからず、思ってしまう。
『――――』
その思考を置き去りに、彼女の心臓部を掴む。
「――――――」
〝霊体〟で、光輝く〝水晶〟。
まるで取っ手の様な形。
バキ……
音が鳴る。
少女は何もない様に、微笑んでいる。
バキバキ、バキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキバキ!!
質量が増えていく。
やがて、《結晶化》が白い少女を覆い尽くす。
「――――」
何が起こっているのかは分からず。
思考が〝水晶〟に雪崩れ込んで。
〝何か〟が《循環》する。
「……たかが、〝人〟だぞ……」
「………………」
アイリスは分かっていたかも知れない。
だから、祈る様に。
見守る様に、視線を向けている。
「………………」
彼が思考をする。
動かそうとする。
その瞬間、〝水晶〟は砕け散った。
バキィィィィィィン!!!
「――――――」
その手に残った、握り締めていたのは。
緑色の光沢を放つ、巨大な剣だった。
「……《人の原罪》が……〝星〟に、愛される訳が……!!」
驚愕と取っていいリアクション。
天烏兵は後退し、再起動した軽銀歩兵たちが一斉に前へと出る。
「――――排除」
「排除」
「排除」
「排除」
「――――排除」
バグっている。
銃口を向けて、連呼する様に発している。
「………………」
それに対し、彼は――――――
――――驚くほど、頭が冴えている。
冷たい、温かい。
全てが曖昧になっている様で。
《何か》が渦巻いていた。
「……スゥゥ……」
煙を、吐く。
熱によって発生した、湯気。
「…………ッ」
彼の視界はもう、金色に染まっている。
「――――ッ!?」
足に力を入れ、身体を向こうに飛ばす。
その動作で、《時間》が固まった。
「――――」
「――――」
違う、〝意識〟が。
彼の身体が《加速》していた。
「…………!!」
攻撃が当たる。
彼の大剣が軽銀歩兵に食い込む。
その瞬間、彼の《加速》が終わった。
「――――ギャアァァ!!」
斬り裂かれ、電子音とも言える音声が鳴り響く。
「…………」
「……なっ……!?」
それぞれのリアクション。
「……速い……!?」
アイリスは見ている。
敵を真っ二つにした、彼の行動を。
「――――――」
その一振りで、彼は〝理解〟する。
この中に渦巻く、《何か》の詳細を。
「――――――」
金色の視界を敵に捉えさせ、もう一度《超能力》を使用する。
タイミングはそう――――――消滅エフェクトの直後で。
バキャァン!!
「ッ!」
一斉に発砲した。
動きは遅い。
けど、なぞる様な速度で、こちらを襲いかかってくる。
「――――――」
高速ではなく、鈍足でもない。
中途半端な速度に、少し危機感を覚える。
――――――《加速》
〝呪力〟と言うより、何か〝神聖な力〟を巡らせ、身体を文字通り《加速》させる《超能力》。
彼が持つ、アイリスからもたらされた《宝石の剣》によって、〝神聖な力〟を制御・調整されている。
そんな《超能力》を使用すると、彼の身体が一時的にひどく、脆くなってしまう。
「――――――」
それでも、敵に対する殺意は変わらない。
銃弾を避けて、敵に近付いて、背後を取る。
そんな単調な行動。
「…………!!」
「…………!!」
背後を取られ、左右を挟む様に銃口を向ける。
「――――ッ!!」
発砲するよりも速く。
《超能力》を見せかける様に。
――――〝意識〟を、《加速》させる。
ザァン……!!
「――――」
「ガァ……アッ!!?」
発砲したものの、斬られた反動で弾があらぬ方向に飛んでいく。
白い血しぶきを吹き上げながら、敵達は倒れていく。
「…………」
崩れ弾けた破片の中で、彼は姿を消す。
「…………!!」
完全に見失った様に探す、発砲する軽銀歩兵たち。
そんな弾幕、捜索では見つけられない。
だから、〝大将〟を狙う事にした。
「――――」
背後を取った。
「……ッ!?」
でも、気付かれた。
そのまま天烏兵と、刃を交える事になる。
ようやくあのテロリストに、刃を交える
次もお楽しみに!!
更新日は24日と25日です
遅れない様に、頑張ります