万両役者の少年院生活
私は先日、記述したように、中学もロクに行っていないが、好き嫌いなく本を読み漁ったことで、こうして物書きの真似事をさせていただいている。ありがたいことである。
私は既に中学3年の時に少年鑑別所に収監されたのだが、それでまたレベルアップ?して
18才と9ヶ月の時に当時の「大分特別少年院」(いわゆる「特少」)に収監されたが、
あまりにもハードな環境で耐えがたいところに、独房の隣の者が「京都は女の子もいますよ」とそそのかすものだから(笑)仮病を使い「京都医療少年院」に移転された。
私は生涯の怠け者であり、毎日三段跳び三百回などという訓練は懲り懲りだったので、うまいこと奇策を演じて成功し、そこで一年間、独房で一日中本だけを読みふけるという生活となった。
その独房は広さは一坪で鉄パイプのベッドがふてぶてしく居座り独房の三分の二を占めていて、トイレはむき出し、あとは洗面台のみ。
その独房は、アメリカの黒人作家、ジェームス・ボールドウィンの著作「ジョバンニの部屋」のその部屋を連想させた、陽当たりが悪く、薄暗くカビ臭い。
また便所に散布する、消毒液のツーンとした臭いが混ざりあい、独特の異臭の中で過ごした、
ただ寝ているだけでもよく、それではたいくつなので、廊下の本棚にあるあらゆるジャンルの本を十ヶ月で二百冊以上は読んだ。
村上春樹氏の敬愛する、アメリカの作家トルーマン・カポーティ氏(映画、「ティファニーで朝食を」の原作者)は学校に全く行ってないらしく、それでいて独学で一流の作家となっているが、私は到底できないことで、出来ればあやかりたいものだが。
その時に私は極道の道を歩んでいて、その後七度収監される度に読書による独学で教養を身につけた。
その結果としてこうしてお粗末ながらこうしてエッセイを人様に読んでいただくようになれた。
このような人生だけど私自身、若いときはメチャクチャで一本筋を通すようになったのは最近のことで、ろくに躾も出来てなかったのに、現在、53才ながら23才年下の美女を妻とし、日々を楽しく豊かに過ごさせていただいていることに感謝極まっている毎日です。
これも一重に皆さま方のお陰様です、今後も、よろしくお願いいたします!




