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厨二病症候群  作者: 北条南豆木
第六章 フィナーレに向けて
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あれ?これってゲームみたいに、引き継ぎ機能なんてないはずだよな

「残り三十分。とにかく行くしかないですね」


俺の言葉に茨木さんが心配そうな顔をし、口を開こうとしたが先に皇城さんが話し出した。


「そうだな。居場所がわからなかった獲物は釣れたし。噂からも例の双子は嫌われ者らしいからな、仲間ぞろぞろ引き連れてる可能性は低いだろ。いざって時は逃げろ、以上行って来い」


もうこの話はおしまいとばかりに、煙草を吸い出す。


余談だが、皇城さん愛用のジッポは久木手作りで、なんと火がハート型にでる代物。

一見渋い外見をしてる皇城さんには不似合いな気がするのに、実際目にすれば、違和感がないのは久木への愛ゆえか。


「ちょっと待って。相手はずる賢い手を使う上に、知能犯で有名なのよ。望ちゃんが行くのは危ないわ」


茨木さん!その気遣いに感動します。

焦って早口になっているのが、本当に心配してるのがにじみ出てて、さらに嬉しいです。



もっともである茨木さんの主張。皇城さんは椅子にふんぞり返り自信満々で答えた。


「あほ。だからだろぉが。そういう相手なら尚望が行く方が良い」


悪知恵働くようだしなー、なんて当たり前のよう言われても正直、違和感しか俺にはない。



何時の間にそんな信じられてたんだ?

いくらなんでも、おかしくないか?


だって、会ってまだ一週間も立たないんだぞ。



しかし、皇城さんと目があった瞬間そんな考えは拡散し、自分が何をするべきか理解した。


先程の進藤よろしく、椅子を倒す勢いで立ち上がり歩きだす。


「ちょ、ちょっと望ちゃん⁈」


「望?」


俺の突然の行動に動揺してる、茨木さんと進藤に振り向き言う。



「後二十分、走ってもぎりぎりだ。先に行く」



扉を開け走る。

後ろで慌ただしい音と共に二人が来るのを確認し、俺はさらに走る。




望達がいなくなり、居るのは三人だけになった溜まり場。


開けっぱなしになってる扉を閉め、内原は変わらず微笑んで口を開く。



「ふふふ、忘れ去られてしまった依頼人の方には僕から丁重に、同行の断りを入れておきますね」


久木から「あっ」と滅多に出さない声が上がった。

完璧に忘れていたのがわかる。




「今回の事件希一はどこまで推測ついてるんですか」


机に並んでいる食器を片づけつつ、なんでもないように聞く。


「多分俺よりあいつの方が推測ついてるさ。詳しいことはあいつに聞け」



ピタリと片づけをしていた手が止まる。

内原はゆっくり顔を上げ珍しく、眉を下げ困惑している表情になった。


「ずいぶん彼を信用されてるみたいですね」


「俺だけじゃないだろ」


それだけ言って静かに立ち上がるのを、久木が見つめる。


「俺もこれから仕事なんでな。部屋戻るわ。後頼むぞ」



「まったく、仕事って何ですか?」


ため息をはく内原に、皇城は振り向き依頼人が初めて訪れた時と同じく、ほくそ笑む。


「依頼報酬について・・・な」




三人が話してる内容など知らず、望達は走り続ける。



フィナーレに向けて。


第六章 終

作者「おかしい。おかしいよ」

望 「そうだな。いくらなんでも信用されすぎだ」

作者「ちがーう!そうじゃなくて、本来ならこの時点でもう双子とは決着ついてる予定だったの。 なのに、なのになんでまだ双子再登場すらしてないの⁈」

望 「知らん」

作者「反抗期⁈!」

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