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ザ・ユニコールワールド  作者: クレシアン
テロリスト事件
25/41

クエスト111:反撃の狼煙

行数にして見ればいつも通りなんですが文字数はそんなに多くないことに気づきました。


「1ついいだろうか?」


 体が光に包まれて、元の世界へと戻ろうとしている。

 今その瞬間蒼也は二人に声を掛けた。

 

「俺達が敵に苦戦をしているのには理由があると俺は考えた。

俺の相手の発言からしてそれはスキルの成長性である筈だ」

「成長性......」


 蒼也は腕を組みながら続けた。

 自らが告げられた事実を簡潔に。

 

「敵の勢力は皆スキルが最大限まで完成されている者達。

それに対して俺達は成長することができないハンデを背負わされている」

「なにそれ!! ずる~い!」

「あくまでも仮定だ。しかし心当たりはないだろうか?

君達二人の敵にそのような術を持つ者の存在がいるかどうか」


 蒼也の発言に紫苑は顔を歪ませるが直ぐにいないと返事をした。

 影を操るスキルにそんな効果があるとは思えなかったからだ。

 

「......まさか!!」


 しかし翡翠には思い当たる節があった。

 強力なスキルの陰に隠れこちらの様子を伺う少年が確かに居た。

 

「だとしたら彼さえなんとかすれば僕らに反撃の機会が訪れるかもしれないです」

「任せるようですまないが頼めるか? この状況を打開すれば逆に敵の虚をつくチャンスとなる」

「お兄ちゃんならよゆーだよ!! ついでに卑怯な手を使った奴らを倒しちゃおう!」


 確定ではないのだが。と翡翠は考えながらも二人の期待に応えないわけにもいかなく。

 というよりもそうでなくては困るというのが事実であった。

 

 

 まあ大丈夫だろうと翡翠は思った。

 自身も違和感を感じているのは事実だし彼、モーネが怪しいのも事実なのだ。

 

 自分を信じ仲間を信じ運を信じる。

 翡翠にとっては結局いつものことなのだ。

 

 

 さあ行こう。もう彼らは負けるビジョンなど全く写らなかった。

 

 

☆     ☆     ☆



「――ッは!!」


 急に重力が一度に体へとかかるような、なんとも表せない感覚に陥った。

 

「......驚いたな。てっきり意識を失ったものだと思ったが」

「起きちゃったよアニキ~、このまま寝てれば楽に善司サンに引き渡せたのに」


 状況は変わらなかった。敵が目先数十mに二人。地面は既に水浸し。

 しかし傷を衣類の上から撫でると出血も痛みもなかった。

 

 どうやら夢ではなかったらしい。


 

(アリス母様。すみません。本来なら自身で解決すべき問題に貴女の力を借りてしまって)


 僕は立ち上がり二人を睨みつける。

 大丈夫、もう負けるわけにはいかない――


 

「おかげで目が覚めたよ。よく考えれば単純に解決できたハナシだ」

「 ? なんだいきなり」



 僕は今出せる最大限の力をこの瞬間に出した。

 二人の為にも、決着をつけてやる!!

 

「巻き起こせ風よ!!『暴風結界エマージェンシー・タイフーン』!!!」

「うぐっ!?」

「うわぁ!?」


 まさに突風。全力を以って引き起こした風は二人を壁際まで吹き飛ばした。

 しかし僕の目的はそれだけではない。

 

「くっ......!! 水がっ!」


 そう、ミカヅキが進行させていた水の領域は全て風下へと押し返された。

 これで状況は五分。さらに炎で蒸発させるわけでもなく、電流を流すわけでもないこの風を選らんだのには理由がある。

 

「......調子に乗るなよ!!」


 ミカヅキは体の鋼刃を大量に引き伸ばし僕に突撃させた。

 ここで全防御(イレブンバック)はしない。守りに入ったらさっきと状況が変わらないからだ!!

 

「くらえ......全解除(フルオープン)!!」


 今まで防いできた鋼の刃。

 僕はただ防いできただけだけでない。罠としてそこらかしこに紙にして置いてきた。

 しかし紙は今、暴風で流されている。もちろん壁際にだ。

 

 

 ――つまり。

 彼らには僕が苦しんだ攻撃の全てが襲い掛かる。

 

「アニキ!!」

「わかっている!!」


 あちらも余裕がないのがはっきりわかる。

 ミカヅキは伸ばした刃を一気に広げ、前方へと展開した。

 

 さすがの防御力だ。まるでターミネーター。

 自身の刃を自身の盾で防げない道理は無い。

 

 しかしこうなることも読んでいた。

 読んでいたんだよ!!

 

「~ッ!!!」

「はああああッ!!!!」


 僕が居るのは兄弟の弟、モーネの背後。

 きっと二人は思うだろう。『なぜそこに居る』と。

 

 

 僕は蒼也さんみたいに素早く動けるわけではない。『何か』を仕掛けに動くなんて僕にはできない。

 

 

 

 

 風を起こした最後の理由。

 

 これなら僕でも素早く動ける、仕掛けることができる。

 

 

「鉄拳制裁ッ!!」


 左腕のボディーブローがモーネに炸裂した。

 筋力強化のスキルは無い。けれども体が浮くほどの最高の威力だ。

 自身の拳に驚きながらも反対に、右手が光りだす。

 こいつのスキルが解けた、今が好機!!


 

「輝け、『切り札(クイーンオブハート)』!!」



 ここは虚無、愛無き綻びの世界。

 この世界では、僕が全てを支配する。

 

「さあ、反撃開始だ」





エマージェンシータイフーンにハッとした方。

僕と同じ世代だと思います。


芥川翡翠のスキル解説コーナー


名前:永久の蕾(トランステンポ)

ランク:☆★★★★~

能力:半径500m以内の全ての人間は体力、学力の他スキルの機能が成長しなくなる。

翡翠コメント:戦闘においてまったく役には立たないこの能力は、やはり味方と組んで使用するのが一番強力な使い方になるよね。ちなみにこの能力の恐ろしいところは学力の成長停止により判断力を低下させ、自身のスキルの存在に気づかせないことだ。そんな彼は卑怯の権化として誕生させられたらしい。

僕だって一度竜宮城に移動させられなかったらゾッとするよ。

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