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No.1605.忘却の彼方に忘れてしまいたいのに
おぼろげな記憶の片隅沈殿している
雑多な街角抜け出しても
消え去る事はない
慈しむように蝕んで
この頬にそっと口つけた
意を決して見上げた空は
朱くどす黒く腫れていた
目を背けたけれども
べっとりとこびりついた
忘却の彼方に忘れてしまいたいのに
確実に侵食して蝕んでいく欝
どんなに時間が過ぎ去っても
潰える術を持たない
壊れるように抱き締め
欲望に知らず火付けた
意を決して見上げた空は
朱くどす黒く腫れていた
目を背けたけれども
べっとりとこびりついた
忘却の彼方に忘れてしまいたいのに