クエスト114:決着③
さて、博士の刺客編は次回で最後となります。
15話という区切りで終わらせたいが為に最近の話は少し短めでした。
「この反応......まさかっ!!」
「うん、さすがお兄ちゃん。有言実行だね」
うんうん。つまり私の成長を妨げるものはない。
全力で戦える。
「いいえ。ここは私だけでもお嬢様、貴女を博士の元へお連れします」
ルナさんは私を掴む強める。
既に影の分身達は私を運ぼうとしていたようだ。
実は私は意識が無いフリをしていた。
例え意識が戻り再び彼女に挑んだところで勝てるはずが無い。
まあお兄ちゃんを信じていたからこその行動ですから!
「残念だけどそうはいかないよ!」
なんでだろう、力がとても湧いてくる。
成長というものがこんなに早くできるものなのかはわからない。
けどお兄ちゃんが状況を変えてくれた。
一緒には居ないけど傍に居てくれる感じがする。
お母さんが見ていてくれる。
「私はここで負けないよ!! 命名・分身の術!」
私から5本の髪の毛が抜け、『私』が現れる。
一人一人が武装した部隊。
だがそれだけでは終わらない!!
「さらに! 真名・多重分身の術!!」
5人が25人へ!!
武装したソレは軍隊、影の結界目一杯に展開された。
「ぐっ......!! この数、貴女は何故このような成長を遂げられたのですか!?」
ルナさんの質問に対し掴まれたままの私はフンっと胸を張った。
そんなの愚問よね!!
「愛する人が直ぐそこに居る。これだけでも私はこの世で一番強い女に慣れる
だから負けない、絶対に勝つ!!」
そう、それだけの事。
もうお兄ちゃんに守られるだけの私じゃないんだ――
「くっ......しかしどれだけの武装集団が居ようとも『本人』を抑えればなんの問題もない!!」
確かにそうだ、どれだけ数を増やそうとも所詮は分身。
でも私の進化した力は違う。
「いいや、私の新たなるスキルは『全てが本物で偽者』。
もうこの数まで展開した地点であなたに勝ち目なんかないんだよ!」
「出任せを!! そんな進化があってたまるものですか!!」
信じられない? ならば、
「ならば試してみる? 私ごと蜂の巣にされる覚悟があるなら!!」
私は25人全てに銃を構えさせた。
ルナさんの表情が険しくなる。
「さあいくよ......3、2、1」
「ッ!! 黒影!!!!」
耳が痛くなるような凄まじい銃声と火薬の匂い。
閉鎖された空間はたちまち戦場へと変化した。
☆ ☆ ☆
「さすがは......博士のお嬢様。全て...計算済み......でしたか」
「私も心が痛いわ。貴女の行動も私の攻撃に利用してしまうなんてね」
決着が着いた。
流星の如く降り注ぐ銃弾はルナの能力により全て防がれた。
しかし紫苑ごと銃弾から守ろうとしたのか、ドーム状にされた影の中で放たれた本体の銃弾は彼女の腹部を打ち抜いた。
「本当は......本体を偽者とすることなんてできなかった......ですよね? どうしてこんな無茶を......」
「お父さんの使命に従うあなたならきっとこうすると思ったからだよ。
そしてそれはあなた唯一の隙となった」
彼女は溜息を吐くと私を影の外へと突き飛ばした。
「うっ!! 何を――」
紫苑は目を疑った。
彼女は足元から影の中へとゆっくりと沈んで行く。
「なっ、まさかあなた!!」
「遺体を残せばお坊ちゃま......いえ...貴女の愛する方に......スキルを紙されて盗まれてしまいますから」
「そんな、それだけの理由で!!」
彼女は微笑んだ。
「私は敵である前に博士の子......例え偽りだとしても博士を......愛していますから」
紫苑は言葉を失った。
目の前に居る少女は、子である以上に芥川善司のことを――
「さようなら......恋をするお嬢様......貴女の......愛は....」
その言葉の続きを知るものは誰も居ない。
ダークソウル3の2周目をしようとしたところ敵の強さに驚き。
少し楽になった程度ですねこりゃ。




