進行役って大事だよな
五月八日(火)午後七時ちょうど
作戦が決行される。
今回の騒動の元凶たる双子。
名前 兄ティール 弟トォール
年齢 十七歳
身長 180㎝
住宅地 ○○駅近くのマンション
外見 赤髪 短髪 ピアスやシルバーリングにブレスレットをジャラジャラ着けている。
青色を基準にしたシンプルな服装が多く見られる。
概略 悪戯好きな上に知能犯として有名ではあるが、ごく最近になってからである。
老若男女知り合いは多いが、良くも悪くも様々な意味でである。
はっきり言えば敵の方が多いであろう。
兄か弟どちらかはわからないが、乱暴で暴力沙汰を何回か起こしている。
またこの事から知能犯なのも、どっちかであると思われる。
三日間皇城さん達が調べ分かったのは以上だった。
家族構成やら通っている学校が判明しなかったのを、皆悔しがっていた。
普通に考え警察でもない一般市民が、三日間でこれだけ調べられたのは充分凄いよ。
「依頼人から返事来たわよ」
茨木さんの言葉に緊迫した空気が流れる。
依頼人に、探してる人が見つかったので双子に連絡するよう伝えた。
もちろん俺が黒髪のカツラ・・・ウィッグの方が良いか。
それを着けた写真を送り。
本当なら依頼人に探してる人が、俺自身だと教えるべきだが、皇城さんが今は余計な混乱を与えるのは良くないと判断し、事後報告になった。
ただ単に説明めんどくさいだけだろ、そう思ったのは俺だけじゃないはず。
そしてわすが五分で返事がきた。
あちらも大分焦れてる証拠。
「読むわよ」
皆が身構える。
「皆さん協力ありがとうございます。友人からの返事をそのまま送ります。
『今日の二十時に街の○丁目で取り壊し予定になってる工場に、そいつ連れて来て。
ただし、探すの手伝った「おチビさん」も一緒にね。
P.S
出来なかったら絶交つーことで」
私も一緒に行きますので、お手数かけますが、駅で会えないでしょうか? 返事お待ちしてます」
茨木さんが読み終わり、全員が黙って一人を見る。
皇城さんは目を瞑り短く息をはき、ぼそりと呟く。
「絶交ってマジでガキだな」
・・・俺も思ったよ。まったく同意見なんだけど、おい‼
「おい!違うだろ今言うのはそこじゃなくて」
進藤が勢いよく立ち上がり椅子が倒れる。
皆の気持ちを代弁、
「おチビさんってなんだよ!成長期はこれからなんだよぉぉぉ‼」
しなかった。うん、なんとなく予想はしてたよ。
緊迫してた空気があっという間に、だらけたものに変わる。
進藤は机に伏して色々叫んでるし、茨木さんは呆れて頭押さえ、内原さんは相変わらずニコニコ微笑んでて、久木に至っては呑気に茶飲んでるし!可愛いけど‼
現時刻十九時三十分。
残り三十分。不安でいっぱい、やはり未来を変えるのは大変です。
誰にともなく俺は思い苦笑した。
いつになったら次のステージに行けるのか、不安です