顔文字にイラってするのは俺だけではないよな
あれから早いもので三日たった。
火曜日の今日、学校で壇と昼食中に一通のメールがきた。
題名 今日何時に学校終わる?
本文
結果報告と望に協力して欲しいことがあるんだ。
悪りーけど、今日帰り遅くなっても大丈夫? 返事待ってまーす(^O^)/
予想通り進藤からのメール。
俺は学校が終わる時間・帰りは遅くなっても大丈夫なことを伝えれば、すぐに返事が来る。
読めば学校終わりしだい、いつもの広場で待ち合わせってことになった。
本当はわざわざ進藤の案内がなくても行けるが、二回通ったぐらいで覚えられる道ではない。
怪しまれたくもないし、おとなしく案内してもらおう。
「何深刻な顔してんだよ。メール兄ちゃんからか?」
目の前で壇が心配気にしてるが、弁当頬張りながら言うんじゃない。行儀悪い。
「また帰り遅くなるみたいだ」
俺がな。
「うわー。やっぱ警官は大変なんだな。望の兄ちゃんもよくなったよ、んなめんどくさい上に大変な仕事なのにさ」
・・・そうだな。
俺もそう思う。
ふと兄貴が警察官に就職した時を思い出した。
あの日は珍しく喜びからか、兄貴は酒飲んでて酔っていた。
確か俺に何か言ってたな。
何だったけ。
些細なことなのに、なんだか思い出せないのが寂しく感じた。
あーけど、変わりに違う些細なことを思い出した。
「壇。お前がさっきトイレ言ってる間に、担任が怖い顔して探してたぞ」
壇が固まった。
心当たりは山程あるんだろう。
こっちにとっては都合が良いし、自業自得。
同情の余地なし。
放課後、行例の居残りである壇を置き去りにし外へ出る。
皇城さんに従いニット帽をかぶり、眼鏡をかけて。
壇がいなくてよかった。
学校の校門前に、私服姿で目立つ二人組。
ほぼ同じ180はある身長に、同じ青いパーカー黒のジーンズにブーツ。
赤髪を隠す為の白いキャスケット帽。
いきなりボス登場ってか。