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「極善偽悪」の少年時代史

私は駅前の歓楽街で生まれ育ったのだが、小説「闇より生まれし光の使者アスカ」のプロローグ第二話に記述しているように色街に育ち、祖母は遊郭の「お母さん」だったために(遊郭では女将のことを店の者は「お母さん」と呼ぶのが仕来りになっている)


面倒見がよくまた、売春防止法の発効されたあとは貸間業を営んだせいもあり、沢山の訳ありの人々に住居を与え親身になり面倒を見ていたせいで、


人に慕われた。私は小さなころから、祖母の側を離れずに育ったので(母親とは一才で離別)訳ありの方々が、祖母に身の上の話をするのを子供心に聴いていて、耳年増になってしまった(笑)


男女の情念のいざこざや、誰かの堕落の行く末や、そして子供心に人間というものが憐れに想え、情けさえ感じ始めた。


一般社会の「普通の人々」の言うことはむしろ、立派すぎてうさん臭げで建前にしか思えないようになり、中学二年で自宅内で独立した。


家は旧遊郭なので部屋数が多いために、自分の部屋があり、中学二年で新聞配達をした給料で好きなことをして、中学三年には、中学校に隣接する朝市で働いて好きなことをして育った。


そのせいで中学教育は殆ど受けてない、中学二年で不登校90日、三年生は136日だった。


学校には私服で通い先生に殴られたり、中学二年で不良仲間に入り、たむろしながらタバコを吸い何度も補導され数々の非行のせいで中学三年の三学期は、


ついに裁判所から少年鑑別所に収監され、狭い独房に監禁された。その時に担任の先生が面会に来てくださり、山岡荘八の「織田信長」全三巻を差し入れてくださりむさぶるように繰り返し読んだ記憶がある、あれは面白かった!


ある日、中学を卒業後にシンナーしながら「織田信長」を朝方読んでいたら、突然、後に兄貴分になってくださる、浅井さんが家に遊びに来て私がシンナーしながら「織田信長」を読んでいたのを見て「お前はただのわるとは違うな」と、言った。


こんな少年期だったが、あまり帰ってこない父に買ってもらったカラーの大百科事典、全24巻が非常にお気に入りで小学五年生六年生の時は特に寝食を忘れ夜明けまで、読み耽った。


これが私の基礎知識と世界観の原点となったようだ、同時にギターを14才から始めた、義理の兄の影響でビートルズを好きになり。新聞配達でビートルズのオリジナル盤のレコードは全部自分で揃えた、中学三年にはバンドを結成してライブをしたり。


音楽性があったことでバンド仲間は他の不良とは違っているというプライドがあった。


中学二年の時は先輩にはしょっちゅう呼び出され殴られたりした上に、お世辞が苦手で要領が悪くていつも目をつけられていた。


私はこうした、ごく一風変わった少年期を送ったが、今はこうして一人前に小説やエッセイを人様に読んでいただくようになれた。

それも祖父母の温かい愛情や父の限りない優しさや近所の人々の寛容さや、担任の教師のご尽力のお陰様であり。


今更ながら心より感謝の意を捧げます!そして読者のみなさん、ありがとうございます‼


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