序章-14 始まりのREVERSE-4
成人式から、はや数週。
時が過ぎるのも早いですね。
遅れた分の更新2話目です!
では、どうぞ!!
「さぁ、貴方達」
――――――――――――――
「私を捉えきれるのかしら」
そんな声と共に、戦闘体勢を取った。
「……チッ!!」
「舐めるなァ!!」
そう吐き捨て、天烏兵2人は突っ込んでくる。
「「――――〝接続〟――――」」
残った天烏兵達は一斉に、唱え出した。
「………………」
ユイは表情を変えず、応戦する様に走った。
「はッ!!」
天烏兵Iの斬擊。
「……」
それをユイは避ける。
「……ふッ!」
避けた先で、天烏兵Cの攻撃が待っていた。
待っていてもユイは回避して、カウンター銃撃。
カァン!! カァン!! カァン!!
新しく取り出したサブマシンガンは、単発式に切り替えていた。
「ぐあァッ!?」
天烏兵Cの背中に直撃して、青い光と黒い血が飛び散っていた。
天烏兵Cは倒れると同時に、身体は青く輝き、光は霧散した。
「…………クソッ!!」
天烏兵Iは少し動揺し、すぐさまユイに向き直った。
「………………」
刀の切っ先を向けられ、サブマシンガンの銃口を向ける中。
ユイは見る。
「「――――〝付与〟」」
天烏兵達を。
「………………」
彼は思う。
アニメとかなら、〝無敵状態〟を貫通する為の、詠唱……?
確証は無い。
現実離れした状況で、正常に思考のは難しい。
でも、そう予感した。
「「――――〝対呪〟――――」」
詠唱を、一句ずつ唱えるたび、青い光が刀に集まっていく。
「「――――〝対人〟!!」」
最後であろう一句を唱えると、刀に覆う光の質が変わった。
「「《黒呪法》」」
変質させた刀を振って、言った。
「「《呪能同殺・纏刀》」」
そして、構えた。
「……」
来る
そう予感した同時に
「撃て、信徒共!!」
ユイの隙を突く様に叫ぶ、コクト。
「――――――」
少し動揺した表情、ユイ。
「分かってるよ!!」
「撃て撃て撃て撃て撃てェ!!」
義勇軍兵Gは叫び、クルキは促す。
ドガガガガガガガガッ!!!
義勇軍兵達から放たれる、銃声と鉛弾。
無数の弾が一斉に、ユイに襲いかかる。
「――――――ッ!」
身を守ろうと、身構えるユイ。
そして、透過する銃弾。
チュイン!!
「くっ!?」
すぐ横で銃弾が地面にめり込み、一瞬怯む彼。
「うッ……!!」
「うぁ……!?」
「……ギャァッ!!」
流れ弾で、次々と被弾と紙一重。
直撃を喰らう人達の悲鳴。
「……!!」
服が徐々に、破れていく。
ユイは無傷なのに、嘘の様な透過があるのに。
装備がどんどんダメージを負っていく。
「オイ……やめろッ……!」
クッシーの声。
「やめてくれよ、オイ!!」
叫びが聞こえる。
「やめろよ、チクショウ!!」
「クッシー……!」
彼は銃弾の雨の中でも立とうとした。
でも、急に背筋が凍る様な冷たい感触が首に伝う。
「そこまでだ」
刀だ。
天烏兵Iに刀で動きを封じられた。
「見ておけ、あの女の終わりを……」
「チッ……!!」
この乱射の中で、堂々と後ろを取られた。
彼は舌打ちしかできない。
「……うっ! ぉとなしく……!!」
「もういい、連れてけ!!」
「え!?」
「……ッ!?」
ハルトとクルキの、この会話に動揺するクッシー。
「人質とって、言うことを聞かせろ!!」
ミヤギは叫んで、ライフルをメイに向ける。
「「……ッ!!?」」
動揺するクッシーと彼。
「………………」
恐怖で顔を真っ青になるメイ。
「くっ…………」
とっさに銃口をクルキに向けるユイ。
「……撃てるかな? そのままで」
「――――――」
クルキの言葉に、沈黙で返すユイ。
「マンガも、アニメも同じ。書物に残る〝神の能力〟と〝魔術〟。どれもが強力で、どれもが欠点がある」
勝利を確信したのか。
クルキは語り出した。
「〝透過〟は無敵。無敵だけど、攻撃は〝できない〟」
「……」
「銃弾がすり抜けてしまうから」
「……」
この説明に沈黙を続けるユイ。
図星みたいに。
「だから、できる」
「――――こういう事をな」
クルキの言葉を繋げて、クッシーの拘束を解くハルト。
「――――くッ」
人質を取られ、身を動きも取れないクッシー。
「そして、死ね」
クルキの言葉と同時に、銃撃が止む。
そして、2人の天烏兵が斬り込んだ。
「――――――――」
「「ユイさん!!」」
クッシーと彼は叫ぶ。
斬り刻まれたユイは、倒れた。
「「………………」」
斬った相手にまだ警戒する天烏兵達。
「よーし、大人しくしろよー」
余裕でメイの所に行くハルト。
「………………」
絶望に染まるメイ。
このままだと、メイが……!!
彼の焦り。
「それはあなたです」
そして、ユイの声が聞こえた。
「え?」
「「ッ!?」」
ハルトと天烏兵達の動揺。
「――――うそ」
クルキは呟く。
キュン!!
ドッ!!
「こッ……」
謎の風切りの音。
一瞬でハルトの頭から血を吹き出した。
「――――――ッ」
狙撃!?
後ろからッ!?
彼の思考と同時に、天烏兵達も一緒に後ろを向く。
そこにいたのは、スコープが付いたライフルを構える女性。
落ち着いた印象を持つポニーテールの女性。
ガードマンの制服を着ている彼女がなぜ、強化BBガンではなく実銃を持っているのかは分からない。
でも彼女は、殺気を纏った目で、こちらを見ている。
そして指を、トリガーを、引く。
その怒れる瞳は冷静に、正確に命を捉える
次回もお楽しみに!
更新日は22日か23日です
お願いします!!