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日雇労働者ギルド

 グレイグ国グレン市カライ地区。

 グレン市、負け組、永久負け組地帯。

 街、不様に荒果てる。整備もなければ、瓦礫ばかり。

 建物、全て酷く痛み、真っ当なの見当たらず。

 そこに住む人間、瞳の輝き見出せず、絶望隣合わせの生活余儀なく。

 服装粗末、身体臭く、顔汚れ。

 

 グレン市カライ地区一番。

 そこにいくつかの、ビルあり。

 

 ビル、高度文明が残し建造物。

 耐久性が高く、空高く背伸びしている。 

 しかし老朽激しく、今では崩壊しても可笑しくない。


 いつかのビルの一つ。

 一際活気あるビルあり。

 そのビル背低く、広い面積あり。まるで横に伸びる長方形。

 そこにたくさんの、人間、人間、負け組の人間。

 活気ある。しかしそれは殺気おびた活気。

 理由は、飯食べるため。


 ビル入る、すると大きなフロア。床は凸凹している。人間の足裏に削られた事によるモノ。

 低い天井見上げると、そこに「就業取扱い所」と看板がある。

 

「はい! 押さないで、押さないで! アラナ地区の道路修理依頼どうだ! 日時は明日朝の陽の上がらない時間から、陽落ちるまで! 賃金は銀貨四枚、銅貨七十枚、定員十五名! 今一番ホットな依頼だ! いないか、いないか!」


 甲高い声、張りあげる中年男。

 頭禿げ上がり、前歯なし。

 ズングリムックリ、そんな身体。しかしどこか愛嬌あり心惹かれる。


 「俺だ! 俺だ!」


 男共、禿げ上がり、前歯なし中年に詰め寄る。

 それ、遠目から見てるエナ、マーガレット。

 マーガレット、腕を組み仁王立ち。

 エナ、笑いながら言葉発する。


「あれがゴン、だよ」


 マーガレット、刻々頷く。

 瞳、どこか冷めている。あまり気にくわない様子。

 

「変なオッサンだな」


 マーガレット、上目遣い丸出し。

 エナ、苦笑い。

 

「押すな! 押すな! ヨーシ、これはそこと、あこと、それと、これと! お前らに任す! 迎えるは来るらしいが、帰りは実費だ! アラナ地区からカライ地区までは少しあるが、歩いて帰っても二時間程度だ! それさえ我慢すればいい儲けだぜ、因みに飯も出ねえから弁当用意しろよ! ただ、飯食わす時間をとってくれるかは、わからねえ! 以上だ。さて次の……おっ、来たかあ」


 ゴン、大声まくし立てたと思いきや、エナ見つけ手を振る。

 

「おっ、誰だその凄え美人は?」


 ゴン、マーガレットを見、歯抜けの笑顔見せる。

 マーガレット、心でドン引きす。


「ライター、俺の後、頼むぞ! 次はこの求人だ」


 ゴン、そう言葉発すると、カウンター越しから飛び出す。求人目当てでごった返す野郎共置き去りにし、二人に向かう。


 就業取扱い所、幾つかのブースになっている。

 そのブース、ブースに従業員存在する。

 従業員、四人編成されている。内訳、一人は仕事求人を叫ぶ人、一人は事務手続きする人、二人は身体ゴツイ護衛。

 その連中全てがゴンの手のもの。

 人数多数で、一大勢力を保つ。

 

 何時しかエナ、マーガレット、ギルドの奥、客室に案内されている。

 客室、なかなか綺麗で清潔感あり。

 それ自体、かなり年期あり古さ目立つが、しっかり整理された空間であった。

 

 マーガレット、少し驚く。

 ここまで整理行き届く、それはその人間な質を物語る。おそらくこれは、やらせた、のだろう。

 やらせた、を確実にやる。

 これ、信頼信用、そして向上心必要不可欠。

 

 それを植えつけるとは!


 マーガレット、ゴンを少し見直す。

 客室のドア、開く。そこにはゴンが笑っている。もう一人女性がいて、珈琲と菓子を置く。

 二人、似たようなシチュエーションにどこか呆れ顔。しかし客もてなすにらこれが普通、ここはそれに従う。因みにゴンにはお茶で菓子はない。替わりに漬物の様。

 女性退室前、「失礼しました」と言葉発し頭下げる。 

 ゴン、笑いながら労いをかけてやる。

 なかなか、気が利いている! マーガレット心で呻る。


「堅苦しい挨拶はなしだ。なあエナ! それにミス.マーガレット」


 ゴン、言葉発する。

 マーガレット、顔険しくなる。理由は簡単、初対面のヤツから名前呼ばれた事。


「レイガス、アイツの嫁さんだろ? 確か精神使(マインドサマナー)いであり、エナの母、レイガスから聞いてはいたが本当に若いなあ」


 ゴン、お茶飲みながら少し溜め息吐く。


「酒ば我慢我慢」


 なるほど、だ。

 マーガレット、少し驚く。まさかこんなヤツからレイガスの事、切出されるとは。

 エナ、珈琲飲む。

 苦みの効いたソレ、少し顔顰める。

 

「エナ、お子ちゃまだなあ。レイガスに紹介されて、日がたつけどお子ちゃまは、お子ちゃまだあ」


 ゴン、大笑い。

 エナ、苦笑いする。


「お前、レイガスの事、知っているのか?」


 マーガレット、ストレート! そんな感じで言葉発した。

 笑っていたゴン、真面目顔になる。


「別にレイガスとは、いろいろあってな。聞きたいか? ミス.マーガレット」


 ゴン、言葉発する。


「当たり前だ! 教えてくれ。それと、ミス.マーガレットは性に合わない。マーガレットで頼む」


 マーガレット、回答する。

 ゴン、首縦に振る。

 クリスチャーに続き、二回目の話合いとなった。

 

 

 


 

 

 


 



 

 

 




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