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《OCO》-オブシディアンクリスタルオンライン-  作者: 仲元心影
序章 『始まりの現実』
18/46

序章-17 始まりのEXCHANGE

そろそろクライマックス!


5月の更新がないのですが、6月に多く更新予定なので、


楽しみにしてください!!


それではどうぞ!!


 こんな事をしてる場合じゃないと、思い始めた。



「――――ハルノ」

 ユイはガードマンの名前らしき言葉を口にする。

「手短に言います」

 そして続く。

「今まで発動していた〝力〟は、《透過とうか》です」

 自身の事を。


「……え?」


「《透過とうか》だから、傷付きません。だから、私はこう名付けました」


「いや、あの……」

 困惑するガードマンを置き去りにして、言った。



「――――《透明人間インビンシブル》と」



「………………」

 追い付いていけない。

 そう言った、当然の表情を浮かべるハルノ。



「そして――――奴等の目的は、〝VRゲーム〟です。恐らく、何らかの方法で、私達を〝デスゲーム〟に囚われさせようとしています」

「いや、先輩。もうすでに〝ゲーム〟みたいな状況になっています」

 次に目的の事を話すユイに、ハルノは冷静にツッコむ。


「その状況になっているのは、〝魔術まじゅつ結界けっかい〟の作用です。早く、媒体になっている物を壊してください」

「だから、先輩! 〝ゲーム〟みたいな進行になっていますよ!」

 次に打開策を提案するユイに、ハルノはまたツッコむ。


「だいたい、そんな()()()()で納得できると思いますか!?」

「じゃあ、この状況はどうなんですか?」

 そう叫ぶハルノに、ユイは現状を突き付けた。

「……ッ」

 沈黙の肯定。

 頭では否定的とは言え、そんな現象が目の前に起こっているのだ。


「受け入れてください」

 ユイは忠告する。

「死にますよ」

「………………」

 その言葉が重い。

 その目が怖い。

 ハルノは押し黙ってしまった。


「――――原因は分かっています」

 受け入れるひまはない。

 そう言う風に再開した。

「まさかとは思いますが」

 その重みと恐怖を残したまま、問いかけた。

「大阪城ホール、()()()()()()()()()?」


「――――」

 ハルノは沈黙する。

 うつむいて、少しの間がいて、言った。



「――――連絡が、取れない――――」



 最悪な事を。

「……!?」

 動揺する彼。

「……」

 少し見せる、ユイの動揺。

「じゃあ、まさか、ミッチーは……!?」

 動揺し、言及するクッシー。


「ミッチー……?」

 その名に反応し、ハルノの口からこぼれる。

 分からない様子だったが、一瞬で変わった。

「て、まさか――――」

 彼にハルノの顔が向いた。

 驚いた様子で言った。

「トーカちゃん……!?」



「――――――」



 何で、その名前を――――――



「続きを」

 余計な思考を消す様に。

 消えた冷静さを埋め合わせる様に。

 ユイは促す。


「ッ、はい!」

 効果は効いている。

 ハルノは話を再開させる。

「…………」


 そうだ、この女

 ()()の……!!


 彼も効いていた。

 冷静さは取り戻せたけど、嫌な事を思い出してしまった。


「あのバカ――――あっいや、ササキとヤマモトの連絡がかないんです。テロリストの攻撃が始まって、直ぐ」

 話の冒頭で、何となく誰等だれらを恨んでいる感じがあるのはともかく。

 ハルノはここまでの経緯けいいを話した。

「私は巡回に出ていたので、何があったかのすら、分かりません。もう、それどころじゃあ、ありませんでしたから」

 暗い表情を見せるハルノ。

「シノギ――――いきなりの凶弾きょうだんで、同行者が死にました。警備員と警察官、脅威きょういになり得る機構は全て、排除しようとしています。来園者らいえんしゃを、巻き込みながら」


「――――」


 実際にあった。

 だから、皆は沈黙を選んだ。

 そして、耳を傾ける。

 揺れる感情を抱えながら。


さいわい、私の方は《皇宮警察こうぐうけいさつ》の助けがあって、何とか切り抜けました」


「……え?」

 クッシーは首を傾ける。


「そして現在、私の様な警備員や警察官、生き残っている市民達を集めて、敵の占拠地せんきょちである公園から脱出しようとしています」

 ハルノから出た、疑問のセリフが過ぎていく。

「敵は散開している。一人で合流できたのは、それのおかげです」

 そしてハルノは、手を差し出す。


「協力しましょう、ユイ先輩。貴女あなたにも、それの理由があります」


「………………」


 その、差し出した手に、ユイはうつむく。


「――――――」

 彼は思う。


 無駄だ


 否定の言葉。


 敵は()()()()()()


 違う


 奴らはきっと、〝出入口〟の方に固まっているに違いない


 予想する。

 敵の行動を。



 それに、オレは――――――



 思い出す。


『助けて、お兄ちゃん!!』


 泣き叫ぶ、妹の顔を。


「……」

 彼は歩き出した。


「――――ふざけているのですか?」

 ユイは口を開いた。

「閉じ込められているのですよ?」

 怒りの言葉。

「動き回るテロリスト小隊は、ただの巡回要員」

 彼も予想した内容。

「ほとんどが、どこかの〝出入口〟を塞いでいるのですよ?」

 うつむいた顔を上げ、ユイは断言する。




「はっきり言って、無謀です。それなら、大阪城ホールに行った方がマシです」





やる事は、1つしかない


更新日は6月の6か7日です


次回もお楽しみに!!


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