眼鏡=敬語はお決まりだよな
よかった、本当によかった。
いたよ、ちゃんといらっしゃった。
「おせー、客人がもう来ちまってるぞ」
「あらら、すいません希一。ちょっと機械の調子が悪くて。お客様もお待たせして・・・あれ?」
六人分のお茶とお菓子をシーソーに乗せやって来た人物は、俺をみて首を傾げる。
そして俺も目を瞬きし、きょとんとした状態で見つめ合う。
俺のは演技なんだが。
「なになに、どうしたの?」
進藤の問いかける声で互いに気がつく。
「時君からカラフルな子と聞いてたんで、もしかしたらなんて思ってたんですが。当たりでしたね」
「知り合い?」
茨木さんも進藤と同じように聞き、さぐる目で俺らを見ている。
「僕の店の常連さんですよ」
俺を覗いた全員がそれで納得する中、持ってきた茶菓子を席順に 久木 皇城さん 向かい側に、茨木さん 俺 進藤 と置いていく。
そう常連。俺が逆行し、最初に会いに行った仲間。
腰まである薄い青色の髪を赤のシュシュでポニーテールにし、全体を黒と灰色でシックにまとめたシンプルな格好。
いつも眠そうに半開きな目に、黒ぶちメガネがよく似合う、優しいコンビニのお兄さん。
やっぱりあなたの入れてくれた紅茶が一番です。
紅茶を一口飲めば、暖かい温度が体に染み渡る。
ようやく揃った仲間達を見れば、暖かな温度は心に染み渡った。