兄ってすげーかっこいいか、情けないかどっちかが多いよな
「さて、まずは昨日この馬鹿を助けた事に礼を言おう。感謝してる」
俺の動揺をよそに話しは進む。
「私からもお礼を言うわ。この馬鹿助けてくれて、ありがとね」
久木も首を縦に振り同意する。
「みんな揃って馬鹿馬鹿言うなよ。望、俺からも改めてありがとー。本当助かった。あのおまわりしつこいからさー」
「聞けば、警官を一言で追い返したんだって?しかもそれが」
皇城さんは途中で笑いだす。
いや、あれはちょっとした言い間違えなんだよ。
あの時はただ、とにかくみんなに会うイベントフラグを立てたくて、焦っていた。
さらに、時間が戻ったんだと実感し、テンションは上がりまくり。
進藤を追い回す兄に向かい俺は頭で考えるより先に口から出てしまったんだ。
「兄貴 ハウス」
兄貴は何も言わず、呆然としてたがすぐに泣きそうな顔をして、
「望のバカヤロー、兄ちゃんもう知らない!」
そう言い残し去って行った。
後でちゃんとフォローしておいたから大丈夫だろう。多分。
「自己紹介がまだだったな。俺は皇城希一 んで、隣にいる可愛い可愛いこの子は 久木桜だ」
俺はそれに軽く会釈をして答える。
「進藤から聞いてるかもしれませんが、深井望です。あの、よく現状がわからないんですが」
俺の言った事に、その場にいる全員が進藤を見る。
「あんた、何も説明しなかったのね?」
「えーだって、めんどかったから」
茨木さんから呆れた目を向けられても、進藤は呑気に答えさらに「別にいいじゃーん」なんて言う。
よくねーよ。
しかし困った。まさか向こうにとっては初対面の相手に、一人足りませんか? なんて聞けないし。
考えていれば、奥のドアが開いた。
「すいません、お待たせしました。お茶入りましたよ」
待ってました‼
お茶会の時間ですよ
第二章 終