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厨二病症候群  作者: 北条南豆木
第五章 迷い込んだ森の中
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双子って設定だけでおいしいよな

「どういうことか、説明してくれないかしら」



重たい空気が漂う部屋は、茨木さんの柔らかい音色で打ち消される。


少しの間が立ち、やがて彼女は意を決し話しだす。



「実はこの人を探してるのは私じゃなく、友人なんです」


そう語り始めた話しを要約すれば、その友人が写真を渡すなり、突然「一週間以内で探してくれ」だけ言い残し去ったそうだ。



もちろん彼女はその後友人に何度も連絡した。

だが、何度電話をしようが留守番電話に繋がり、メールをしても返事は来ず。


彼女は困り果て街をうろついてる時、情報通で何でも屋の進藤の話しが耳に入り、朝から進藤を駅で待ち伏せをして今に至る。



「そういうことですね?」


俺に彼女はただ黙って頷く。


「それで後何日あるの?」


進藤が聞けば彼女は小さな声で「三日」と呟く。



普通なら「なんだそれ。ふざけるな」でお終いだろう。


俺たちはそんなたまではない。



「その友人とやらの情報を全部話せ。それから深井」


皇城さんが急に俺の方を向く。


「お前はこいつに心当たりはないんだな?」


人差し指で写真を叩き、質問ではなく確認で聞いているのが声からわかる。


さすが。俺の表情・態度からわかるか。


「はい。兄弟は兄一人ですし、親戚にも心当たりはありません」


「そうか。ならこれから三日間お前は極力街には来るな。外出するなら、帽子や眼鏡で顔隠せ。いいな」



無難だな。

情報収集の際そっくりな俺がいれば、捜査の邪魔になる。


例えば、誰かに聞き込みをしても、俺の目撃情報になってしまう確率が高いから。


現状がわからず、ついていけてない依頼人の彼女。


「依頼受けてやるってんだ。さっさと無責任な友人について話せ」



皇城さんの言葉を理解した彼女は、絶望に近い暗かった顔がみるみる希望で明るくなる。


お礼と共に口から出た友人の情報。




赤髪の双子の兄弟。

名前は兄がティール 弟がトォール。

何処かは知らないがハーフ。

街によくいるのだが、最近はいないらしい。

年は俺や進藤より二つ年上。


今回の悪戯を仕掛けた人物。



癪だが今はお前等の玩具になってやろう。

俺の欲っするものを手に入れる為に、必要だから。


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