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厨二病症候群  作者: 北条南豆木
第五章 迷い込んだ森の中
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場を制するのって快感だよな

同じ格好。ほぼ同じ背丈。これだけで、依頼の話にでた双子だと予想はつく。


ここはやはり知らないフリをするべき。怪しすぎるし、自分ではどうにも出来ない。

素知らぬ顔で校門を突破しよう。

一周目の自分が思い、実行した選択。



しかし、今の俺はそれが意味をなさないのを知っている。



前回とは違う。新しい未来への一歩、踏み出してやろうじゃないか。



校門まで迷いなく向かい、二人の前に躊躇なく立つ。


「初めまして。お待たせしてすいません」


双子にこちら側から声をかける。

するとよほど想定外だったのだろう。

帽子でちゃんとは見えないが、両方揃って目が見開いてる。


「・・・初めましてぇ~。望君、だよね?」


先に口を開いたのは、弟のトォール。


こいつ等は一卵性双子。

顔や声は同じで見分けるのは難しい。



だが、性格・身長までは同じではない。

弟の方が兄より僅かに小さいし、性格に至っては悪質なのは同じでも、種類が違う。



兄が直接的なら弟は間接的に、人を傷つけるタイプ。


大方今回の悪行も弟が持ち出した計画。

で、焦れた兄が待ちきれず学校に来た感じだと思う。




だいたい兄のティールはこんな喋り方しない。


まぁ、初めて会う人は同じ顔に注目してしまい、わからないだろうな。


目の前にいる奴らに口角をあげ、ニヤリと笑う。



「はい、そうです。お二人は俺に何か用事があるんでしょう。学校では目立つんで、何処か適当に歩きませんか?」


先手必勝。

相手が言おうとしてたのを先に俺から提案する。



双子は互いに顔を見合わせ困惑中。

本来は逆だったはず。俺が困惑し、双子が楽しそうに笑みを浮かべてる。双子の予定ではな。


簡単に遊ばれてなんかやらない。



「そうですねぇ」


俺の空気に呑まれてる内に、わざとらしく拳を顎につけ考えるフリをする。


そしてさらに、提案になっていない有無言わせぬ声で言う。


「俺この後友人と街で待ち合わせしてるので、そっち方面にしましょう」


返事など待たずに勝手に歩き出せば、後ろから怒鳴り声と間伸びした声で静止するよう聞こえるが、知らん。



残念だったな。お前達が連れて行こうとしてた「アリス」は、なんでも知っててなんにも知らない「チシャ猫」なのだから。



今の森をチシャ猫は知りつくしている。

もうお前等の知る森ではない。



どうする、どちらに進む?

おとなしく帰るか?強硬手段に出るか?


どちらにせよ無駄である。

未来と言う名の森。


地図もなくただ、チシャ猫に着いて行ってる。



どうする?次は右?左?そうして奥へと進んで行く。




迷い込んだ森の中


五章 終


次で戦闘入れる予定なのでR15に設定変えます

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