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厨二病症候群  作者: 北条南豆木
第六章 フィナーレに向けて
25/31

顔がにやついて治まらない時ってあるよな

たまり場が驚愕の声で満たされた。



「ええー‼あの双子と会ったの⁉」


「怪我は⁈大丈夫なの?」


「彼らの来た理由はなんだったんですか?」


「んで、今回はどうやって追い払ったんだ?」


「・・・・・・」




「そんな一気に聞かれても、あの困ります」



あの後急いで進藤が待つ広場に行き、たまり場に着いた。

そして双子と接触したのを報告したら、ご覧の通りだ。


「あっごめん、じゃなくてなんで会った時に教えてくれなかったんだよ」


「悪い。たまり場着いてからの方が、全員いて良いと思ったんだ」


進藤は「そりゃそうだけど」と理解はしてるが、納得いかない感じだ。


さて、質問された順に進藤・茨城さん・内原さん・皇城さん、久木に答える。


じゃないと話が進まない。



「双子が学校に待ち伏せしてたんで会った。怪我はないです。来た理由は奴ら曰く『依頼状況確認の為』んで、なんかやばそうな雰囲気だったから」


そこで一旦きり、袖にある防犯ブザーを見せる。


「これ鳴らしたら逃げました。久木、それから茨城さんも心配してくれてありがとうござます」


横にいる久木の頭を撫でながら言う。

二人揃って満面の笑みが返ってきた。


和む。本当に癒されるな。

両手に花の気分だ。


しかし、和む空気は皇城さん笑いで吹き飛された。



「防犯ブザーっ、受ける」


何がそんなにツボったのかわからない。


ひとしきり笑い「さすが警察官の弟」そう言って今度は妙に納得し始める。


「希一。どうするんですか?依頼人にこの事報告します?」


内原さんのおかげで、再び本題に戻る。


皇城さんは首を横に振り、真面目な顔で、しばらく考える仕草をし口を開いた。



「望が会ったつーのは、間違いなく依頼人の話に出てきた友人だろう。となるとだ」


俺をはっきり見て続ける。

ん?待て。今皇城さん確かに俺を名前で呼んだよな。


皆普通に聞き流してるけど、え?あれ?


「奴らがお前を狙ってるのは確かになったな。ただ、こんな回りくどい方法にしたのは、わからねぇが・・・。おい、なんか思い当たることはないのか?」


「えっ⁈あっえーと、ないです」


咄嗟に答える俺は今だに混乱中。

俺の聞き違いか?


皆俺の反応に怪訝そうだが、それこそ聞き流してほしい。



一周目では、この時悲しくも俺は双子に拉致られ、お寝んね中だったからな。


正直この後どうなるか、どう変化するのかはわからない。



突然茨城さんから「ああ‼」と大きな声があがった。


「やだ、私達望ちゃんに捜査結果や協力内容何にも説明してないじゃない」




あっ・・・。全員「そうだった」って今更気づく。


いや、俺までそれじゃまずいよ。



・・・?んん?茨城さんまで普通に名前呼びになっている。

嬉しい、嬉しくはあるが素直にそう感じていいのだろうか。


一周目との俺にとっては大きな違い。

名前呼びがかなり早まったこと。



うん。やはり、これは喜ばしい違いだな。



皆がなんで誰も気づかなかったんだと責任のなすりつけになり、慌ただしい中、呑気に俺は微笑んだ。

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