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龍王の娘  作者: 瑞佳
第二章 白虎国編
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王都への道





フォンフー様が王都に行かれる事をインフー様に告げると慌ただしく準備が始まる。


「本当にレイカちゃんを王都に連れていかれるんですか……」


「俺の侍女なんだから当り前だろ」


「それならばチェンさんの方が適任です。王宮を知らないレイカちゃんでは可哀想です」

「今回は父王と兄上のご機嫌伺いに行くだけで、レイカは物見遊山程度に連れて行ってやるだけだ。 暇ならインフーが王都を案内したらどうだ?」


「えっ! それはいい考えですね。分かりました、さそっく準備に取り掛かります」


途端に態度を変えるインフーは慌ただしく部屋を出ていく、こんなに単純で王宮で遣って行けるのか心配になってくるが、あいつを始末したら俺は当分此処で暮らし二度と王宮など行くつもりも無い。俺は商人のように世界を駆け巡りたい。


ロウを連れて行きたいが王都に入れないだろうし、寂しいが仕方ない


後は如何にレイカの力を引き出すかだが全くの進展も無い


最後の手は考えてあるがあまり使いたくないが…兎に角、王都に一刻も早く向かうしかないのだった。








王都へはフォンフー様とインフー様と私の三人だけでお忍びで行く事になる。


最初は馬車を仕立てる予定だったのだけどフォンフー様に時間がかかり過ぎると取り止めになり馬で移動になってしまった。それも天馬と呼ばれ一日で百里を駆け抜ける特別な馬、人間で乗れる者はいなく神族だけが所有を許されている。


二頭の天馬をこの州の虎族から借り受けたのだ。これにより通常の馬なら一カ月掛かるが天馬なら五日で王都に行けるらしい


馬に乗れない私はインフー様に乗せて貰っているけど、神力に守られている為快適で風すら感じないで凄い早さで幾つもの森や草原、村や町を駆け抜けて行く。


「凄い! インフー様、次々に風景が変わって行って面白い!」


「怖くは無いですか」


「大丈夫です」


「全くフォンフー様には困ります。レイカちゃんをこんな危険な馬に乗せるなんて」


「でもインフー様がちゃんと天馬を操って神力で守って下さるから安心して乗ってられますよ」


「そっそうですか… /// 」


フォンフー様は小さい体を巨大な天馬に一人で騎乗している姿は頼り無く見えるが、いとも簡単に天馬も操り従わせていた。流石に虎族だと再認識させられる。普通の人間が天馬に乗れば速度が速すぎて体を振り落とされてしまうだろう


日が暮れる頃小さな町に到着した。


初めての旅で興奮して馬に乗っているだけだったけど疲れてしまい、ヘトヘト


「今夜はこの町に泊るんですか?」


こんな小さな町に虎族の皇子様が泊れる立派な宿屋があるとは考えられないのでインフー様に聞いてみる。


「ええ、フォンフー様が煩わしいのがお嫌いで大きな街や地方の虎族の屋敷に泊ると色々な面倒なお付き合いが生じるのでそういう場所は避けてるんですよ」


そして町中に入ると虎族を恐れ家に引き籠ってしまい戸口にいた人々は次々に家に入ってしまい人通りが途絶えてしまった。


それから、町中でも一番大きな家の前に来ると家人が慌てて飛び出して来て平伏した。


「これはこれは、虎族様ようこそお出で下さいました。今日はどの様な御用件でしょうか?」


「今夜の宿と食事をお願いします。それと馬に水と乾草を与えて欲しいのですが」


「恐れながら、ここは貧しい町で虎族様に十分満足頂ける御もてなしは難しく」


「ごちゃごちゃ煩い、食事も寝床もお前達と一緒で構わんからサッサと休ませろ!」


「はっハイ! どうぞこちらへ……」


多分この町の長は飛び上がるように立ち上がり玄関の扉を開けて頭を下げているが顔色も悪く震えている。


「フォンフー様あまり威嚇してはいけません。泊めて貰うんですから」


「フン! 俺は疲れたから少し休む。食事は部屋に持ってこい」


「分かりました。先に部屋に案内してください」


「はい しかし生憎…客室が一部屋しかないのですが如何致しましょう……」


「そうですね…フォンフー様と私は一緒で構いませんがレイカちゃんは女の子ですし」


「十歳のガキだ一緒の部屋で寝るぐら……!! いや待て、矢張り別にしろ、なんなら物置きでも構わん」


フォンフー様は私と寝ると神力を寝こそぎ奪うのを知っているので一緒に寝るのを避けるのは理解できるけど物置きなんて!!


一度死ぬほどの目に遭ってるからといって、それは無い


「酷い!」


「それならば、狭いですが娘の部屋でよければ空けますのでお使いください」


「ありがとうございます」


良かった。流石に物置はいやだったので安心する。きっと高級宿にお泊り出来ると期待していたのにガッカリ


それぞれの部屋に案内されたが木造の素朴な部屋で閑散としているが綺麗に掃除は施され、フォンフー様はサッサと寝台に横たわり寝てしまう。夜には食事がふるまわれるが、そあまり豪華とは言い難いけどこの町での精一杯なのは伺え、私が想像するより人々の生活は楽ではないのかもしれない。給仕をしてくれるこの家の娘さんの服もくたびれており始終オドオドしていた。


就寝の時はインフー様が部屋まで送ってくれる。


「インフー様、この町の人達は何故こんなに虎族を恐れているんですか?」


「人間にとって虎族は無理難題を押し付ける迷惑な存在だからですよ。この国を治めているのは虎族ですが、働き作物や物を生産するのは殆ど人間でそれを搾取するのが神の力を持つ虎族です。 虎族は気性が激しく人間に対する扱いが良いとはいませんから仕方のない反応なのです」


「インフー様は全然違うんですね… 良かったインフー様が優しい虎族で」


「そっそんな…… ///  」


「それじゃあお休みなさいインフー様」


「あっ チョッと待って下さい。一応念の為に部屋に誰も入れないよう結界を張りますから」


そう言うとインフー様は髪を四本抜くと部屋の四隅に置き何か小声で言うと髪が光り消えうせる。


「小さな町とはいえ油断は出来ませんから私以外来ても決して戸を開けないで下さい」


「はい」


「それではお休みなさい、レイカちゃん」


「お休みなさい」


初めての旅の晩は何事も起こらず静かに過ぎ翌朝、簡単な食事を済ましてから直ぐに出立する。


町の長の家族だけが見送り町の人々は家の中でひっそり息を潜めているようだった。


「これはささやかですがお礼です。受け取ってください」


インフー様が町の長に金子の袋を渡すと驚いた顔をする。


「滅相も御座いません! 何のお世話も出来ない上にお礼など受け取れません」


「お受け取りを、その代わり我々が此処に立ち寄った事は内密にして下さい」


「はっはい、有難うございます…助かります」


町の長は深々と頭を下げ、感激したように少し涙ぐんでもいた。


あまり長居しては迷惑なので直ぐさま馬に乗り込み王都を目指すのだった。


馬に乗り町を離れてからインフー様に聞く


「おじさんは何であんなに嬉しそうだったんですか?」


「どの町も税を納めて食べるのがやっとの生活ですから、あれだけのお金があれば一年の税は賄えるはずです」


「税てそんなに取られるのですか」


「国では一律四割の税率ですがそれを守る虎族は少なく酷いところでは八割と言う州もあるとか……」


「酷い!王様は何をしてるの!」


「レイカちゃんそんな事を言ってはいけません。 王都でそのような事を言ったら牢屋行きです」


「ゴメンなさい……」


「怒った訳ではなにのです。ただ気お付けてください、王族や他の虎族の事を少し悪く言っただけで死刑になる可能性もありますから」


「はい」


何か王都って怖い処?! 少し不安になる。


王都への三晩はこんな感じに小さな町の長を務める家に泊めて貰ったけど何処もこんな感じで、虎族が来ただけで今にも死にそうな顔をする長もいた……私の国の青龍国も龍族は虎族のように民にこんなに恐れられているんだろうか?知りたい…力を得たら王都に向かいながら青龍国の人々の生活を見て行こうという考えが心に湧きあがった。


後半日で王都に着く前の晩は大きな街の立派な宿に泊る事になる。今まで宿を求めて来た小さな町と違い、沢山の人と市場が立ち並び賑わっているのを頭から被ったベールの隙間から覗く。


今の私達は体をスッポリと覆うベールを被っている。


宿に着くと馬を馬番に預けインフー様が宿の部屋を取るために受付に行く。


「ようこそお出で下さいました高貴なお方」


「部屋を二部屋お願いします。直ぐに湯浴みの用意とこの街一番の仕立て屋を呼んでください」


「はい承りました。お部屋の御案内はこの者にさせますので。 このお方達を牡丹と萩の間にご案内してください。」


「はい」


インフー様は馬や荷物の支持をするため一旦外に出て行き、フォンフー様と私は案内の少年に連れられ通された部屋はお屋敷より豪奢に仕立てられていて、高価な調度で揃えられていた。


「凄い! なんて綺麗なお部屋」


「寝れればどこでも同じだ」


「フォンフー様って本当に皇子様らしくない」


「フン! 好きで皇子に産まれた訳じゃない」


ベールを脱いで二人で寛いでいるとインフー様が用事を済ませ部屋に入ってくる。


「この宿のお風呂は温泉で今貸切にしましたから、早速旅の疲れを落としましょう。他の町では体を拭くだけでしたからゆっくり入れますよ。、男湯と女湯がありますからレイカちゃんは一人で大丈夫ですか」


「はい、ハクも入っても良いですか?」


「ええ」


「やった!温泉なんて久しぶりだねハク」


「ウッキー」


「猿が温泉に入るのか?」


「私の家には露天風呂があって森の猿達と一緒に入ってましたよ」


「インフー聞いた事があるか」


「あまり……」


などと話していると先程の少年が訪れる。


「失礼しますお客様。お風呂の用意が出来ましたのでご案内して宜しいでしょか?」


少年がチラリと私を見ると視線が合った途端真っ赤になる。


??


それを見たインフー様の体が前に来て私を隠すようにする。


「案内は無用です。それと呼ばない限り部屋には近づかないようお願いします」


「申し訳ありません。御用の際はそちらの紐をお引き下さい」


真っ青な顔で謝り、少年は慌てるように部屋を出て行った。


「大人げないぞ、ガキ相手に…」


「あの少年が変な目でレイカちゃんを見るからです」


変な目?? チラリと見ただけに思ったけど、インフー様の考えすぎに思えた。


それから三人で浴場に向かい男湯と女湯に別れ、インフー様に言われた通り内鍵をかけておき、脱衣所で服を脱いで風呂に向かうと大理石で出来た立派な大きな湯船で虎の顔を模った湯口からふんだんに湯が出ていて綺麗だった。


「こんなたっぷりの湯に浸かるなんて久しぶり!! 気持ちいねハク」


「キッキ」


小さい頃を思い出してハクと一緒に泳いだり水を掛け合ったりとついはしゃいでしまい少し逆上せてしまい慌てて上り暫らく脱衣場で涼んでから服を着て廊下に出るとインフー様が待っていてくれた。


「お待たせしました。フォンフー様はもう上がられたんですか」


「はい、フォンフー様は何時もカラスの行水ですから、それより髪が濡れていますから乾かして上げますね」


インフー様がそう言いながら、私の髪をサラリと何かが通り抜けたと感じた瞬間には髪が乾いて、ついでにハクまでフカフカの毛になる。


「きゃあー 凄いインフー様! これも神力ですか」


「いいえ、これは精霊魔術で水の精霊を使役したんです」


「何時も髪を乾かすのが大変だけどインフー様がいれば楽かも」


「屋敷では無理ですが王都にいる間は何時でも」


「ありがとうございます」


「///]


部屋に戻るとインフー様が長椅子に横たわりダラダラしている。


「フォンフー様、王都が近いのですから少しは気を引き締めて下さい」


「王都に入ってからでいい」


「全く… 仕立て屋を呼んできますからお待ちください」


インフー様が部屋を出て行くとフォンフー様が呼びよせる。


「おい、こっちに来い」


「なんですか?」


「今から神力をやるから受け取れ」


「いいんですか? 王都に着くのは明日ですよ」


「否、此処に後一日滞在してから王都に向かうから余裕があるからな」


そう言うと手を繋ぎフォンフー様の神力が流れ込んでくるが突然止まる。


「どうしたんですか?」


「一応、力は感じているんだな」


どうやら試されているみたい


「次は俺から力を吸い取るように想像してみろ」


そう言われ想像してみるけど上手くいかない…… 想像が駄目なら実際吸ってみたらどうかとフォンフー様の手の甲に唇を落とし吸ってみる。


「おっお前!!……」


すると口の中に神力が入り込んで体を通過した消えて行く、面白い!


ガッツン!


頭をフォンフー様のゲンコツがお見舞いされる。


「痛い!! 」


「お前、なんて事をするんだ! 少し女としての慎め!」


傷む頭をおさえフォンフー様を恨めしげに睨む。手に唇を付けたのが気持ち悪かったの??


「折角成功してたのにー 」


そこへインフー様が戻って来てしまう。


「何が成功したのです?」


「なっ何でもないです~」


後には身なりの良いおじさんと綺麗な布を持った女の人が五人も控えていた。


「そうですか……? それでは採寸をして貰いますからレイカちゃんは隣室で測って貰ってそれから生地をえらびましょ」


「へっ? 私もですか!」


「フォンフー様の侍女なのでそれなりの支度が必要ですから最低五着は新調します」


ニッコリと嬉しそうに言うと女の人二人に隣室に連れて行かれ事細かく寸法を採られてしまう。その間中女の人達はお綺麗ですねなど誉めたたえられ気恥ずかしい


「なんて珍しい黒い綺麗な御髪でしょう、きっと赤がお似合いです」


「本当に、後五、六年すれば殿方がこぞって求愛されますわ」


「そんな /// 」


悪い気はしないけど少し誉めすぎのような気がする。多分お客様に対するお世辞があるんだろう


採寸だけでかなり疲れてしまったのに、それから布選びや意匠なのを決めるのにも時間を要し、私よりインフー様の方が盛り上がっていてフォンフー様は興味が無いようで一人寝室に籠ってしまった。


そしてかなりの服の注文をし終え仕立て屋は上機嫌で帰っていった。


「あんなに沢山注文して支払いは大丈夫ですか」


「国庫から毎年フォンフー様の予算を貰ってますし、住んでいる屋敷にある一体の荘園はフォンフー様の物ですからかなりの収入があるんですよ。フォンフー様はあの通りのお方ですから国庫の方はあまり手を付けず貯まる一方で使い道が無いんですから心配しなくても大丈夫です」


さすがに皇子様……お金持ち


其処へ扉の外から声がかけられる。


「お寛ぎの所申し訳ありませんが、下にお客様にお目通りを願う者達が押し掛けているのですがどういたしましょう」


少年とは違う年配の男性の声だった。


「はぁ…… 分かりました。私が下に行きますので待たせておいてください」


「誰ですか」


「多分街の有力者達が押し掛けて来たのでしょう。フォンフー様が小さい町にしか泊らない理由です」


そう言ってインフー様が出て行かれたけど夕食の時間まで戻ってくる事は無かった。


退屈なのでフォンフー様の寝室を覗いてみると本当に寝ていた。


窓から街を眺めるのは飽きてしまったし、ハクは窓から飛び出し遊びに行ってしまい一人取り残された気分


部屋からは出ていけないと言われているし退屈でしょうが無いので、フォンフー様の顔を眺めていると、少し悪戯をしたくなる。


フォンフー様の手を取り先程やったように甲に唇を落とし吸ってみる。


目を瞑りフォンフー様の虎核の光を捜しそれを吸いこむように想像してみると自分の方に神力が流れ込むのが分かる。


やった!!出来たわ!!


だけど力は自分の中に飲み込まれ何処かへと消えて行く。最初は首飾りの龍石に行くのかと思ったけどどうやら違うようだ


瞑道のうな道を通るように何処かに繋がって何処かに漏れている??


「お前何をしてる」


神力を奪われ流石目を覚ましたフォン様がギロリと睨んでいたが、掴んでいた手が反対にフォンフー様に掴まれ引き寄せられたかと思うと寝台の上で体を組み敷かれてしまい、私の上にフォンフー様が馬乗りになる。


「ふへっ??!!」


「お前、ソロソロ女としての自覚を持った方が良いぞ。自分の容姿をもう少し自覚しろ」

「自分が綺麗だって言うのは自覚してます」


自慢ではないが私以上の美少女はフォンフー様を含めても会った事が無い。


「美しいだけなら腐るほどいる。だがお前の黒い髪と特に金の瞳は神族には特に意味がある」


「天帝様と同じだから?」


「そうだ。全ての神族が恋焦がれる色、しかも世にも珍し黒髪が揃えば粗方の神族はお前に邪まな欲望を抱くはず」


「邪まな欲望??」


「お前を胎ましたいとな」


「胎ます???」


赤ちゃんを産む事??


「お前……わざとボケてるのか」


「ボケてません、どういう事か分かりやすく言ってくれない…うっ!!!」


突然フォンフー様の口で私の口を塞ぎしかも舌まで私の中に入り込んでくるので、驚いてフォンフー様の体を押しやろうとするけどビクともしない


こんなの嫌だ!!


許さない!!


怒りが心を満たし全ての神力を奪う心算で反対にフォンフー様の舌を吸う


「くっ!!」


今度はフォンフー様が私から跳び去り寝台の端に後ずさる。


「フォンフー様のどスケベ!! 私初めてだったのにぃーーーーー 酷い! ウェ~ンン……」


「お前が誘うような事をするとこういう目に遭う事を実体験させたんだ。そもそも寝込みを襲ったお前が悪い」


「うっううう~ だって退屈だったから~ 」


「お前にそう言う性的意味が無いのは分かっているが他の男にあんな事したら一発で処女を失うぞ」


「処女!! /// 」


そう言われて漸くどういう事か理解するけど、まだ子供の私を????


一応、カヤさん達にそういう知識は少し教わったけど……


「なんて面倒な女だ、十歳のガキだからと油断するな、この世の中変態ばっかりだ」


まるで実体験のように苦々しそうに語る。


「フォンフー様も経験あるんですか」


「煩い! お前に神力を食われて疲れた。 サッサと出て行けーーー!!」


そう言いお尻を蹴られ寝室から追い出される。


乱暴な扱いは慣れてしまったが、さっきの口付には驚いてしまう。


しかも舌まで入れられるなんて


口付が唇と唇を合わせるだけじゃ無いんだと初めて知ったけど……何で舌を入れるの?????


初めてがフォンフー様なのはいただけない


初めては好きな人が良かったのに……傷ついた乙女心の代償はきっちり払って貰わないと

漸く自力で神力を食べれるようになったのでこの力で色々試させて貰おうと心に決めるのだった。







あのバカ娘はなんて事をしてくれるんだ!


少し脅す心算で口付をしたのだが、まさか反撃で舌を吸われ神力まで食われるとは


反対に犯されたような気分に陥る…


益々美しくなり、俺やインフーもいるのに全ての視線がレイカに向けられる。


此処まで人を惹きつけえるのは天性のものだろう


無防備に王宮に入れば変態共の毒牙にかかるのは目に見えているので忠告の心算だったが

いざとなればあの力を使って逃げれるだろう


「全くもって凄い女だ」


レイカが龍族として目覚めたら、次期龍王にすらなれるのではないかと思いつく


「まさかな……」


呆れた考えを打ち消し、レイカに奪われた神力を回復させる為にも再び眠りに就くのだった。











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