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ザ・ユニコールワールド  作者: クレシアン
テロリスト事件
23/41

クエスト109:形勢逆転

サマーウォーズを見ながら書きました。

いつ見てもいい作品ですよねえ。


人間失格(デンジャラス・ゲーム)スタート!!」

「これは......!! お嬢様、新しいスキルを持たれているようですね」


 やっぱり情報は筒抜けだけど前川のスキルは知られていない。

 だからこのスキルで速めに決着をかける。

 

「ガトリング砲、発射!!」


 戦う為だけにお兄ちゃんとミリタリーショップで購入した数々の武器。

 恐らくお兄ちゃんが一番大変な相手と戦っているに違いない。

 この黒い靄はこの人出している。私がこの人すら倒せば......!

 

黒影シャドウハイジャッカー

「ッ!!」


 銃弾が全てはじかれてる!! 

 いや違う、これは地面に落ちてるのかな?

 とにかく相手のスキルが何かわからない以上どうすれば......

 

「ならこれならどう!?」

「むむ」


 手榴弾。

 こんな広範囲の爆発を起こされて対処できるか!!

 

「いいえ、無駄です。私の影には通じない」


 だめかぁ、全てはじかれている。

 いや、これはもしかして。

 

散弾銃(ショットガン)!!」

「防ぎなさい!!」


 防御された、けど目線を下に向けていたおかげで理解できた。

 この人は。

 

「影を使って攻撃を地面に落としている、いや、引きずっている?」

「さすがは博士のお嬢様。御名答でございます」

「大した能力だね!! けど力がわかったからには容赦しないよ!!」


 私は最終兵器を取り出した。

 グレネードランチャー、いくら影を操れようとも直撃する爆発は防げない!!

 

「くらえ!! 連射炸裂弾を――!!」


 耳を切り裂く様な音が周囲を包む。

 その人の結界で近所の人に聞こえることはないけど物凄い威力だ。

 どうだ――!?

 

 

 周囲の煙が晴れる。

 私の目の前には......

 

 

「うそ......でしょう」


 

 効いていない。

 女の人は微動だにせず腕を組んでいた。

 

「素晴らしい威力です。が、私にはダメージというものが存在しないのです」

「くっ......」


 影が彼女を包んでいるのか、まるで結界に包まれているかのようにダメージが通らない。

 でもおかげでわかったことがある。影を使うならばコレを使わない手は無いはず!!

 

「閃光弾......!?」

「影ならばっ! これを防ぐことはできない!!」


 周囲を光が包み込む。

 瞬時に身を屈めた私は即座に立ち上がり銃を取り出した。

 

「甘い!!」

「きゃぁ!?」


 私は突然彼女に突進された。

 銃は彼女に奪われ私は地面に打ち付けられうめき声をあげる。

 

「私がその手に慣れていないと思いましたか? 悪くは無い発想ですがまだまだ青いですよ」

「ふふっ......私がこの手だけを考えていると思った?」

「!?」


 そう、悔しいけどこのスキルは前川が使った様な戦法が一番あっている。

 攻撃に繋ぐ攻撃。

 閃光弾と同時に、私は分身を起動していた。

 

「動くな!!」

「ッ!!」


 3人の私の分身は彼女の頭へと銃口を突き立てていた。

 ゼロ距離射撃。それも三方向から。

 

「スキルを発動する素振りを見せたら撃ち込むよ。

話してもらおうかな、私のお父さんの事を」


 朱里さんに任せた仕事ではあるけれど念のためだ。

 洗いざらい吐いてもらおうかな!!

 

「やはりお嬢様は甘いですよ、即座に殺しておけば勝ち目はあったのですが」

「え」


 グサッと。

 腹部に違和感を覚えた。しかし痛みではない。

 これは分身が。

 

「私の分身が......!?」

「残念ながら分身ができるのはあなただけではないのです」


 彼女の分身が私の分身の腹部を影で貫いていた。

 まさかこんなこともできるなんて――

 

「名付けて影分身の術ですかね。さて、再び形勢逆転ですがいかがなさいますか?」



☆     ☆     ☆


「ぐっ!!」


 刃となり襲い掛かる金属を次々に紙へと変化させている。

 しかし敵の攻撃が止むことはなく集中力が持たない。

 

全防御(イレブンバック)は完璧な盾ではあるけど消耗が激しい。このまま長期戦にはできない)


「しかしいい能力だ。さすがは博士の息子といったところか」

「状況さえ悪くなきゃ絶対にこっちが負けてたなあ」


 ミカヅキとかいう男、相当戦い慣れている。

 こちらが消耗するのを見越して確実にこちらを削っている。

 思い切った行動に出ないあたりかなり慎重に勝負ができる男だ。

 

「ちっ、ここまで浸水してきたとは......」

「ゆっくりではあるがアニキの臨界の剣(ハーフブレード)は時間が経てば経つほど切れ味も範囲も増すんだ」

「仮にお前が好戦的な性格ならば少し展開は変わっただろうな」


 なんだよそれ、同属嫌悪か?

 でもだめだ、切り札(ダイヤモンド・エース)は発動しない。

 なぜだ。なぜ発動しない!?

 


 呼吸は荒く、出血のせいで意識が朦朧としてきた。

 だめだ、意識を持て。スキルとは精神力そのもの。

 心が負けたときに戦いに負けるんだ。

 

「ぐわあああっ!!」


 横っ腹を鋼が掠る。

 痛い、なんでスキルが......発動しない!!

 


 目の前が暗くなる。

 意識が――


芥川翡翠のスキル解説コーナー


名前:黒影シャドウハイジャッカー

ランク:☆☆☆☆☆

能力:自身の影を操作することができる。

①影はこの世に物質として存在するものでは無い為物理ダメージの全てを無効化する。

②影の筋力、速度は本人と同じである。

③周囲に結界のような行く手を阻む壁を作ることができる。

翡翠:まあ強いよね。

この世に存在する限り影というものは必ずしも存在するわけでありそれを操るというのは破格そのものだ。さらに本人の自覚があるように弱点を克服するための力も蓄えているあたり抜け目がないよ。

ちなみに彼女、中指のルナは謙虚の権化らしい。だから影を操るスキルなのかもしれないね。

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