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蛇神様に嫁入りすることになりまして 現代日本ver  作者: ぽちゃこ
幸運を呼ぶ白い蛇は、まさかの神様(イケメン)でした
4/5

イケメンが現れた! けど、どちら様ですか?

 ある朝のこと。


 起きたら翠が隣に居なかった。布団の奥とか、ベッドの下はもちろん確認したし、部屋のすべての箱とかを開けたり、隙間を覗いたが、何処にも居なかった。


 部屋を出て台所やお風呂場、トイレも確認したのに、本当に居なくなっていた。



「翠ー、何処にいっちゃったの?」



 ずっとそばに居てくれたのに、私が嫌で逃げ出したの? そういう考えに行き着いた淳美は涙が溢れてきて、その場にへたりこむと、ぐずぐず泣き始めた。

 

 

「出会いが出会いだったけど、私達、仲良く暮らしてたじゃない! 翠のバカ、人でなし! いや、蛇なんだから蛇でなしめー、今なら許してあげるから、出て来てよ」



 泣きながら、翠を何度も呼ぶ。返事はない、まあ、蛇だけど。



「もーいい! 翠なんて知らない!」



 しばらく泣いていたけど、一向に現れない翠に段々腹が立ってきて、やけくそな気持ちで叫んでしまった。


 でも涙は止まらないまま、ふらふら立ち上がって、寝室に向かった。


 誰も居ない寝室。私はつい昨日まではここに翠がいたのに、と涙がまた溢れる。


 込み上げてくる何かに、どうしようもなくて、そのままベッドに倒れて、その何かを耐えた。


 小さく丸まって、ぎゅっと目を閉じて。そして、気がつけば眠りについていた。



 















 翠が居なくなって3日。何度も名前を呼んでは、現れない翠に半ば諦めていた。


 野生の動物だし、仕方ないのかも。そう自分に言い聞かせることで、平静を保っている。


 そして、今日も起きてすぐに、名前を呼ぶ。



「翠ー、おいで、“私のところへおいで、翠”」



 翠の名前を呼ぶと、一瞬室内なのに風が吹いた。



「きゃあ!」



 あまりに突然で、一瞬で布団にくるまり防御率をあげる。


 しばらく布団の中でモゾモゾしていたが、何も無さそうなので、とりあえず起き上がる。


 目の前に、イケメンがいた。



「えええええええっ!?」


「淳美! すまなかった、遅くなって」



 目の前のイケメン......真っ白な髪の毛は、虹色の光を纏ってキラキラとしていて、キューティクルもバッチリなサラサラの長い美しい髪の毛で。


 肌は象牙色をしており、傷ひとつ染みひとつない玉のような美しい肌をしている。顔立ちは洋風ではなくアジアンビューティで、冷たい印象を受ける。


 エメラルドを嵌め込んだ瞳は切れ長で、縁取るまつげはフサフサ。鼻もスッと通り、唇は薄く色合いも淡い。


 体型も見た感じは、しなやかな筋肉に覆われていて、無駄な肉がなく、細マッチョといったところか。


 そんなイケメンが私の名前を呼び、眉をハの字に曲げて、切なそうに見つめてくるのだ。


 訳がわからない。



「淳美、淳美! 怒っているのだろう? いきなり居なくなったから......私の力が戻った為、残してきた者を安心させるべく、一度家に戻ったのだ」


「は、はぁ......」


「すぐにでも戻り、淳美を迎えに来たかったのだが、家の者に準備をしてからだと、諭されてな! ようやく、準備が整い迎えに来たのだ!」




 誉めて誉めて! と言わんばかりに、嬉しそうに私ににじりよる謎のイケメン。


 私はなるべく距離を取る。その姿にイケメンが悲しそうな顔をする。



「淳美、嬉しくないのか?」


「あのね、悪いんですけど、貴方は誰?」


「私か? そうか、言っていなかったな、すまない。私は淳美に助けられた白蛇の翠だ!」



 イケメンは一瞬白蛇の姿になると、また元のイケメンに戻った。


 私は口をはくはくと動かし、まばたきをする。



「って、なんじゃそりゃぁぁぁ!」


「淳美、そなたは今日から私の番になれ!」



 驚いて叫ぶ私をもろともせず、イケメン改め翠が、私をぎゅっと抱き締めた。


 え、これ、なんて夢小説の展開ですか?


 














.

 話の展開が早いですかね?

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