クエスト005:作戦
今回はチョイ短めです。
お楽しみあれ!!
人は生まれながらにして平等ではない。
僕があいつに勝るものなんて何一つなかった。
そもそも同じ大学なんて目指すんじゃなかったのが正解なのかもしれない。今まで通り、負け試合なのはわかっていたのに......
でもこんな僕でも、仲間がいるくらいの幸せなら負けてないのかもね。
「ちょっと、聞いてるの? お兄さん」
「作戦会議を開こうといったのは君だろう」
目の前の二人は呆れていた。
確かに僕が昨日作戦会議を開くといったがボーっとしていたら呆れもするだろう。
「えーっと、どうやったら真犯人を見つけるかの会議でしたよね」
「なにを今更」
そう、メンバーは集まった。戦闘員二人に情報収集家が一人。
もう本格的に動きだしてもいいだろう。
「蒼也君」
「なんだ?」
朱里さんは蒼也さんに小難しい顔をして聞く。
「真犯人のスキルはどのようなものかはわからないの? それさえわかれば後は作戦と犯人探しだけでいいのだけど......」
「すまない。あの時俺は仲間が死んでいた姿を少ししか見ることだけだった、意識がはっきりしているのは自分が無様にスキルを全力で発動して逃げている自分だけだ」
なるほど、つまりそれは。
「犯人が蒼也君を追わなかったところを見るとスピードは蒼也君よりは下」
「ってことになりますよね」
ならば余裕じゃないのか? 全力の蒼也さんに太刀打ちできる人なんてそうそういるだろうか。
あ、自慢じゃないよ?
「後は犯人の特定ね、どうしたらわかるのかしら」
「朱里はスキル所有者を音で判別することができるのか?」
「常時発動しているタイプと敵意がありまくりのタイプならわかるわね、つまりは蒼也君が強力な能力者だとは気づけなかったわ」
「なるほど......」
そうだ、だから突然加速した蒼也に対応仕切れなくて奇襲されてしまったわけだ。
あ、朱里さんが睨んでくる。自分の不手際だといっているように思ったのだろうか。
「とりあえずこの地図に能力を使っている人をピックアップしていくのはどうでしょうか」
「ふむ、それはいいな。朱里のスキルで能力者の場所を明らかにしていくわけだな」
「はい、そして明らかになった人に片っ端から当たってみますが、朱里さん、大丈夫ですか?」
朱里は少し目を閉じた。ここは雑音の多いファミレス、音を聞き分けているのだろう。
「できそうではあるわね。ただし範囲はこの名古屋市のみ、犯人が移動していたらおわりだわ」
「どうする? 今は朱里だけが頼りだが」
「賭けるしかないですね、犯人は移動しない。それを前提に動くしかないです」
朱里は目を閉じたままだ。彼女には何が聞こえ、視覚と味覚情報に変換されているのだろうか。
「待って、既にいるわ......二人、能力者よ!!」
「なんだと!? 今日はスポーツ大会や何かの試験が行われているわけではないが......?」
「普段もこんなことはないわね......どうするのお兄さん」
どうする......? なぜスキル保有者が。それも二人も。
いや、なぜ今なんだ? いや考えてもキリがないな、ここは......
「僕と蒼也さんの二手で分かれて調査します。もし真犯人であるなら」
「「全員で対処する」」
よし、真犯人探しも現実的になってきたぞ......!!
この時の僕はきっと浮かれていたのだろう。仲間という存在ができたということで。
だから気づくことができなかった。真犯人の狙いに。
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エネルギーになりますねぇ!!