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龍王の娘  作者: 瑞佳
第二章 白虎国編
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学びましょう





レイカは役ただずだった。


フォンリン様のお屋敷で働き始めて…お手伝いを始めて五日ばかり経ったけど何も出来ません


五歳の体は仕事をするには小さすぎるだけであって、レイカが不器用だとかバカだからじゃ決して無いんだから


そしてレイカの体で出来る事は床掃除ぐらいしか無かった……


チェンさんも始めから期待してなかったようだ


「いいのよレイカちゃんは床掃除をしてくれるだけで、空いた時間は好きに遊んで」


五歳のの年齢の壁は厚く子供扱い


せめてもと、家でしていた草むしりくらいなら出来るので庭師のおじいちゃんに頼んでさせて貰っていたんだけど


「レイカちゃん何をしてるんですか!! そんな事をしたら手が汚れます~ それに日に焼けてしまいますからいけません!」


お屋敷のなかから凄い勢い出て来たインフーさんに止められてしまう。手なんて洗えば綺麗になるし、おじいちゃんに借りた大きなつばの帽子をしてるから日焼けなんてしないと思うんだけど


「でもレイカの出来る仕事があまり無いの、草むしりならお家でしてたから大丈夫です」


そして何故かおじいちゃんを怒り始める。


「レイカちゃんになんて事をさせるんですか! 又このような事があれば首です」


「申し訳ありませんインフー様」


青い顔になり土下座するおじいちゃん


どうしてレイカが草むしりするとおじいちゃんが辞めさせられるの?!


「レイカがしたいってお願いしたの! だからおじいちゃんを怒らないで!インフー様」

涙ぐみながら取り縋るとインフー様は頬を赤らめ少し体を緊張させる。



「そうでしたか…だからと言ってレイカちゃんに二度とこのような事はさせないで下さい!」


おじいちゃんにそう命じてから屋敷に戻って行ったのを見送る。


「やれやれ驚いたわい~」


「ゴメンなさいおじいちゃん… レイカのせいで」


立ち上がりながらしわくちゃの顔を更にくちゃくちゃにさせ笑う


「気にするんじゃないレイカちゃん、インフー様は虎族の中でも穏やかな人じゃから少々驚いたがの… 余程レイカちゃんが可愛いんだろ」


そう言って許してくれたが今後のお手伝いは断られてしまう。


思わぬ障害に驚いてしまう、このままではレイカは無駄飯ぐらいになってしまいそうだ(無駄飯ぐらいは貧民街の学問所で覚えた)


仕方なく井戸で手を洗ってから勝手口からお屋敷の中に入るとチェンさんが待っていた。


「インフー様から聞いたわ、草むしりのお手伝いをしていたんですって?」


「だってレイカのする仕事が無いから、ゴメンなさい」


まさかチェンさんまで怒られたのだろうか!?


「謝らなくてもいいのよ。 レイカちゃんがそんなにお仕事がしたいだなんて私も気付かなかったわ。 でも実際レイカちゃんは体が小さいから少しずつ覚えて貰おうと思うの」


優しく諭すように言ってくれる。


「はい」


「それにレイカちゃんはフォンフー様の侍女として雇われたんだからフォンフー様のお世話をして貰うわ」


「でも、何をすればいいんですか?」


フォンフー様の侍女はミンシャーさんがしているが、虎族の皇子様だが自分の事は粗方してしまうのであまり手が掛からないらしい


「フォンフー様と一緒に勉強して欲しいの」


「へっ?」


「フォンフー様は大の勉強嫌いで直ぐさぼってどこかに行ってしまわれて困ってるんだけど… だから一緒に勉強して見張ってほいいの」


あのフォンフー様を見張る!! 無理だ…レイカとすこぶる相性が悪いし、レイカの言う事なんか聞くはずが無い


「でもレイカは見張りになれないよ」


「インフー様もいるし、何れ王都に戻るから侍女になるにも教養がいるわ」


「王都に戻る?」


「虎族の皇子が何時までこんな田舎に居られないわ、何時かは王都にお戻りになって国のお仕事をしなければならないんですから、レイカちゃんも王都に行くならそれなりお勉強しましょ」


「はい」


そうか、フォンフー様は王都に戻るんだ。白虎国の王都ってどんな所なんだろう!!皇子様だから戻るなら王宮で暮らす事になるのかな? 凄いかも!!


そう言えば虎王様ってどんな人なんだろう?


考えて見れば自分の国の龍王様の事もよく知らないのに隣国の王様なんて知るわけがないそう言えば周りは龍族ばかりだったけど誰も龍族の事など教えてくれず人間のテジャに教えて貰ったくらいだ。今思えば不自然なくらい何も教えてくれず龍王様の話など一度も話題にのぼらなかった。


やっぱりそう言う事なのだろうか







夜になり部屋で過ごすのだが、毎晩お姉さん達とおしゃべりに花を咲かせている。ハクは皆の人気者で部屋で暮らす事を歓迎され可愛がられ、レイカ共々受け入れられた。


今はヤヤさんの膝の上で撫でられ気持ちよさそうに寛いでいた。


「レイカは今日インフー様に怒られたの」


「違うよ、草むしりを勝手にしたレイカのせいで庭師のおじいちゃんが怒られちゃったの…」


ヤヤさんが何処から聞き付けたのか早速聞かれてしまう


双子のおねいさん達は地獄耳でお屋敷の事の小さな出来事も何でも知っている。


「インフー様が使用人を怒るなんて初めてなんだよー」


「何時もは優しいお方なんだけど? それでも素敵よね~」


二人はうっとりと頬を染める。


「インフー様が好きなの?」


「「 バカね~ そんなわけないでしょ!観賞用よ 」」


「へ?」


「虎族の人を好きになたって相手にされないし、相手にされても遊ばれて捨てられちゃうもの」


遊ばれて捨てられる????


「あなた達レイカちゃんはまだ小さいんだから変な事を言わないの」


メイリンさんが二人を嗜めるけど、遊ぶのが変なの???


「それに近づきたくっても竦んじゃうもの」


「そうそう」


「そうね、私も四年勤めてるけどお側には寄れないもの。ミンシャーさんとテンさんでも今だに緊張するって言ってたわ」


そうなんだ… 普通の人間は虎族の人達にそういう反応をするんだ…レイカは龍族の中で育って馴れているから何も感じないんだろう


確かに神族の人達は皆が美形だ、不細工な人はいないのかもしれない。


「それより何であんた草むしりなんかしたの?」


「レイカはまだ小さいんだから無理に働かないで遊んでれば良いじゃん」


「だって早く一人前になってお給金が欲しかったんだもん」


「レイカちゃん偉いのね。お家に送るの」


ここに居る皆もお家に殆どお給金を実家に送って家計を助けている。


「うん…そう」


嘘を付くのは後ろめたいが仕方がない


チェンさんにあまりレイカの事情は言わないよう言い含められていた。屋敷の人達には虎族の血を引いた子供で人攫いに攫われた所をフォンフー様に助けられたという設定になっている。


白虎国では虎族と人間の庶子は珍しく無いらしい、龍族は生涯で子供を産む数は二人から三人だが、全く恵まれない龍族も多いらしくなかなか数が増えないの対し虎族は子沢山!現在の虎王様は八人の皇子様と三人の皇女様がいる。他の虎族の人達も人間の愛人を生涯にわたり大勢持ち子供を数十人と設けるそうで人間だけど虎族の血を引く人が巷に溢れているそうだ


「そう言えばレイカちゃんは明日からフォンフー様とお勉強するってチェンさんが言ってたけど大丈夫」


話を変えてメイリンさんが心配そうに聞く


「「 信じらんないー!! 勉強なんかするの 」」


「うん、フォンフー様が勉強をさぼらないよう見張るんだって」


「「「 !!!  」」」


三人は顔を青ざめさせ絶句した。


誰もが無謀な役だと思ったのだろう


お姉さん達のフォンフー様のイメージは自由気ままな風のようなお方で、皇子様らしからず、着替えや風呂など自分で全て行い最初は大勢の使用人を王都から連れて来たがインフー様とチェンさん家族以外全て追い返したそうだ。


だから今いるその他の使用人は全て近隣の町の人々で賄い、虎族の形式に拘らない緩い生活を送っていた。


そして三年前に警備もそこそこのそんな中で、このお屋敷に盗賊が十数人押し込んで来たのだがフォンフー様お一人で全ての族を瞬く間に切り捨てたそうだ…メイリンさんはその頃から居たので震えながらに話してくれる。


「お姿は少年なのに自分より倍もある盗賊を血しぶきを浴びながら斬る姿は今でも忘れられないの…… 聞けばフォンフー様は四十四歳なんですって…矢張り私達と違うとハッキリ思ったわ… 」


「レイカはフォンフー様の機嫌を損ねないよう注意しな 」


「そうだよ、小さいからって油断しない 」


口は悪いが双子の二人も心配してくれる。


余程フォンフー様が怖いらしい、確かに性格はきつそうだけど酷い事をする感じは無い、仮にもレイカの恩人だ。しかし年が四十四歳って十歳前後に見えないんだけど!


テジャの見かけに騙されるなという言葉に納得する。


その後は話を終えて皆で床に着き眠る


母様はいないけどハクと三人のお姉さん達がいて寂しさを感じる事無く寝る事が出来た。それより母様があの家で一人寂しく寝ているのではないかと思うと心が潰れそうだった……待ってて母様、レイカが絶対逢いに行くから……








フォンフー様の勉強時間は午前中に行われる。レイカは朝の掃除の床掃除の手伝いをしてから、使用人の食堂で大勢で朝食をすましてから他の人達は各々の仕事に戻るがレイカは一旦綺麗な服に着替えてフォンフー様の部屋に行く、ハクも連れて来て良いそうなので嬉しい


「ハク、行くよ」


「ウッキー」


ハクも嬉しそうに頭に乗っかる。


二階にある一番立派な扉の前に行きどう声を掛けようかと考えるていると突然扉が開かれるので驚ろく


バン!


「きゃっ!」


「レイカちゃん、待ってましたよ。さあ入って下さい!」


扉を開けたのは、インフーさんでその顔はまさに喜色満面と言っていいだろう


手をとられ引きずられるように部屋に入るとインフーさんとは対照的に不機嫌な顔をしたフォンフー様が机の上に積まれた沢山の本の前で座っている。


「お早うございます。フォンフー様」


この屋敷の主に朝の挨拶をするが無反応で何時も以上に機嫌が悪いが、インフー様は気にする事もないようだ。


「フォンフー様、レイカちゃんに挨拶を返さないなどと失礼ですよ」


「お前は馬鹿か! 虎族が一々使用人挨拶などするか」


「私はチャンと返しております。挨拶は人としての基本ですよ」


レイカもインフー様の意見に賛成だけど素直に挨拶を返すフォンフー様というのも違和感を感じるかも…


「それより何故この俺がこのチビと一緒に勉強せねばならん」


「レイカちゃんを侍女にするとお決めになさったのですから、それなりの教養も必要です。だから一緒に勉強すればお互い励みになるでしょ」


さも名案だとばかりに言うインフー様だけど、まだ五歳のレイカと四十四歳のフォンフー様では結構な学力の差があるので失礼だと思うんだけど


しかしその疑問は直ぐに解決される。


事前にレイカは少し字が書けるのを伝えていたので最初はフォンフー様と書き取りをする事になった


「次に花、草、土、水……  」


インフー様が簡単な字を次々と言って行きそれを紙に書いて行くのだが、レイカがスラスラ書いていくのに対して、それを横目で時折見て堂々と写していくフォンフー様


インフー様も見ない振りをしているが、ずるをしているのは分かっているようだ


これはどう言う事だろう!?


こんな簡単な字が書けないのだろうかと頭を傾げながら二十問の書き取りを終えるとインフー様が採点してくれる。


「凄いですね! 五歳でこれだけ書ける者はなかなかいませんよ」


感心したように誉めてくれる。


「お前、ずるしたんじゃ無いのか……」


「レイカはフォンフー様みたいにズルなんかしない、小さい頃から母様が教えてくれたし、ちゃんと学問所に通ってたもん!」


レイカの答えを見ていたフォンフー様に言われたくない!


思わずぞんざいな言葉を言ってしまうが、フォンフー様は色々気にして無いようだ


「フン! 俺は名前さえ書ければ良いのさ!」


それを呆れた様に小言を言うインフー様


「そのような訳が無いでしょ! 王都に戻るまではレイカちゃんと一緒に一通りの読み書きは覚えて貰います!」


「冗談だろ!」


「良いのですか、このままでは確実に五歳のレイカちゃんに負けますよ」


瞬間ギロリと睨まれるが別段怖いとも思わない


レイカを殺そうとしたあの男の睨みと比べれば可愛いく感じて、思わずクスリっと笑ってしまった。次の瞬間、フォンフー様が顔を真っ赤にさせて怒りだす。


「お前!! 今俺を笑ったな!!」


「すっ済みません! 睨んだ顔がかわいいなっ……」


「「 かっ可愛い!!?? 」」


年上の男の子に向かって可愛いは失敗だと言ってしまってから後悔する。


「おのれ! 人間のくせに俺を愚弄するか!!」


「フォンフー様いけません!!」


フォンフー様の目が金色に光ったと思った瞬間凄まじい切り裂くような風がレイカを襲う

「キャアーーーーー」


「キッーーーーー」


「レイカちゃん!!!」


風はレイカを取り巻くように体を包んだが、風はまるでレイカの体に吸い込まれるように掻き消える


何が起こったのかレイカに全然分からずバラバラになった椅子の上でハクを頭に乗せたまま座り込むしか無かった。


「大丈夫ですかレイカちゃん!」


インフー様が真っ青な顔で駆け寄り抱き上げてくれる。


「何があったの???」


「フォンフー様が神力を放ちレイカちゃんを斬り裂こうとしたんです!」


先の凄い風が神力と知り驚くけどレイカはどこも怪我をしていない? フォンフー様を見れば悪びれた風ではないが驚いた顔をしている。


インフー様は優しげな顔をめい一杯怒らせながら自分の主を睨みつける。


「やり過ぎです! レイカちゃんを殺す気ですか」


「俺もやり過ぎたと思ったが止めれなかった。それよりインフーはレイカが無傷なのを驚いたらどうだ」


フォンフー様にそう言われ改めてレイカを見やり徐々に顔色を変えて行く


「力を抑えたのですか?」


「俺がそんな事すると思うか? レイカは俺の神力を全て受け止めて吸い取ったんだ」


レイカが力を吸い取るとはどういう事だろう????


「人間のレイカちゃんにそんな力がある訳ありません」


「思い出してみろ、顔を治そうとしてレイカに神力を注ごうとしても効かなかったのは力を食っていたからだ」


「まさか神力を食うなど……」


二人は黙り込んでしまうがレイカは何の話かさっぱり分からない


「インフー様、レイカは悪い事をしたの?」


ハッとしてレイカの目と視線を合わせて安心させるように微笑む


「いいえ悪いのはフォンフー様です。 レイカちゃんは体の調子はどうですか?」


「別に何ともないです」


少しお尻を打ってしまったが別に大したことはない


「おい! レイカお前の父親は誰だ!」


まるで問い詰めるかのように凄い勢いで聞いてくるフォンフー様


「知らない、一度しか会ってないから」


「どんな容姿だ」


「えっとー 赤い髪で金茶色の目の大柄な人」


咄嗟にフェンおじちゃまの事を言っていまう…だって怖かったんだもん、紫の髪に金の目と正直に言った時それが龍王様だと言われるのが怖く感じてしまったから


本当に父様が龍王様ならレイカは絶対に敵わないじゃない


今は知りたくないと思ってしまった。


「その容姿から思いいたるのは中央軍大将軍フェンロン様しか思い当りません。そんな凄い龍族がレイカちゃんの父親」


「確かに、かなりの大物だ」


何かフェンおじちゃまが高評されている。可笑しい…サンおじちゃまにデレデレな顔を向ける情けない顔しか知らないレイカには同一人物に思えない


フェンおじちゃまって凄い人だったんだと見直してしまう。


「フェンロン様と言えば女性関係が華やかな方だと伺いましたが昨今婚姻を結ばれそた相手の方に一筋だとお聞きしてまいたが」


「フン! どこの神族も多情で浮気者だ、奥方に内緒で愛人を囲ってたんだろ」


母様は愛人じゃないと叫びたかったが、話を突っ込まれて聞かれると嘘がばれそうなので我慢する。


「レイカちゃんの前でそんな事言わないで下さい」


「レイカの父親がフェンロン大将軍ならその娘が不思議な力があったとしても可笑しく無いかもしれん」


「レイカって変なの?」


意地悪そうにニヤリと笑い面白そうに話し始める。


「お前が普通だと思ってるのか、その容姿からして珍しいだろう。黒い髪なぞ俺は初めて見るし金の瞳は神族でもわずかしかいない。それに加え神力を食う力など聞いた事が無い、お前は人間なんかじゃ無いと保証してやろう」


レイカが神力を食べる!!??


サンおじちゃまもファン様達も誰もそんな力があるなんて言ってなかった。


「皆はレイカの事人間て言っていたもん」


「皆とは誰だ」


「母様とファン様達とサンおじちゃま」


「その中に龍族はいるのか」


「ファン様達とサンおじちゃまは龍族だけど」


「龍族としての正式な名前はなんだ」


「へっ?? そう言えば知らない」


龍族ならロンが付くから単純にファンロン、サンおじちゃまはサンジュンロンだったような気がするけど自信が無い


「本当に龍族か」


疑わしそうに聞くフォンフー様


「ファン様は金の髪のとっても綺麗な人でここよりズーット立派なお屋敷住んでるんだから、それに三人の侍女さんも龍族で金の髪の綺麗な人ばかりなんだから!」


「金の髪の龍族が四人もいるだと、インフーは聞いた事があるか」


「いいえ私も初めて知りました…… 本当ですかレイカちゃん」


インフー様まで疑わしそうに聞いてくる。金の髪がどうしたと言うんだろう?レイカにとっては見馴れた色、黒髪だって母様もそうだし、フォンフー様の白い髪の方が余程珍しいく感じてしまう


「嘘じゃないもん ねえっハク!」


「ウッキ!」


「お前は金の色の意味を知っているのか」


「意味なんてあるの? 確かに金色は綺麗だけど」


「金の色は天帝の色だ。 金の髪と瞳を持つ者は天帝の血を受け継ぎ大きな力を持っているとされている」


天帝様!!知らなかった。


「レイカって凄いの!」


「そうだ、金の瞳を持っている上にその力だ普通で無いのは確かだ」


「本当に本当、レイカは神力を食べちゃうの!」


「そうだ」


思わずこれは凄い事だとレイカ自身驚いたが……もしレイカが願うだけで神力を奪う事が出来たらどうなるんだろ


この力があればあの男から母様を救い出せる!?


「どうすればレイカはその力を使えるの!」


「何を考えている」


「神族の神力を食べつくす事って出来るかかな? フォンフー様」


すると二人は唖然とした顔になるが突然笑いだすフォンフー様


「あっははははは~あっはははははは~ お前はなんて事を言い出すんだ、神力を食べつくすだと クックックックック…… 」


「むう…… フォンフー様がレイカに力があるって言ったのに」


インフー様は顔を青ざめさせ嗜めるように言う


「レイカちゃんそんな恐ろしい事を考えてはいけませんよ」


神力を食べるのは怖い事なのかな?


人を食べちゃう訳じゃないのに……


少し試してみようとインフー様に抱っこされているので目の前の首筋に唇を押し付けて吸ってみる。


ちゅ~うっう~う


「!」


「ひぃぃぃーーー レッレ… //////  」


目の前のインフー様の浅黒い肌がハッキリ赤くなるのが目に映ったと思った瞬間レイカを抱っこしたままインフー様の体が仰向けに倒れる。


キュ――――バッタン!!


「キャアァーー!」


「キッキー!」


インフー様の体の上だったので衝撃だけで痛みは無かったが、レイカの体の下にいるインフー様は顔を真っ赤にさせたまま気を失っている!


「インフー様大丈夫!! どうしよう、レイカが神力吸っちゃったから!!??」


ペシッ!


頭に軽い痛みを感じ見上げるとフォンフー様が呆れた顔をして仁王立ちしている。


「なんて突拍子もないガキだ!」


「フォンフー様、どうしようインフー様が死んじゃう!」


「バカが気絶しているだけだ。それにお前は神力を吸い取ってなんかいないぞ」


「へっ???? じゃあ何で気絶してるんですか」


「………… ある意味昇天したのかもしれんな…」


????


憐れむような眼差しを気を失ったインフー様に向け、意味の分からない事言う


インフー様の体の上に何時までも乗っかっている訳にもいかないので、体をどかすけど気絶したままで、力を吸った訳じゃないのなら何故倒れたんだろう????


考え込んでいるとフォンフー様が少し怒った口調で話す


「おい、二度とこんな事するな」


「ゴメンなさい… でもレイカは力が欲しかったの…」


「その事では無くインフーにあんな真似を二度とするなと言ってるんだ。……何時か襲われるぞ」


「襲われるって、叩かれるの!」


「… まっそんな所だ。  それよりお前は力が欲しいのか? 」


「はい、レイカは母様を助ける為にも力が欲しい…」


「ふ~ん なら俺が協力してやろう」


「本当!」


「だがインフーには内緒だ分かったな」


「はい!」


フォンフー様は親切心からでなく何か悪意を感じる気がしたが、力を得る事が出来るならどうでもいい


そして…


漸く意識を取り戻したインフー様だったが、レイカを見るとうろたえて挙動不審になった為その日の勉強は取りやめになってしまったのだった。









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