表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
干物男は異世界でも引きこもりたい  作者: 粉みるくススル
第一章 引きこもりは異世界に行く
5/42

03.水回りが充実しました

本日2本目です。

 初めて兎を狩ってから1週間たった。

 ドアを開けっぱなし、視界にモンスターが入ったら石を投げる。それ以外は部屋でゴロゴロする生活をした結果、そこそこ魔石が集まった。


 まずは(ジャイアントラビット)

 これが1日2匹ほど狩れた。血抜きも解体も慣れて1日2回美味しいお肉も食べれるようになった。兎の魔石は1hpだったが1週間で12hp


 次は(ワイルドボア)

 こいつは何度か見かけたが石では倒せなかった。

 石を投げつけるとこちらに向かって突進してくるのだ。ドアを設置した場所辺りを通り過ぎると視界から消えるから害はないけど倒せない。

 何度か投石して、突進してくる習性を掴んだので、突進してきたらドアの外へサバイバルナイフだけを突き出して猪を迎撃する策を試したら、衝撃で両腕の骨が折れた。

 両腕の骨折は、救急箱に入っていたポーションで回復した。サバイバルナイフが折れなくて良かった・・・。

 腕は折れたが、この作戦は悪くない。

 すぐに太めの木を切り、先を尖らせて杭の様な簡易的な槍を作った。木を加工する道具はサバイバルナイフだけだったので時間がかかったがなんとか形にはなった。

 突進してきた猪は、この槍で対応した。

 石を投げる→突進してくる→槍で迎撃→ナイフで止め。このルーティーンで猪を倒せるようになった。

 猪は1週間で2匹ほど倒せ、割と大量の肉と毛皮、3hpの魔石が2つ手に入った。


 他に、(フォレストベアー)(フォレストウルフ)など見かけたが「モンスター図鑑」で攻撃したら死ぬよと警告されたのでスルーした。


 1週間で集まったhpは19hp。キッチンを作成には30hp。もうちょっとだな。

 キッチンの他にもトイレやお風呂が切実に欲しい。

 今はまだ川で我慢しているが。

 河原で大をしている時に猪に突っ込まれた悲しい事件がトイレとお風呂の優先度を上げているだけなのだが。


 

 4月22日 土。異世界生活22日目。

 その日の夜に、兎を狩った。既に腹も膨れていたし眠かったので明日魔石を回収しようと死体を放置したまま寝ることにした。


 ギャギャギャ

 ギュギュギュ


 恐らく真夜中、森から地球では聞いたことのない鳴き声が聞こえてきた。

 ドアを開けっぱなしで寝ていたらしい。

 外を見ると小学生くらいの大きさの肌が緑色した二足歩行の化け物、尖った鼻と耳が特徴的な醜悪な顔をした―――ゴブリンだ。

 それが3匹ほど兎の死体の周りで歓声を上げている。

 強さを確認するために慌てて「モンスター図鑑」を開く。


――――――――――――――――

ゴブリン


定番のあれ

今の君ならタイマンでボロボロになりながらなんとか倒せるくらいの強さ

闇の魔力から生まれた邪妖精で闇の日に強化され光の日は弱体化する

集団で人間や家畜を襲ったり繁殖のために他種族の雌を攫うため常時駆除の対象で報奨も高い

――――――――――――――――


 あっ日付変わって今日は闇の日じゃないか。

 強化されてるし3匹いるしきついかな。

 少しビビったが、部屋の中からなら危険はないだろうと自家製木の槍を手元に置き、投石でゴブリンに攻撃。


 ゴブリンは混乱している!


 投石で大きいダメージは与えていないが、何処からか飛んでくる石、姿が見えない、気配のない敵に対してゴブリン達は混乱している。

 混乱しているゴブリン達は、逃げ出す様子はないので無心で石を投げた。

 そのうち、一匹のゴブリンが頭から血を流して倒れた。

 ゴブリンは冷静さを取り戻したのか投石元のこちらへ走り寄ってきたので先頭のゴブリンに向かって木の槍を刺した。

 猪ほどの突進力がなかったため串刺しとはいかなかったが、ゴブリンは地面に倒れて痙攣している。致命傷を与えたようだ。

 止めを刺すためにドアから腕だけ刺して倒れているゴブリンにサバイバルナイフを刺した。

 人型のモンスターを殺したがあまり感情は動かなかった。

 残った1匹は、逃げ出していた。


 部屋で一息ついてから外を確認。

 特に怪しい気配がなかったので外へ。倒したゴブリンは、2匹とも死んでいることを確認して、神様ヘルプを参考に解体。 

 ゴブリンから魔石と耳を切り取る。耳は駆除した証拠として街で売れるらしい。

 兎はゴブリンに齧られて後があったため魔石だけ回収した。

 作業が終わって残った死体の処理に面倒な気分になってるところに、何か集団が近づく音とギャギャギャという鳴き声が聞こえてくる。

 慌てて部屋に逃げ込むとゴブリンが5匹ほど現れた。

 さっき逃げた奴が仲間を連れてきたっぽいな。

 解体後で血だらけだったので河原に行きたかったが諦めてドアを閉めた。


 とりあえず部屋を汚さないようにタブレット端末にゴブリンの魔石を乗せる。

 ゴブリンの魔石は10hpで、兎の魔石を合わせると21hpとなった。


――――――――――――――――

マイホーム<40hp>

――――――――――――――――


 タブレット端末で【マイホーム】をタッチして、開いたツリーから【キッチン】と【トイレ】を選択。

 続けて未設置となっている【キッチン】をタッチすると部屋の見取り図が現われたのでドアと六畳一間の間に【キッチン】を設置。

 ボワンという不思議な効果音と共に四畳半の広さのキッチンが現われた。

 続けて【トイレ】をタッチするとまた見取り図がが現われたのでキッチン横に設置。

 1人暮らしのアパートみたいな間取りになったなぁ。


 血まみれだったのでキッチンの流しで体を洗い、ついでに服を洗って一心地。

 改めてキッチンを確認する。

 あっこれ、規模は小さくなったけど地球で住んでいた家と同じキッチンだ。

 キッチンには愛用の電化製品や調味料が並んでいた。

 冷蔵庫や収納には家を出た時と同じ食品がストックされていた。

 地球で死んだときと同じ状態なのか・・・。

 とりあえず、鞄から兎と猪肉を取り出して冷蔵庫にしまう。

 続けてトイレを確認。

 同じ匂いだ。

 愛用の芳香剤の匂いがするトイレは、地球の家と同じで温水洗浄便座だった。

 温水洗浄便座は嬉しかったが何よりトイレットペーパーのストックがある!

 葉っぱから卒業が地味に嬉しい。


 キッチン増築記念に備蓄してあった米を炊いて、生姜焼きのたれで猪肉を焼き、猪肉の生姜焼き丼を食べた。

 美味しい!塩以外の味がある!ご飯ってこういうことだよ!

 涙が出た。


 満腹になったのでステータスを確認してみた。


「ステータスオープン」


――――――――――――――――

名前:タカシ オクイ

種族:人間族

年齢:16

ジョブ:


能力値

生命力:100

魔力 :30

力  :12

敏捷 :12

体力 :8

知力 :8


ユニークスキル

マイホーム<0hp>

自動翻訳

――――――――――――――――


 あれ?あんなにモンスター倒したのにLv上がってない。いやそもそもLvの表記がないぞ。


 <街でジョブ付けてないのでいくらモンスター倒してもlv上がりませんよ。引きこもってないでいい加減外へ・・・>


 キッチンとトイレがあれば外出る必要ないじゃん!


 それから俺は完全に引きこもった。

 ゴブリン退治で疲れた心を癒すために!キッチンに備蓄してあった食料があれば外に出る必要がないからじゃないよ!


◇◇◇


 あれから7日ほど経過した。


 4月30日 光 23:59。

 それは日付が変わった時に起きた。

 なんと部屋の電気がすべて消えたのだ。

 電気が付かない。

 水か出ない。

 火が付かない。

 真っ暗な部屋でタブレットの光を頼りに神様ヘルプを開くと「公共料金」という項目が増えていた。


 なんですって!


 神様ヘルプによると毎月30日にタブレットに振り込んであるマニーから電気、水道、ガス代が引き落とされることになっている。

 それが支払われないと月替わりと同時に止められるそうだ

 慌ててタブレットの公共料金を確認してみる


――――――――――――――――

4月分の公共料金

電気 12000マニー(分未払い)

水道 3000マニー(分未払い)

ガス 3000マニー(分未払い)

――――――――――――――――


 合計18000マニーか・・・。

 電気代高くね?

 その謎はすぐに解決した。今まで快適だった部屋の温度が少し湿った感じになったのだ。そう、24時間エアコンつけっぱなしにな状態だったみたい。異世界にきてからずっと。

 マイッタナー。


 とりあえず現在は一文無し!

 このままでは引きこもれない!


 俺は、マニーを稼ぐために、快適な引きこもり生活のために街に行くことにした。

 でも外はまだ暗いからとりあえず寝る!おやすみなさい!








 神様ヘルプより

 ユニークスキル【マイホーム】

 異空間に部屋を作り出すスキル。作り出される部屋や施設は、神がスキル作成時に参考とした奥井貴志の記憶から再生されている。

 マイホームと異世界の出入りは、ドアのみとなりスキル使用者と使用者が認めた者のみ通行可能。



習得済み各部屋・施設


 マイルーム:

 自室。Lvを上げることによって間取りを広げたり備品を豪華にしたり出来る。


 ドア:

 マイホームと異世界をつなげるドア。スキル使用者と使用者が認めた者のみ通行可能。それ以外の者は、ドアを認識出来ず触れることもできない。Lvを上げると異世界に設置できるドアの数が増える。一度設置したドアは撤去不能。マイホームからの出口は最後に入ったドアの場所となる。


 ネットショッピング:

 地球の商品が購入できるネットショップ。購入すると2~3日後にドアの前に商品が届く。購入にはマニーが必要となり、1マニー=1円のレートとなる。Lvが上がると扱う商品が増える。


 キッチン:

 奥井貴志が地球に住んでいた家のキッチンを再現。Lvが上がると間取りを広げたり備品を豪華にしたり消耗品の自動補充機能などを追加出来る。


 トイレ:

 奥井貴志が地球に住んでいた家のトイレを再現。Lvが上がると間取りを広げたり備品を豪華にしたり消耗品の自動補充機能などを追加出来る。


 

未習得各部屋・施設


エントランス 100hp

ストレージ 50hp

バス 10hp

ダストボックス 10hp

ルーム 100hp

リホーム 10hp

Lvup 100hp

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ