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干物男は異世界でも引きこもりたい  作者: 粉みるくススル
第一章 引きこもりは異世界に行く
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05.冒険者ギルドで絡まれた

 前門のけしからんグランドキャニオン、後門の世紀末モヒカン。

 どうしてこうなった。



 冒険者ギルドの扉を開けた俺は、意外なほどの清潔感のある施設と活気ある雰囲気に面を食らった。

 もっと殺伐としているも思ったんだけどな。

 ギルド内は、扉を開けて正面にカウンターがあり、カウンターの横はラウンジになっており、冒険者風の男達が雑談をしている。


 さてさて、登録はどうすればとカウンターを見ると列はが3つ出来ていた。

 1つは、長い行列。むさい男ばかりのその列の先には露出度高めの妖艶な受付嬢がいた。

 もう1つは、そこそこ長い行列。列は若い男が中心で、その先にはツインテールの幼くて可愛い感じの受付嬢がいた。

 どちらも美人だが区別するならば、山と平野。ちなみに俺は山登り推奨派だ。

 3つめの列は――――人が並んでいないその受付にはスキンヘッドで泥棒髭のいかついおっさんがいた。


 さぁ、どの列に並ぶか・・・。俺は迷わずおっさんをチョイスした。

 地球にいたころは30歳まで童貞を守った俺だ。女の子の目を見て喋るなんて拷問だ。そもそも、選択肢のないコミュニケーションを取らないといけないなんて無理ゲーである。


 <残念な引きこもりがここにいる>


 うっせ。


「すみません、ギルド登録をしたいのですが・・・」

「おっ兄ちゃん新人かい?」

「はい、ギルドきたのは初めてなんですが登録できるでしょうか?」

「おう。登録しにきた新人は皆初めてだから心配するな、兄ちゃん、そんなに固くなるな」


 優しそうなおっさんでよかった。チャラい兄ちゃんや不愛想な中年だったら上手く会話出来そうもなかった。


「ルーシー、新人の登録だ。ちょっと受付変わってくれ」

「はーい」


 少しのんびりした様な甘ったるい声で返事したのは一番長い列の受付嬢だった。


 どういうこと?


 受付がおっさんから美女にジョブチェンジした・・・。

 列に並んでいた冒険者からブーイングがおこる。主に俺に対して。

 いや、俺に文句言われても。


 妖艶な美女――――ルーシーさんは、受付のテーブルに胸を乗せて上目使いでこちらを見上げてきた。

 甘い良い匂いがする。

 歳は20代前半だろうか、艶々した金髪のロングヘア―に少しふっくら顔立ち。目は、大きくタレ目で唇は厚く口元にほくろがある。

 間違いなく美人だが、ルーシーさんの本領はそこではない。それは大きく実った二つの果実。

 俺のネットサーフィンで培った鑑定眼によると恐らく、G!

 グレートのG。

 そのGが、ほぼ上半分露出されて今俺の目の前で寄せ上がっている!


 うん、逃げよう。

 コミュ障+女性とのコミュニケーション能力に不安のある俺は、逃亡を決意した。


 振り返ると、そこにはモヒカン肩パットで上半身裸のマッチョがいた。

 いつからここは世紀末?


「あーん。次は、俺の番だったんだよ。ガキがルーシーさんに受付してもらうなんて10年はぇんだよ」


 あっ、これは確実に絡まれてる。テンプレだ。

 ビビッて顔を正面に戻すとそこにはルーシーさんのGの谷間が。


 前門のけしからんグランドキャニオン、後門の世紀末モヒカン。


 俺オワタ。



「このギルドは騒々しいな!」


 俺のピンチを救ってくれたのは、イケメンだった。

 タイプの違う美女を2人引き連れたイケメンな冒険者が、俺と世紀末モヒカンの間に入ってくれた。


「最初から見ていたがこの新人に文句を言うのは間違いだろ?言うべきは受付を変わったギルドマスターでは?」


 スキンヘッドの泥棒髭のおっさんはギルマスだったのか。


「それにルーシーさんは優しいから何も言わないが、君みたいな男は嫌われているよ?ルーシーさん、男がみんなこんな奴だと思わないでくれ」


 イケメンがルーシーさんに投げキッスしやがった。

 さっきから喋りながらポーズ付けたり、ルーシーさんの胸をチラチラみたり、助けてくれたのはありがたいけどイラっとするなぁ。


 <胸見てるのは君もだろ>


 さーせん。


 投げキッスされたルーシーさんが、そのイケメンに対して露骨に嫌な顔のにちょっとスッとした。

 その嫌な顔を目撃した俺に、苦笑いしながらペロッと舌出しウィンクしてくれたルーシーさん。

 あざとい!あざとおっぱい!


 そんな一連のやり取りをポカーンとみていた世紀末モヒカンが赤い顔をしながらキレて剣を抜いた。


 あっやばい。


 次の瞬間、世紀末モヒカンは床に倒れていた。

 何が起こったかわからなかったが、イケメンが何かやったらしい。


「まったく、粋がるならそれ相応の力を付けてからにしようぜ」


 イケメンは連れの女の1人の腰を抱いて引き寄せるとキスをした。しかもディープな方。

 こいつは敵だ。


 <こいつは敵だ>


 イケメンは、呆然としている俺に近づくと耳元で「君も地球からの転生者だろ?黒目黒髪だからすぐわかったよ」と呟き俺の手を取り握手した。


「俺はB級冒険者のアキラクドウだ。アキラって呼んでくれ」


 B級と名乗った黒目黒髪のイケメン――――アキラに周りはざわついている。B級って相当なのか。


「あっはい」


 コミュ障な俺は、無感情に返事してしまった。


「いやいや、こっちが名乗ったのだから名前教えてよ」


 そんな俺にアキラは苦笑いしていたが特に悪意はないようだ。うん、悪い奴じゃないな。

 だが、このやり取りの間連れの2人の女とイチャイチャしていてちょっとイラっとした。


 <僕は凄くイラっとしている>


「俺は、タカシオクイです。よろしくお願いします」


 改めて自己紹介した俺の耳元でアキラは、周りに聞こえないように囁く。


「同郷なら君も加護(チート)持ちだろ?この世界の女はチョロいぜ。君も加護(チート)で力をアピールすればすぐにモテるから俺みたいにハーレムも夢じゃないぜ?」


 何、ハーレム!


 <加護(チート)が引きこもりじゃ無理ですよ。常識的に考えて>


 ですよねー。


「じゃあ、機会があったら一緒に冒険しようぜ!」


 アキラは、ルーシーさんともう1人の受付嬢にキラキラスマイルを振りまきながら、左右の手で連れの2人の女性の腰を抱きながらギルドから出ていた。

 受付嬢2人は、顔に嫌悪感をストレートに出している。


加護(チート)をアピールしててもモテてないじゃん・・・」



 どうやら無事にテンプレをが起こり、ルーシーさんのグランドキャニオンを観光しているうちに勝手にテンプレが終了していたようだ。


 変なイベントが発生しないうちに早くギルドに登録しよっと。









 神様ヘルプより

 女性のおっぱいの平均的な重さは、片方の乳でりんご1個分。

 だから両手にりんごを持てば・・・


 あとは分かるなっ!

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