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干物男は異世界でも引きこもりたい  作者: 粉みるくススル
第一章 引きこもりは異世界に行く
9/42

07.転職してみました

本日3本目になります。

「トニー君いる?」


 ルーシーさんが奥に向かって声をかけると、20代後半くらいの茶髪でひょろりとした長身の地味な男がのっそり現れた


「トニー君、この子が転職希望だから、転職部屋への案内と説明してあげてね」

「はいよ。じゃあ、こっちにきて」


 ぶっきらぼうな感じで案内された場所は、2畳ほどの狭い部屋。外からの採光はなく、ランプだけの薄暗い空間だった。

 その部屋の椅子に座ると説明が始まった。


「ランプの明かりを消すからそしたら瞑想して。頭の中に転職可能なジョブが浮かぶからその中から適当に選ぶと転職できるよ。じゃあ早速転職しようか」


 トニーさん、説明簡単すぎやしませんか?

 有無を言わせず部屋の明かりを消された。辺りが暗くなると部屋の四方がキラキラ輝きだす。

 慌てて瞑想すると、頭の中に文字が浮かんできた。


 【平民】【投石師】


 あれ?転職できるの2つだけ?しかも【平民】と【投石師】って・・・。

 まぁ戦闘能力ありそうだし、石はこれからも投げるだろうから【投石師】で!


 <【投石師】のジョブを習得しました。【投石】【投石力】のスキルを習得しました>


おっナビゲートちゃんが仕事してる!


「無事にスキルついた?転職について説明するねぇ」


 唐突に明かりをつけたトニーさんは、ジョブとスキルについて説明を始めた。


 ジョブのLv上限は100。100になると能力値が上がる。

 ジョブLv100になると別のジョブに転職できるようになる。

 転職できるのは転職部屋でのみ。冒険者ギルドの使用料は500マニー。

 転職出来るジョブは、過去のジョブや今までの経験が強く影響される。

 新しいジョブに転職すると複数のスキルを覚える。

 スキルLvの上限は10。数字が高い方が強い。

 ジョブLvが上がったり繰り返し使用するとLvが上がる。

 同じ系統のスキルがLv10になると統合する場合がある。


 うーん、出来れば転職前に教えてもらいたかったなぁ。

 でも無事にジョブを習得出来て良かった!


 トニーさんにお礼を言ってギルドのロビーに戻り、忙しそうに列を捌くルーシーさんにお礼を言って冒険者ギルドを出る。

 外に出る15時過ぎ。日はまだ高い。

 早めに回収してしまおうと、門に戻って衛兵にギルドカードを提示し、引換証と交換でサバイバルナイフを回収。お勧めの安宿の場所も聞いた。

 森にあるドアまで戻っても良かったが、片道約3時間の距離。歩くの面倒だし明日は解体の講習のために午前中にギルドに行くので街に1泊することにした。

 衛兵のおすすめの宿は、1泊50マニー、食事は1食3マニー。1泊2食で56マニー支払いチェックイン。

 ポロい部屋だったが日本円に換算して1泊50円なら激安だよなぁと妙な感動。

 普段なら外へ出たくないとこのまま引きこもるのだが、異世界の街という状況にテンションが上がっていたため街の観光に繰り出すことに。


 ロマノの街は、中世ファンタジーという雰囲気で、思っていたより清潔だった。

 上下水道は完備され、水も綺麗。嫌な臭いもなく道にゴミも落ちていない。

 文明レベルは中世だが、人の文化レベル高いのかな。

 街行く人の服装は、地味だが小綺麗だった。


 すれ違う人の視線が気になるので自分を確認すると――――小汚い。

 そう言えば転生してから1ヶ月、着替えてない。

 川やキッチンの水道でこまめに洗っていたが、血のシミなどがしっかりと残っている。

 ジーパンはまだいけそうだが、愛用の黒のTシャツはボロボロである。


 よし、まずは服を買おう。

 適当に目に入った商店で、安いが丈夫そうな布の服を上下セット30マニーを3着購入。

 一緒にパンツも購入。

 1着100マニーだったので購入は1着だけにした。

 なんでパンツの方が高いのだと店員に聞いたら、男は、基本ノーパンだそうで。パンツは、激しく体を動かす職人や冒険者がぶらんぶらんするのを防ぐためだけの需要しかないそうだ。

 文化の違い!


 途中で観光が面倒になったので宿に戻って食事。

 メニューは、パンと豚肉味の何かの肉のステーキと野菜スープ。

 味は、不味くはないけど薄い。あとパンが硬い。

 なんちゃらメイトに比べたら全然美味しいから良いけど!



 部屋に戻って、鞄を検証。

 キッチンから持ってきた菓子パンは鞄の中から消えていた。やはり、マイホームの物は持ち出せないか。

 キッチンにあった食パンと具材で作ったサンドイッチも消えていた。

 キッチンにあった食パンと兎肉のサンドイッチは包装していたラップのみ消えていたが本体はサンドイッチとして残っていた。

 ロースト猪肉も包装していたラップのみ消えていた。

 ロースト猪肉を薄くカットして味見をすると味がしっかり付いていた。

 うん、マイホームの物は外へ持ち出せないが、異世界の食材と一緒に料理すればおk。調味料も料理にすればおkてところかな。

 水筒に入れておいたカルピスは消えていた。ドリンク類は駄目かぁ。

 あとで、米も検証しないとなぁ。丼物と異世界の具のおにぎりなら持ち出せそうな気がする。



 外でもある程度食生活が充実すしそうなことに満足して就寝。

 さぁ、数か月分の光熱費を稼いで引きこもるぞ!



――――――――――――――――

名前:タカシ オクイ

種族:人間族

年齢:16

ジョブ:投石師Lv1


能力値

生命力:100

魔力 :30

力  :12

敏捷 :12

体力 :8

知力 :8


アクティブスキル

投石Lv1


パッシブスキル

投石力Lv1


ユニークスキル

マイホーム<0hp>

自動翻訳

――――――――――――――――









 神様ヘルプより


・ジョブ

 【平民】

 平民。習得スキルはないがLv100にすると基本戦闘職・基本職人職に派生する。


 【投石師】

 石を投げる職人。習得スキル【投石】【投石力】。


・スキル

 【投石】

 アクティブスキル。石を投げる時に発動させると、威力と命中率が上がる。


 【投石力】

 パッシブスキル。投石時に投石速度が上がる。

5月1日 火の日


所持金:1654マニー

マイホーム:0hp

冒険者ランクG:2/30

石を投げる簡単なお仕事に就職

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