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厨二病症候群  作者: 北条南豆木
第七章 お手々を繋いで
28/31

ユニゾンは双子の特権だよな

来月には取り壊し予定の工場。

今その目の前に俺たちはいる。



誰ともなく顔を見合わせ頷く。

建て付けが悪くなり開けにくい扉に、手をかけ開けた。




「時間ぎりぎりだねぇ」


「遅え」


工場へと足を一歩入れた瞬間聞こえた二つの声。


双子は学校の体育館半分くらいの広さがあるこの場所、その一番奥で元々あったのだろう大きな木の箱に座り俺たちを見据えていた。



「どういうつもりだよ、お前等。何がしたいんだ!」


怒りで我慢がきかない様子の進藤が叫ぶ。

多分、多分だが『おチビさん』が結構きてるのも理由だと俺は思える。そんなに気にしなくてもいいんじゃないか?


大丈夫だって。二年後には確か一センチぐらい伸びてたはず、ん?大丈夫じゃないな。


「なに?ちびっこはもしかして短気なのか?」


火に油とはこのこと。

進藤はもう怒りで震えてるよ。それ以上はやめてあげてくれ。


怒り浸透中の進藤に構わずティールは話し続ける。


「俺短気な奴って苦手なんだよな。ほら、あれだ」


ティールの声が途中から低くなりただでさえ険悪なのが、一段と増した。



「俺も短気だからさあ。話なんないだろぉ」



特殊ゆっくりはかれた口調とは反対に目は瞳孔が開き、表情は早く暴れたくてしかたないかのようだ。


ティールの言葉に煽られた進藤が前に進もうとするのを茨木さんが止め、さらにそれに煽られたティールをトォールが止める。



案外似たもの同士なのでは。

この場面を見てそう感じたのは間違ってないはず。



「話す気はあるんだな?」


このままでは拉致があかない。

こいつ等と話すなんて、あまりしたくないが仕方ない。



俺に向かいニンマリ笑うトォール。


「さっきぶりぃ、望君。もちろんあるよ~。仲良くおしゃべりする為に、わざわざ俺ら君達を待っててあげたんだからぁ」



一々癇に障る奴だ。

気にしていてはキリがない、わかっていてもイラっとする。



「なら、聞かせてもらうわよ。回りくどい事してまで、望ちゃんと時正を此処に呼んだのはどうして?あなた達の目的は何かしら」



茨木さんはやっと少しは落ちついた進藤から手を離し、まっすぐ双子を睨みつける。


いつ双子が襲ってきても大丈夫なように、気を張り巡らせてるのが感じとれる。



ティールは目で、トォールは指で進藤を指し、まるで一人だけ喋っているよう錯覚させる同じ声色・同じ口調で同じ言葉を言った。



「邪魔なんだよ、そいつ。俺ら遊びにくくてしょうがないんだ。情報屋気取りのそいつがいるとさ、目障りなんだよ」




二人から今までとは比べ物にならない敵意が怒気が進藤にぶつけられた。


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