クエスト006:難問1
最近サイクリングにめっぽうはまりました。
アイデアを浮かべるのにもなかなかいい手段です。
人は生まれながらにして平等ではない。
僕はあいつと違って一人で居ることが多かった。もちろん友達は居たけど親友はいなかった。
人は本当の親友というものが人生で何人できるのだろうか。
「久々だなぁ、一人で行動するのは」
僕は歩道の中で伸びをする。
最近は報道陣をさけるため自宅はNG、朱里さんとビジネスホテルを予約して過ごしていた。
(意味深)じゃないよ。
さて、今回の、いや、初めてのターゲットはなんと僕の高校時代の教師だったのだ。
故に接触するのは僕がいいだろうと『こちら側』を担当する事にしたのだ。
今、僕は母校の裏門の近くをうろついている。不審者じゃないよ偵察だよ。僕の記憶が正しければあのひとは......
「いつになったらそのリーゼントをもどすんじゃごらぁ!!」
「あぁ!? うるせえよ神城!!」
でた......○高名物、神城の咆哮。
僕の母校はそこそこの進学校だ。故に身だしなみなど厳しい面ではひたすら厳しい。
守らなかった生徒は今のように放課後に校舎裏に呼び出されて人生で一番でかい声を神城さんから喰らう事になる。
美人な先生だけど学校内で一番怖いだろう。
「本校の規律を守らんやつは本校に必要なし!!! さっさと戻せよ!!!!」
「規律なんて破るためにあるんだぜぇ!?」
ふむ、どうやら今回の生徒はなかなかのヤンキーな様だ。あの神城に対抗しているじゃないか。
「そうか、なら『体罰』を受けてもらおうかな!!」
「あぁ!? ひ弱そうなてめぇが、俺に体罰だと!?」
「そうだ、こんな風になっ!!!」
あ、神城が目の前の生徒の頬を叩いた。
いやでも威力なさすぎだろ!? あんなんじゃ返り討ちに――
「ぐわあああああ!!」
「なにっ!?」
おかしい、あんな張り手の威力で、生徒の全身が痣だらけになる程の傷ができた。
これはまさか、神城のスキルか!?
「いてぇ......いてぇよ......」
「きゃはははは!! ざまぁないわねぇ!!! 私の言う事を聞かなかった、だからこうなるのよ!!」
「このやろぉ、ほかの教師にチクってやる......」
「無駄無駄、だってお前は今から、私のスキルの餌食になるのだから!!」
神城が生徒に手を伸ばした瞬間、僕は筋力強化で神城を殴っていた。
「んんっ!? 誰だ......!?」
「お久しぶりですね、神城先生」
僕はそうは言いながらも目の前の異常性に驚いていた。
(馬鹿な、全力の筋力強化パンチだぞ!? なぜまったくダメージがない!?)
「お前は......おお!! 芥川じゃないか!? どうした? 予備校には通ってるか?」
「残念ながらサボり気味ですよ」
「そうか、そんな優秀だったはずのお前が何の用だ?」
神城は白々しく僕に聞いた。
「先生それ、スキルですよね」
「!! ふむ、さすがに聡いな」
「いくらなんでもやりすぎじゃないですか? 彼、もうボロボロですよ」
「規律に従わなく私に逆らった罰だよ、彼は不良だ、更正の余地もないごみだ」
違う、どんな不良生徒でも神城先生はまっすぐ向き合って精神に訴えていた。
「スキルをもって変わってしまったんですね、先生」
「変わった? わたしは生徒の更正を望んでいるだけだ、従わないゴミくずは裁くまでだ。それがほかの生徒の影響になる」
「いいや間違っている。以前の先生とお前は別人だ、元に戻してやる!!」
「私の邪魔をするならお前も裁くまで。体罰の時間だ」
僕は先生から距離をとった。
(あの生徒に大ダメージを与え、僕の筋力強化も全く通用しない。一体どんなスキルなんだ......!?)
スキルが解明するまでうかつに動く事はできない。
しかし相手も何もしてこない、沈黙が続く。
「もしかして、お前のスキル、発動するには条件がいるのか?」
「!!」
(図星か。よく考えろ、あの生徒は何をされた......?)
僕は好都合とばかりに考える。
「どうした? そういうお前こそ何もしてこないじゃないか?」
「考えてんですよ、先生をぶっとばす方法を」
「そうか、なら私から動くとするか!!」
(来た!? 攻撃手段があるのか!?)
「そらっ!!」
「ふっ!!」
僕は素人じみた彼女の拳を避けた、しかしその瞬間。
「うぐっっ!?」
彼女の拳から突風が巻き起こり僕を吹き飛ばした。
吹き飛ばされた僕はとっさにぶつかりそうになった木を紙に変えて難を逃れた。
「ほう? それがお前のスキルか?」
「まっ、触れたものを紙にする程度の能力ですよ、教えた代わりに先生のスキルも教えてくれないすかねえ」
「馬鹿者、お前みたく安々と敵に能力を教えるものがおるか」
デスヨネー。
さて、もうあの生徒も逃げたかな。なら、
「さっきみたくぶっ飛ばされるのが怖いので遠距離から戦いますよっと......解除」
僕は雑誌を先生に放り投げ解除する。雑誌からはナイフやフォーク、皿など無数のものが先生を襲い掛かった。
「ふっ、下らん」
しかし先生に攻撃は何一つ当たらず、まるでモノが先生を避けるかのように地面へと落ちた。
「どうした? お前のスキル、確かに強力だが私には通用しないな」
「そうみたいなんですよねー。......これであんたのスキルはわかったぜ」
「なに!?」
「わかった、わかったからいま僕がするべき事は」
僕は後ろを振り向き、
「逃げる」
校舎内へと全力疾走した。
神城さんのスキル紹介は次回ですかね。
気づかれている方はいそうなものですが......