序章-12 始まりのREVERSE-2
すみません!!
遅れました!!
執筆道具の故障やリアルの用事と重なり、投稿するのが遅れました
本当に申し訳ございませんでした
この話で一周年過ぎましたけど、これからも
この《OCO》をよろしくお願いします!
「今から、彼を殺さなければなりませんから」
そう言って、彼に銃口を向けた。
「――――ッ!?」
クッシーの動揺。
「――――――」
彼の反応。
ノイズまみれたフラッシュバックから、一気に現実へと引き戻される。
「……待ちたまえ、ミヤギ」
コクトの制止の言葉。
「予定では、〝参加者〟全員出来るだけ討たないはずだが?」
視線と共に向ける、殺気。
「………………」
睨み付けられたミヤギは沈黙する。
「ましてや、子供。相当な理由がなければ、どうなるかは分かるよな?」
コクトは言葉を続けて、刀の柄を掴む。
「………………」
ミヤギはまだ沈黙を続けると、クルキが話を進めた。
「それは、〝博士〟の子供だからだよ」
理由。
単純で、自分勝手な答え。
「〝博士〟――――安東 一騎の事か」
コクトは呟く。
彼とミッチーの、父親の名前を。
「――――!!」
絶望の中で聞く、彼のNGワード。
「そうだよ。だから、殺す」
「――――それが、我らの〝主〟の願いだ」
クルキの言葉を、ミヤギは繋げた。
そして、銃を構え直した。
「………………」
彼は思う。
……ころ、されるのか……?
こんな理由で、殺されるのか……?
歪んだ信教、歪んだ忠誠。
醜い表情と理由。
絶望の淵から、心の奥底から何か。
何かが込み上げてくる。
……ふざんけんな
怒り。
それを動力源に、脳が動き出す。
「……これだから、〝人〟は……!!」
コクトは刀の柄を握り締める。
ふざんけんな!
仲間割れが起こる、直前。
ふざんけんな!!
「ふッッッざけンなァァァァァァァァァ!!!」
彼の思いを呼応する様に、クッシーは叫んだ。
「……!」
「……」
すると、コクト達は一斉に、クッシーの方に視線を向けた。
「……うッさッ……!」
拘束していた義勇軍兵Dの、ハルトの呟き。
耳鳴りがする様に、顔を上げていた。
「――――」
クッシーは紡ぐ。
言葉を、荒げた声で。
「お前等なんかに、お前等なんかに!!」
吐き出す。
〝過去〟を繰り返さない様に。
「殺させて、たまるかァァァァァァァァ!!」
暴れ出す。
大切な者達の為に。
「うぐっ……!? こいつッ!」
ハルトの鼓膜にダメージを与えても、拘束する手を緩めなかった。
それどころか、押さえる力が増えていく。
「――――!!」
それでも、クッシーは反抗を続けた。
「――――――」
その声に、その姿勢に、彼は思った。
――――そうだ
オレは――――――
「……なぜ……!!」
ミヤギは銃口を逸らし、クッシーに怒りを呟く。
その瞬間。
ドクンッ!!
彼の心臓が鳴った。
「――――ッ!!?」
すると、天烏兵Dからの圧力がなくなった。
「な……!?」
急に振り向き、動揺するミヤギ。
「……こ、れは……何だ……!?」
同じく動揺し、呟くコクト。
「――――――」
そして、クッシーも驚いている。
「――――相棒?」
そして、彼の名前を呟いた。
「――――――」
でも彼は、その声に反応する事なく、そんな状況を気にする事もなく、ただ――――――ただ、彼は目を見開いていた。
キィィィィィィィィィン!!
そんな音が、頭の内から響いてくる。
視界の周りが金色に輝いていく。
何かを消費する様に、鼓動も響いてくる。
〝何か〟――――何かの〝境界線〟を超えようする。
そんな感覚が、身体中に伝わってくる。
「これは、マズイかな……?」
クルキは呟く。
「……ッ」
何かに気圧され、動揺や後退りをするテロリスト達。
「……な、何だよ、お前は……!?」
恐怖に囚われた声。
後退りをしながら、ミヤギは訴える。
「何なんだよ!!?」
そして、彼にまた銃口を向ける。
「――――オレは――――――」
不思議と、恐怖はなかった。
震える銃口だからか。
ミヤギが焦っているだからか。
それとも――――〝心の奥底〟から力が湧いてくる、そんな感覚があったから、言えたんだろうか。
でも、もう分からない。
どうだっていい。
思い出した〝決意〟を、口にする。
「――――守る。皆を、守る。ミーも、絶対に――――守る……!!」
そう言って、立ち上がった。
そして、睨み付けた。
「……ッ!!?」
その目に戦慄を覚え、ミヤギは思わず銃口を逸らす。
「気を付けろ!!」
コクトの叫び。
「あの子供は〝何か〟が違う!!」
コクトも焦っている。
その理由を、警告と共に出される。
「〝呪力〟でも、〝霊力〟でもない〝何か〟――――〝神に似た力〟が溢れ出している……!!」
「……」
何を言ってるか、分からない。
身体が重い。
皆を守らなきゃ。
そう脳内に感じて、〝何か〟と一緒に巡って、冷静に近い心境になった。
冷たくて、ゆっくり沈み込む様に、何かの〝境界線〟へと近づいていく。
ググググ……
「ッ!?」
心のままに、硬直した身体を動かそうとすると、テロリスト達は一斉に構えた。
「撃つな!! 何が起こるか分からないぞ!!」
コクトの制止。
「じゃあ、どうする!?」
それに問いかける天烏兵B。
「――――だったら!!」
そして、ミヤギは銃を構える。
「実弾で殺してやるよ!!!」
そう叫んで、引き金を引かれた。
「――――――」
キィィィィン!!
それに反応した彼の本能が、意識をまた加速させる。
ド ガ ガ ガ ガ ……
ゆっくりと響く銃声。
ゆっくりと襲う銃弾達。
その世界に入るのは二度目。
二度目の〝走馬灯〟。
今度は鼓動と耳鳴りが響いている。
ギ……ギ……ギ……
動きが遅い。
銃弾よりも遅い。
これでは直撃する。
死んでしまう。
ドクン!!
動け
ドクン!!
もっと、早く
ドクン!!
もっと、もっと――――
ドックン!!
その先へ――――!!
彼の心の奥底にある、〝境界線〟を超えようした瞬間――――
『――――まだ、ダメだよ――――』
少女の声が聞こえた。
「――――!?」
顔が重い。
重くて遅いから、振り向けない。
『まだ、その時ではないから』
この加速した世界で、普通に動く事はできない。
音もゆっくりしか聞けないのに、少女の声は普通に聞こえる。
「――――――」
彼は混乱する。
まだ、その時ではない……?
そして、思った。
彼女の言葉を。
『でも、貴方が死ぬのもダメ』
少女の白い腕が見えた。
少女は腕を伸ばしている。
「――――――」
彼は混乱する。
動いた。
普通に動いた。
スッと動いた。
加速しているはずなのに。
『だから、助けてあげる』
そう言った瞬間、少女の腕が燃え盛った。
「――――!?」
彼は驚く。
こんな現象、あり得るのかと。
『次は〝あの子〟に助けてもらってね』
……〝あの子〟?
〝あの子〟って一体……?
そしてようやく、少女の顔が見れた。
不思議な雰囲気で、姫カットした少女の顔。
そして、微笑みかける少女は言った。
『また、会いましょう。――――安東 二一君』
「――――!?」
なぜ、オレの名前を――――――!?
会った事の無い少女。
少女は彼を知っている。
その謎を残したまま、少女は伸ばした手を握り締めた。
そして、少女は一瞬にして消えた。
加速世界の終わりと共に。
謎の少女がもたらした、奇跡とは?
次回もお楽しみに!!
更新日は26か27日です!
更新頻度増やせる様にがんばります!!