1-1 霧島家の朝
主要登場人物ふりがな一覧
・真田甲斐…サナダ カイ
・霧島響子…キリシマ キョウコ
・霧島文子…キリシマ フミコ
・霧島桜子…キリシマ サクラコ
・武田信二…タケダ シンジ
雀の鳴き声と重なるように小気味良い音が台所に響いている。包丁の音だ。
真田甲斐の慣れた手つきに操られた包丁が、ツヤ良いキャベツを刻んでいた。
グツグツグツ、と鍋が煮立ってきた。蓋を開けると、湯気と共に味噌の香りが辺りに広がる。昨晩に作った味噌汁の風味が損なわれていない事に満足して、すぐに彼はコンロの火を止めた。
甲斐の好みとしては、多少風味が飛んでしまっても沸騰するぐらいの熱い味噌汁が好きなのだが、この家の人間は、全員が猫舌なため、温めの味噌汁を食卓に乗せるのが通例だった。
「さて、お次は……」
迷うことなく傍の棚から調理用油を取り出し、フライパンにかける。同時に、空いた手で別容器に卵を割って落とし、自作のだし汁を絡ませる。
このだし汁は、中学入学から始まった甲斐の料理人生から三年の月日をかけて開発した鰹だしベースの自信作だ。これを使った卵焼きは、ちょっとしたきっかけでもあれば甲斐のクラスで争奪戦が始まるほど好評である。
鉄の上で熱せられる油の振動を横目で確認しながら、頃合いになったところで溶いた卵を一気に投入。
ここからが勝負だ、と自分に言い聞かせて、甲斐は神経を研ぎ澄ます。
刹那、クワッと目を見開く。小刻みに右手の菜箸を動かし、左手ではフライパンを巧みに操作しながら卵を丸めていく。
高温のフライパンで手早く焼き上げられた卵焼きは、マシュマロのような弾力と宝石のような艶を帯びていた。
自身の最高傑作を皿の上に乗せ、出来栄えを眺めていると自然に笑みがこぼれた。
台所の入口からパチパチと手を叩く音。
「相変わらず、高校生とは思えない惚れ惚れするような腕前ね」
聞きなれた声だったので、甲斐はフライパンを流し台に運んでから目を向けた。
そこに立っていたのは、この家の最年長者である少女――霧島文子だった。
パジャマ姿なので寝起きなのだろうが、腰元まで伸びる長髪は一切乱れていない。まだ眠気を完全には振り払えていないのだろう。整った顔立ちを崩さない程度に小さく欠伸をした。
「おはようございます文子さん。昨日も遅かったんですか?」
甲斐が尋ねると、文子はまぶたをこすりながら、
「まぁーね。○時は回ってたわ」
「お疲れみたいですね。もう一二月ですし、大変なのは毎年言ってる決算ってやつですか?」
「そういう訳じゃ無いんだけど、ちょっと寝覚めの悪いものを見て頭から離れなくてね……って止めて頂戴。家で仕事の話は無しよ」
そう言って、文子は面倒臭そうに細い指で宙を払った。
文子は甲斐より一つ年上で、甲斐の通う六文高校では生徒会長を務めている。また、学生の身分でありながら、亡くなった両親の会社を故あって引き継ぎ、代理とはいえ一部の社長職を兼務している苦労人だ。
なお、その故というのを甲斐は知らない。文子も語ろうとしないので、甲斐からも特に尋ねたりしていなかった。
甲斐が文子の事で知っているのは、学園の霧島文子だけである。学生たちに文子の評価を伺うと、返ってくるのはおそらく最上の賛美だろう。
容姿端麗。性格は慎み深く、人当たりが良く、クラスメイトや後輩にも優しい。それでいて物事への取り組みには甘えが無く、任された仕事は常に期待以上の出来栄えで完成させる。生徒会長としては、学園始まって以来の最高の有能者との声も高い。
出会ってからすでに五年。訳あって霧島家に出入りするようになってから四年以上が経過しているが、いまだにこうやって一対一で応対すると、甲斐は少なからず緊張してしまう。
「今日は、魚屋さんがサンマを安くしてくれたんでかば焼きにしてみました」
こちらから話を変えると、文子は食卓に並べられたかば焼きに目を落とした。次いで、熱のこもった息が薄い桃色の唇から吐き出される。
「かば焼き。あっさりとして、それでいてジューシー。やっぱりこの時期はサンマよね。甲斐ちゃんの料理なら、なんでも美味しいんだけど」
「どーも」
褒められたことにお礼を言いながら、甲斐は再び台所に目を戻す。そろそろ鍋を使って炊き上げているご飯の火を止めねばならなかった。
この家の人間は、文子も含めて炊飯ジャーより文化鍋で炊きあがったご飯の方が好みである。そうしないと、文句は出ないが三対の視線の圧迫に晒されるのだ。
「そうそう、昨日のゆくゆく大辞典、見た?」
ゆくゆく大辞典とは、日曜の夜中に放送している情報発信番組だ。この番組で紹介された食品は、翌日のスーパーで確実に売り切れる程に人気がある。
「茄子特集でしたね。見ましたよ」
「私、今日の夕食はマーボ茄子が食べたーい」
「別にかまいませんが、その希望は上にいる奴に言ってもらえませんか。当番は俺って決まったわけじゃないんで」
文化鍋の中をしゃもじでかき回して、蓋をしめる。数分後には良い具合に蒸らされて食べごろになるだろう。
「あーはいはい。じゃあ私は顔を洗ってくるから、ウチの眠り姫をお願い。あの子、きっと王子様の到来を今か今かと待ちわびてると思うから」
「忘れられない朝にしてやりますよ」
甲斐は身に付けていたエプロンを外し、気合を込めて握り締めた。
「甲斐ちゃん」
「おっと、情けをかけろっていうのは断りますよ。そんな相手じゃないですから」
「今日、マーボ茄子お願いね」
「……いや、だから」
反論しようとしたが、文子は「ナス、ナスおナス~♪」という意味不明な歌を歌いながら、軽い足取りで洗面台のあるお風呂場に行ってしまった。甲斐は、追いかけるまでの意義も見い出せず、諦めてエプロンを丁寧に椅子に置いてから階段に足を向けた。
○●○
あえてドスドスと音を立てて二階の廊下を進み、とある扉の前で足を止める。“響子の部屋”という立札があり、当然のことながら甲斐の部屋ではないのだが、彼は躊躇なくドアノブを回して入室した。
中は薄暗い。外にはすでに太陽が昇っているのだが、その光をカーテンが遮っている。
甲斐は部屋の奥に進み、カーテンを一気に開け放った。
「うん……」
唸り声がした。部屋の隅にあるベッドの膨らみからである。
「おい、そろそろ起きろよ」
そのベッドの膨らみに声をかける。が、反応は無し。モゾモゾとは動いている。
「おい、響子」
語尾を強めるが、相変わらず反応無し。
「仕方ないな……」
甲斐は布団の膨らみに手を伸ばし……。
「ッ!」
足を踏み込み、腰を回し、腕を伸縮させ思いっきり拳を叩き込んだ。
空手三段の段位を持つ甲斐の打撃である。ボフッとした抵抗力のない感触とともに布団が両側に大きく跳ね上がった。
手ごたえは無い。当然だ。こんな不意打ちが通用する相手だなんて微塵も思っていない。
「朝っぱらから。いい加減にしてくれよ、甲斐」
背後からあくび混じりの声。甲斐は布団から拳を戻してからゆっくりと振り返る。
立っていたのは、先程まで布団の中にいたはずの少女だった。
霧島響子。甲斐と同じ六文高校の一年生で、霧島三姉妹の次女。つまり、先ほどの文子の妹だ。
甲斐とは六年程の付き合いであり、幼馴染とも言える間柄だった。
パジャマ姿の響子は、学園のファンから表現される、吸い込まれそうでいて大きく、猫科動物のような鋭さを持った瞳を眠そうに擦りながら、空いた方の手で肩まで伸びる黒髪の根元をボリボリと掻いていた。
ちなみに、こちらも寝起きであるのに寝癖などが一切ない。三女の寝癖姿も見たことが無いので、もしかしたらこの三姉妹の髪は何らかの特殊素材で出来ているのかもしれないな、などと甲斐は考えてしまった。
「毎朝毎朝、婦女子の部屋に遠慮なく足を踏み入れる。その神経はどうかと思うぞ」
「お前が約束を守らないからだろ」
「約束?」
「寝ぼけるな。俺が一体全体何のために朝早くからメシ作りに来てると思ってるんだ」
響子はしばらくボケーとこちらを見つめていたが、やがて鈍重な動きで手を叩いた。
「ああ、そういやぁそうだったな。いや、なんかお前がウチの台所の景色に溶け込みすぎてるから忘れていた」
「この野郎、言ってくれるじゃねぇーか」
自然と拳の握りが強くなる。
「そう怒るなよ」
響子は、鼻をヒクヒクと動かした。
「今日はサンマか。分かったよ・ちゃんと飯を作ってくれたみたいだし、きちんと勝負を受けるよ」
「なら、さっさと顔を洗って道場に来い」
そのまま部屋から出ようとすると、ちょっと待てよ、と呼び止められた。
「ここでやろうぜ」
響子は、両手を腰に当てて、構えもせずにこう言い放った。
「何だと?」
「どうせすぐ終わるんだからさ、わざわざ胴着に着替えるのめんどくさいだろ。これからシャワー浴びなきゃなんないし、時間ももったいないし」
「……」
「かかってくるなら早くしてくれ。腹が減ってるんだ」
と言って、響子はまた大きく欠伸をした。
甲斐の額に明確な青筋が浮かぶ。どこまでも舐め切ったその態度に、これ以上ないほど腹が立つ。
「俺は別に構わないが」
改めて向き直り、甲斐は怒りを抑え、静かに言った。
「部屋の中が滅茶苦茶になるぞ」
「それはない。せいぜい埃が立つ程度だろ。ほら、そこに置いてある空気洗浄機、安物なんだが意外に性能良いんだぜ」
あくまで眠たげな顔で、彼女はそう言う。
「そうか……それは良かったな!」
甲斐はそのまま中段に構えて、響子に殴りかかかった。
○●○
響子に負けることが悔しかった。
子供の時から喧嘩だけではなく、スポーツも、勉強も敵わなかった。
だから挑み続けた。
勝負の内容は問わなかった。二人とも格闘技をやっているので取っ組み合いのものが多いが、体育の授業がバスケならバスケ、サッカーならサッカーで勝負して、マラソンならマラソンで勝負した。定期試験の時は、その順位で勝負をした。
それは小学校六年生の頃に出会ってからずっと続いている。しかも、一日に何度もだ。勝負については、響子の方もおおむね快く受けるが、中学校に入ると、親がいない三姉妹暮らしで家事をしなければいけない。自分は食事係だから、その準備のために放課後や早朝の勝負の時間は取れないと断られるようになった。
甲斐は、
「負ければ自分が食事を作ってやる! だから勝負しろ!」と提案した。それがやがて霧島家の家事のほとんどを肩代わりし、いつの間にか霧島家の空手道場の手伝いまでさせられる羽目になり、それが高校に入学する頃には日常となってしまった。
そして、努力の甲斐あって黒帯となり、学力テストでは学内の“男子の中では”一番の成績となった今でも、甲斐は一度も響子に勝ったことが無かった。
「というわけで、今日はマーボー茄子が食べたいんだけど」
敗者への配慮は微塵も無く、食卓の上座に腰かけている文子が言った。
霧島家の居間には、甲斐の準備した朝食が並べられている。
「分かりました……」
茶碗にごはんをよそいながら、甲斐は力なく頷いた。響子との勝負に負けた甲斐は、今晩の食事も作る事になってしまったので、文子の要望を素直に受けるしかなかった。
「今日は一段と激しかったみたいね」
アザと傷にまみれた甲斐の顔。それを見ながら、文子は冷や汗を垂らす。
「当然だ」
甲斐から見て対面に座る響子が、ふてくされながら言う。すでに顔も洗って制服に着替えており、髪型もポニーテールにまとめている。先ほどまでの寝起きと違い、武道家の娘らしく背筋をピンと伸ばしながら味噌汁をすすっていた。
「にしても響子。これはあんまりじゃないの? いつもより甲斐君の顔が五割増しで酷いことになってるじゃない」
「命を奪わなかっただけでも感謝して欲しいぐらいだ」
その言いように何かを感じ取ったのか、文子は箸の先を口にくわえながら、
「何かあったの?」
はむ、と卵焼きを頬張って幸せそうな微笑を浮かべながら言った。
「実は――」
甲斐が話そうとすると、乾いた音がした。響子が手に持ったお椀を叩くような勢いでテーブルに置いたからだった。
「このバカが、あたしの下着を部屋にばら撒いたんだよ」
文子は、またまた目を丸くした後、一日中台所に置きっぱなしにしたご飯のように冷たく、そして乾いた視線で甲斐を見た。
「なるほど。今日は正攻法ではなくかく乱戦法でいったのね。確かに、男性に自分の下着を部屋にばら撒かれたら私でも動揺するわ」
甲斐は断固として抗議した。
「ちょっと待て響子! まるで俺が自分の意思でお前の下着をばら撒いたかのように言うんじゃない!」
「違うの?」
「文子さんもそんな、証拠がそろいまくっていても最後まで私は無罪だと主張し続けながらも無理やりパトカーに乗せられる往生際の悪い性犯罪者を見るような目で俺を見ないで下さいよ!」
「そこまでは思い至らなかったけど……」
「響子が、俺をタンスに吹っ飛ばしたから、タンスの中の下着が部屋に散らばった。それだけです」
「それなら仕方が無いじゃない? そもそも、道場じゃなくて自分の部屋で戦おうとしたのは響子、あなたなんでしょ」
「でも文姉ぇ。こいつ、散らばった様々な衣類の中から迷うことなく私のブラを手に取ったんだぞ」
「……本当なの?」
再度向けられた視線は、冷凍された蜜柑のように冷たく、またそれを急に口に詰め込まれたかのように痛々しかった。
「ば、ば、ば、ば、バカ言うな響子。俺は断じてそんなことは――」
「したじゃねぇか。私はこの目でしかと見たぞ!」
「あれは。お前に殴られて鼻血が出ててた上に、殴られた衝撃で視界も定まってなくて。そしたら、近くに薄くて四角いものが目の前にあったからハンカチか何かだと思ってこう無意識にスっと……」
ジェスチャーで再現すると、思い出したのか響子が顔を赤くした。
「この変態が!」
「だから誤解だっつってんだろうがっ!」
お互いに睨み合って水掛け論になりそうな雰囲気になるが、
「それでも、ふつうブラとハンカチは間違えないんじゃない?」
と、文子が遮った。
「いや、そりゃあ文子さんのだったら間違えないですけど、こいつのは仕方が無いですよ。なんせ普通の布と変わらな――って響子どうしたんだ? 顔を更に真っ赤にして箸を持った手を振りかぶって、ってうおおおおっ!?」
空気を切り裂くような音がした後、甲斐の顔の横を弾丸のような速さで飛来した箸がすり抜けて、後ろの壁に突き刺さった。“木製”の箸が、である。
「な、何するんだよ響子ぉ~!」
怒るが、動揺を隠せずに声が上擦る。
「悪かったな! どうせ私のブラはハンカチと間違えるぐらいに薄っぺらいよ!」
再度、振りかぶられる腕。
銃口を突きつけられ、引き金を引かれる瞬間のような恐怖を感じて、甲斐は反射的に身構える。
「二人とも、それぐらいにして頂戴。ご飯時にあばれると埃が立つでしょ」
目の前でそんなやり取りが行われていても、文子はひとり落ち着いて朝食を食べていた。
「でもよ文姉ぇ!」
と、響子は鼻息荒く言うが、
「響子。私は座りなさいと言ったのよ」
姉に静かに注意されると、彼女は攻撃の手を止めつつも盛大な舌打ちをしながら腰かけた。しかし、いまだその眼は殺気に満ちており、かつ甲斐を捉えていた。
「甲斐君も。女の子の身体的特徴を貶めるなんて最低よ」
「す、すみませんでした」
甲斐も二刀流ならぬ二箸流の構えを解いて、おとなしく食卓に戻る。
場が静寂を取り戻してから程無くして、甲斐はふと、テーブルの一角の手の付けられていないおかず達を見る。
「ところで、桜子ちゃんの姿が見えませんね。まだ起きてないんですか?」
甲斐は、この家の三女の行方を長女と次女に尋ねた。
三姉妹の中で唯一の中学生であり、これから一日を同じ校舎で過ごす文子、響子と違って桜子とは朝と夜にしか会えないのである。
雑誌のモデルにスカウトされるほどのあの可愛い顔を、朝の内にしっかりと拝んでおきたいのだが……。
「桜なら修学旅行だ」
響子がムスッとした口調で応える。まだ怒っているらしい。だが、いまはそんな事はどうでも良い。
「んなっ! 俺は聞いてないぞ!?」
思わず立ち上がってしまうぐらい甲斐はショックを受けた。
「私は言って無いし。桜もお前を避けてるしな」
「私はてっきり甲斐ちゃんにも伝えてるものだとばかり思ってたわ」
甲斐は、視界が眩むのを感じた。心なしか、指先もしびれてきた気がする。
「な、なんてこった。毎朝桜子ちゃんの顔を見てほっこりするのが俺の日課だというのに!」
「甲斐ちゃんのそういう冗談、桜子は本気で嫌がってたわよ……」
「しかも、“ほっこり”って本来そういう使い方しないしな」
「言葉の意図が伝われば問題ない。些細なことだ」
「桜の気持ちの方は些細じゃないだろーが」
ジト目で睨む響子に、甲斐は笑みを浮かべ、自身の黒髪をサラッとかき上げる。
「照れているんだろ」
「あれだけ本人から“ウザッ”だの“腐れロリコン犯罪者”だの“キモっ、死んでください”だの罵詈雑言を浴びせられていながらもその発想。幸せな思考回路をしてるなお前は……」
「嫌よ嫌よも何とやらと言うだろ。にしても、修学旅行ってどこに行ったんだ?」
と、響子の言葉を無視して、甲斐は心底がっかりしつつ、力なく座りながら訊ねた。
「京都、とか言ってたかしら」
文子が食べ終わった食器を片づけながら答えた。
「いつ帰ってくるんです?」
「えっと、確か三泊四日だから、四日後ね」
「四日か。結構あるなぁ……」
「さぁ、そろそろ学校に行かないと本当に遅刻するわ。二人とも急いで。生徒会長である私の妹と弟分が遅刻なんて許さないんだから」
文子の言葉を最後に、甲斐と響子は黙って残りのおかずを口に放り込む。
こんな感じのやりとりをしながら、霧島家から学校に通うのが甲斐と霧島姉妹の朝の日常だった。