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絵画の店

 8


 家出る。

 マーガレット、先程の短パン、タンクトップ。

 肌露出度、超過激。

 しかし胸、上手く隠れる。

 かなりボリュームあり。

 それにエナ、釘付け。

 それ見たマーガレット曰く。


「私のハンディキャップだ」


 ため息一つ。

 敵、作りかねないため息。

 腰には凶器(ナイフ)ぶら下がり、それもマーガレット、妖艶に映すアイテムとなる。

 つまり、様になっている。

 エナ、青い長袖のジャケットに、デニムそしてアイテムとして赤いリュック背負う。

 赤いリュック。中は先程の二つの箱、かなり重く紐、引力引かれ全体的に沈む。

 お洒落アイテムより、実用的アイテム。


「惜しいなあ」


 マーガレット、苦笑い。

 エナ、よくわからず。

 

「少し行きたい場所ある」


 エナ、懇願する。


「保護者付きならな」


 マーガレット、言葉発す。

 しかし誰見ても、保護者に見えず。

 恋人同士か、百歩譲って兄妹か。

 

「仕方ないな、わかった」


 エナ、ため息混じり。

 マーガレット、微笑む。

 二人が行動、開始する。



 9


 グレン市ライム地区第二番地。

 エナ、ここに来る。

 マーガレット、それに従う。

 町並み、エナの場所と似ている。

 区画整理、しっかりしている。

 

「素晴らしい町並みだ。グレン市の凄さわかる」


 マーガレット、唸る。

 エナ、不思議顔。

 そうか? そんな感じだ。

 

 人通りかなりあり、活気満ちている。

 比率、男大半、女少々。

 その中を二人歩く。

 ほとんどの人間、エナ、マーガレット、チラチラ見る。

 マーガレット、性欲対象の眼差し多数。しかし中には嫉妬心もあり。

 異性の視線、性欲対象。

 同姓、嫉妬心。

 エナ、性欲対象の眼差し少数、殺意多数。

 二人、ある意味派手。

 ほざいてしまえば、目立ち過ぎ。

 それ気にせず、二人の道行く。

 

 しばらく歩き、ある店に来た。

 その店、白基調の清潔感漂う雰囲気。

 看板あり。


『絵画の店 クリスチャー』


 そうあった。

 エナ、立止まる。

 マーガレット、然り。

 

「ここだ。行こう」


 エナ、言葉発する。

 

「へえ、絵画ねぇ」


 マーガレット、少し驚く。


「ここから、情報を買う。出来れば残り金も欲しいが」


 エナ、意味深に言葉発する。

 マーガレット、そんなエナに釘付け。

 

「情報? 残り金?」

「入って、教える」


 エナ、店に入る。

 マーガレット、付いて行く。


 店内、こじんまり。

 思いのほか、小さく映る。

 理由、たくさんの絵画にあり。

 所狭しと、ある。

 海の丘にある一軒家。そんな風景画あれば、反っくり返った偉そうな人物画。

 種類分けはされているが、どこかウザい。

 特に人物画、ウザすぎる。

 

 狭い店内の奥、二人足を運ぶ。すると白いつなぎを身纏う、背高い痩型の青年。

 椅子に座り、絵画創作中。

 つなぎ、色が白もあり絵の具のシミ目立つ。

 使いまれている。

 エナ、しばらく青年の様子見。

 マーガレット、同じく。

 

 無の空間、無の時間、しばらく二人に流れる。

 これは退屈。

 本来、それが普通だ。

 しかしそれ、感じず。

 理由、青年がとてつもないオーラ放つ。

 肉眼確認できる訳ではない。しかしその勢いに、どこか魅了された。

 右手親指にあるパレット、近くの机に置く。そこにたくさん、絵の具があった。ほとんど使い込まれ、中には新品もある。おそらく使い切った事で補充したのだろう。

 左手にある筆、同じ様机に置く。

 椅子から立つ、つなぎのボタン外す。すると中から赤髪現れそれ、腰まである。

 つなぎ脱去ると、汗が白いシャツを滲ませる。

 ズボンは黒で、少し余裕がある。それには滲みはない。もしくはわからない。

 

「いらっしゃい、エナ。今日は金の受け取りか? それとも情報交換か?」


 青年、言葉発し顔上げる。

 切長の目に、妖しく輝く黒い瞳、鼻筋通り、キリッとした口元。

 マーガレット、そんな青年に少し興味惹かれる。


「なかなか、ね」


 興味、言葉になり口から出る。

 エナ、苦笑い。

 マーガレット、青年の体つきに目見張る。

 優男の様に映る。しかし余分な筋肉付けずキレのある体。そして先程の場を制するオーラ。

 只者ではない!

 それ、見抜く。

 

「マーガレット、紹介する。こいつは……」

「クリスチャー、だろ。だって『絵画の店 クリスチャー』て、あった」


 マーガレット、エナ制し言葉発する。

 エナ、少し顔顰め。

 

「可愛い、いや美人かな。そちらの女性は?」

「クリスチャー、彼女はマーガレット。信じるかどうかはわからんが……」

「エナ、余計だ」


 マーガレット、再び制す。

 エナ、今度はかなり顰めっ面。

 気に入らない! 顔に出まくる。

 

「アハハッ、そこまで! 仲が良い。では始めましょう。そのテーブルでいいですか、よろしかったらそこの椅子に座って下さい。簡単ですがお茶の用意します」


 クリスチャー、言葉発し台所行く。

 

「さて、待ってよう」


 エナ、椅子に座る。

 マーガレット、同じく。そして辺り見る。

 絵の具の独特な匂いが、鼻腔擽り、明るい空間。

 どこか居心地良くない。

 噛み砕けば、落ち着かない。


「長くなるのか?」


 マーガレット言葉発する。

 

「多分、どうする? いる?」


 エナ、確かめる様、言葉発する。

 マーガレット、首横振りニタリと笑う。

 余計! そんな感じだった。

 

  


 

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