あの時泣いてた僕のために
退路はとっくの昔に断った。
真っ暗な、先の見えない闇のなか
細い切り立った崖道の上を必死に前へと進む。
片足の幅しかないその道は
一歩歩くことにパラパラと崩れ、非常に心もとない。
崖から下を見れば、飲み込まれてしまいそうな
闇、闇、闇。
下を見れば脚がすくみ動けなくなるから見てはならない。
後ろを振り返れば、歩いて来たはずの道は崩れて既に存在しない。
今は、この道を、真っ直ぐ先に微かに見える光の点に向かって走るしかない。
足を止めれば、すなわち死。
走るペースを落としても、死。
それでも前に進むと決めたから。
走るしかないんだよ。