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龍王の娘  作者: 瑞佳
第二章 白虎国編
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働こう





「これは誰だ?」


思わず目の前にいる黒髪の美少女が一瞬誰か分からなかった。


黒髪を見ればあの不細工しか思い浮かばないがどうしてアレが此の顔になる


詐欺か?詐欺なのか!!


「レイカちゃんですよ」


インフーはさも当たり前のように答えるが、何だその手は……


インフーの手を見ればレイカと手を繋いでいる。


何時から子供好きになったんだ、俺とも手なんか繋がないだことないだろう


見れば顔もかなりやにさがって、垂れ目がちな目尻をより一層下がらせている。


「お前も誰だ」


「仰る意味が分かりませんが?」


午後にレイカを俺の部屋に連れてくるようインフーに命じておいて、今の状況にいたる。

あの不細工がこんな美少女に変わると誰が思うだろう…黒い髪は両脇を頭の上で丸められ後は流され毛先が巻き上り可愛く結われ、顔は腫れてパンパンだった瞼と頬はスッキリして白い肌になり、大きな金の瞳は活き活きと煌めいている。頭とおでこにまだ擦り傷が残っているが、それを差し引いても美少女だ


「確かに龍族の血を引いてるな」


「レイカが可愛いてって嘘じゃないでしょう」


「ウキッ!」


さも自慢げにいうガキとそれに同意するように鳴く頭上のハク、顔は変わったが生意気なままだ


「ガキはガキだ」


「むぅ……」


「フォンフー様、小さな女の子に大人げないですよ」


「俺はれっきとした子供だ!」


なんだこの流れは?話が進まない


もう無視だ


「それよりお前のこれからだ、インフーに聞いたが行く宛てが無いんだろ」


レイカは神妙に頷く


「そこで行く宛てのないお前を俺の侍女にしてやろう」


「フォンフー様、五歳の子供に侍女など何を考えているのですか」


「レイカやります」


「えっ! レイカちゃんは小さいから働くなんて無理だよ」


インフーが可笑しい


変な物でも食べたのか?


まるでガキの過保護な親のようだ


この地域では、それ位の年齢から親の簡単な農作業や家業を手伝う子供など幾らでもいる


「本人がやりたいと言うんだからインフーは口を出すな」


「ですがー」


「インフーさん、レイカは母様のお手伝いしてたから大丈夫だよ」


「インフー様だ、俺の事はフォンフー様と呼べ。俺達は虎族でお前は使用人の立場を忘れるな」


レイカは少し嫌な顔をするが素直に返事をする。


「はい分かりましたフォンフー様」


生意気だがバカでは無いようだ


「フォンフー様、仮にもレイカちゃんは龍族の血を引いてるんですよ! 使用人にするなど神族の血を蔑ろにするんですか!」


なんだこの面倒くさい奴は…ウザさが増しているのは気のせいか


「虎族の血を引いた人間など其の辺にゴロゴロいるぞ、だが全ての人間が優遇されてるか、農夫から娼婦や商人まで幅広くいるぞ」


「そっそうですが…」


「インフー様、レイカは人間です。龍族の血なんかいらない、置いて貰えるなら使用人で十分です」


「レイカちゃん!」


いい根性いている。とても五歳のガキには思えない


レイカは不思議に満ちている


其の容姿も


神力が効かない力


俺達虎族を恐れもしない、普通の人間なら俺達の神気に充てられ萎縮するのだが


それどころかインフーを魅了している。


これが人間の子供と言えるか


レイカの中に何か大きな力が潜んでいる


漠然とした感だが


絶対何かある。


面白いからこれから色々つっついてみる為にも側に置く。


アレがただの人間なわけがない


「しかし俺の侍女にするにしてもまだ早い、侍女頭に色々仕込んで貰ってからだ。インフーはレイカを下働きの部屋に移してから侍女頭の所に連れて行け」


「あのような所にレイカちゃんを!!」


何故かインフーの方が悲惨な顔をしているのに対しレイカの方は別に何とも思っていないようだ。どっちが大人か分かったものではない


これ以上続けてもインフーのウザい言葉の攻撃にあいそうなので打ちきるのに限る。


「話は終わりだ。部屋から出てけ」


レイカの方はお辞儀をしてあっさりと出て行く


「ありがとうございます。ファンフー様」


インフーの方が何か言いたそうだったがレイカが先に出て行ってしまうので仕方なく後を追って行く。


「フォンフー様、後ほどお話しに伺いに上りますから」


そう言い残し慌てて出て行く姿が滑稽だ


誰が待っているものか


五月蠅いのが戻ってこない内にどこかに遊びに行く事にする。


「気楽な第八皇子様は逃走しますか」


二階の窓から口笛を吹きロウを呼ぶ


「ピー――ッ ローウ!」


窓の外にどこからともなく駆け付けて来る。


巨大な大きな狼のロウは妖獣の森で親から逸れて、迷子の所を拾ってやり育てたのだが気にいったので血を分け与え隷獣にしてやった。


隷獣とは神族が自分の血を相手に飲ませる事によって相手を血で縛り従えさせ使役する事が出来るのだが、神族の血を飲んだ影響で獣も力を得る。ロウの場合は体が通常の三倍あり足の速さや力も通常の狼の数倍近いはずだ、そして寿命も長くなり百年近くはいきるだろう。


この隷獣を人間にも施せるが天帝により禁止されている。此の禁を破ればどうなるか知らないが試す気もない


窓の下にロウが来たのを確認して二階の窓から飛び降りロウの背に着地し、その見事な茶色い毛に顔を埋めその感触を楽しむ。お日様の温かい匂いがする…どこか一人になれるところで昼寝を決め込むことにした。


「ロウ、扇山の山頂に行くぞ!」


「ワォン!」


颯爽と走りだすロウの背に掴まり風を切るように塀を飛び越えて扇山に向う


俺もレイカのように虎族の血なんていらなかった。


人間のようにこの地に這いつくばりながら短い生を終えられるものならそうしたかった。

だからレイカ覚悟しろ


お前をただの人間では終わらせない。









朝インフーさんと美味しい朝食を食べてから、チェンさんにお風呂に入れて貰ってから新しい服を着せて貰った。服は赤色のスッポリ被る膝上丈のチュニックと足下が膨らんだズボンで動きやすて気にいった。頭はチェンさんが結ってくれ横の髪を頭の上でお団子のように丸め、それに赤いリボンを着けてくれた。


「まー、どこかのお姫様見たいよ」


チェンさんはしきりに誉めてくれるしインフーさんに至ってはレイカが恥ずかしくなるくらい綺麗だ、可愛いとしきりに誉めてくれるので、反対に少し引いてしまう


お昼御飯は客室でハクと食べ、チェンさんが食事の世話をしてくれお客様扱いで好待遇


レイカって運が良いのかもしれない、あの広い森であの子に助けられしかもこの好待遇


最悪の場合は肉食獣か妖獣にその日のうちに食べられ死んでいた可能性の方が大きい


最初は死んでしまいたかったが今では生きていて良かったと思う。何故なら母様が生きているはずだから、レイカが死んではきっと酷く悲しむしだろう…それに生きていればきっと再び会う機会があるから


助けて貰ったのだからお礼を言わないと母様に怒られる。


そしてお礼を言わないといけないのでインフーさんにあの子の聞くと驚いてしまう


「えっ!! 白虎国の皇子様だったの!」


「はい、訳があってこのような田舎に居りますが列記としたこの国の第八皇子フォンフー様です」


どうしようレイカはあの子にかなり失礼な態度を取ったような気がする!?


最悪このお屋敷を追い出されてしまう?


「どうしよう…レイカ追い出されないかな?」


心配げに聞くと安心させるようにニッコリ笑い


「フォンフー様は口は悪いですが心の広い方ですからそんな意地悪はしないので大丈夫ですよ。もし追い出されるような事になっても私がレイカちゃんのお世話をさせて貰いますから御心配なく」


「ありがとうインフーさん!」


感激のあまりインフーさんの太もも辺りに抱き付くと何故か慌てて身を引き、レイカの肩を持って引き離す。


「いっいけませんレイカちゃん、女の子がみだりに男に抱き付くものでは /// 」


顔を赤らめてうろたえる????


「ゴメンなさい…」


向こうでは大人に誰となく抱き付いて抱っこして貰っていたが、この国でははしたない事なのかもしれない…


「これからは特に他の男性に抱き付いてはいけませんよ」


「はい」


たしかに知り合って間もないのに馴れ馴れしくしたら嫌かもと思いあまり深く考えなかった。









そして午後にあの子の部屋に呼ばれお礼を言おうと思ったのだが


「これは誰だ?」


部屋に入った途端に誰だと問われてしまう。そう言えば、しきりとレイカの事を不細工だと言い母様を嘘つき呼ばわりしていたのを思い出す。


あの時自分がどんな顔をしていたか知らないけど女の子に対してあまりに酷い言いざまだった。


そしてついレイカの立場も忘れ口を滑らしてしまう


「レイカが可愛いてって嘘じゃないでしょう」


「ウキッ!」


ハクもどうだと言う感じで同意する。


「ガキはガキだ」


「むぅ……」


言い返したかったが我慢する。仮にも命の恩人で面倒を見て貰っている立場


代わりにインフーさんが窘めてくれ、やっぱり優しい良い人だ、銀色の髪の人は性格の良い人が多いに違いないと確信する。


「フォンフー様、小さな女の子に大人げないですよ」


「俺はれっきとした子供だ!」


言い返すフォンフーの姿は確かに少年で、青龍国では見られない短い髪をツンツン跳ね上がらせた白い髪で大きな吊り上がった赤茶色の目だが良く見ると金色の光彩が混じっている不思議な目の色をしている。肌の色はインフーさん同様少し茶色がかった色をしたきつい感じの美少年だ


だけと虎族なのだから、見かけはテジャより小さく感じるので十歳前後に見えるが、既に三十年以上生きてるはず


神族の年齢は分かりずらいからよく分からないけど


本当にテジャに色々教えて貰っておいて良かった!


大人になったら青龍国に戻り、迷惑そうな顔が想像できるが絶対官吏になっているテジャに会いに行きお礼を言おうと心に決める。


そしてフォンフー様にはお礼を言う機会を逃してしまい言えずじまいに終わってしまう


何故か素直にお礼を言えない雰囲気を持つ少年だ


そしてレイカはこのお屋敷の使用人として働ける事になったがインフーさん…ではなくインフー様が何故か腹を立てている。


「酷過ぎるファンフー様は! こんな小さいレイカちゃんを働かせるなんて信じられません」


「レイカはそれで良いよ。その方がこのお屋敷に居やすいもの」


普通はレイカのような身寄りも知れない他国の子供を面倒見てくれないだろが受け入れ仕事までくれ十分感謝している。貧民街の子供達を短い間だが見ていたせいか優しく親切な大人ばかりで無い事を知っているし、レイカの今の状況でも十分恵まれていると思う


「レイカちゃんがそう言うなら良いのですが」


レイカが使っていた客間に戻りチェンさんが何時の間にか用意してくれた数枚の服をまとめてから大きな布に包むとインフー様が持ってくれる。真珠の髪飾りは使用人部屋は四人一部屋なのでインフー様に預かって貰う事にした。


案内された部屋は一階の階段下にある日当たりの悪い場所だが綺麗に掃除されており、狭い部屋には、初めて見る二段の寝台が2台置かれている。


結界の家も狭い部屋に寝台を2台置いて母様と寝ていたので別段酷いとは思わないけどインフー様にとっては信じられないらしい


「こんな所で寝るなんて、せめてあの客間で寝られるようフォンフー様にお願いしてみます」


「えっ! レイカはここで良いですよ。使用人が客間を使うなんて変だし他の子達もここで寝てるのにレイカだけ特別扱いは嫌です」


そんな事したら絶対浮いてしまうのは、小さなレイカでも分かるのにインフー様はとんでもない事を言い出す。


もしかするとレイカを龍族のお姫様だとでも思っているのか困ってしまうが、自分の行きすぎに気付いたのか引いてくれる。


「辛かったら何時でも言って下さいね」


「はい」


取敢えず空いている寝台の上に荷物を置いてからチェンさんの所に連れてって貰いインフー様とそこで別れたのだった。









「フォンフー様がレイカちゃんを侍女にするって言ったの?!」


「はい、このお屋敷で働かせて貰える事になりましたので宜しくお願いします」


チェンさんに確認をとられ、返事をしてからこれからお世話になるので挨拶をする。


「フォンフー様は何を考えてるのかしら……レイカちゃんは本当に確りしているのね。お行儀も良いし言葉も出来ているから確かに侍女向きね……まだ小さいから出来る事を少しづつ教えるわ」


戸惑いながらも受け入れられたようだ……働くには早すぎるのだろうか


「レイカぐらいの子は働かないの?」


「そうね、まだ体が小さいし家の手伝いや子守りぐらいね。 でもレイカちゃんは五歳にしては大人びてるから大丈夫よ」


大人びていると言われ正直分からない。物心つく頃から周りは大人ばかりで考えると凄い人間ばかりが揃った中で暮らし、学問所で漸く子供と付き合うようになったが、皆生きるのに懸命で食いっぱぐれないよう強かに逞しく生きていたので、自分の年齢の基準が分からない


「レイカは何をすればいいんですか?」


侍女と言えばファン様の綺麗な侍女さん達が思い浮かぶ、美しい金の髪を何時も綺麗に結い上げ薄く化粧を施しただけだが天女のように美しく蝶が舞うようにファン様のお世話をしていた。しかしあの人達が普通の侍女だとは幼いレイカにも思えない


少し離れて思えばファン様のお屋敷は別世界で不思議な場所だった。


「先ずその服を着替えた方が良いんだけど…そうだわ私の家に娘の古着があった筈だから、一緒に取りに行きましょ」


「えっ?」


そのまま連れて行かれたのはお屋敷の敷地内にある平屋建ての一軒家だった。


「さあ入って頂戴、今は旦那と二人暮らしで子供はいないから」


チェンさんの家はどことなく結界の家のように温かみのある優しい場所だった。机に四つの椅子が並び以前は四人家族だたのだろうか


「少し椅子に座って待っていて」


ハクと大人しく椅子に座り待っていると母様とよく今で静かに過ごした事を思い出す。母様が組紐の駒をカタコト動かす音が好きだった……数日前の事が今は遠い過去のようで悲しくなる。


ハクが慰めるように頭から肩に移りぺロぺロ頬を舐めてくれる。


「くすぐったいハク」


「ウッキ」


あの男を父親とは認めたくないがレイカは親に捨てられたけど、思えばハクも親に捨てられたのだ。


「お前も親を恨んでる?」


「キッキ」


まるで恨んでいないと言っているようだ。


「レイカは許せない。何時か絶対母様を取り返すの」


しかし相手は龍王様かもしれない


相手が巨大過ぎてどうしていいのか途方に暮れるしかないが今はここで大人しく時を待つ事にする。


「レイカちゃんお待たせ、お古で悪いけどこれに着替えて」


チェンさんが手に数枚服を持ってやって来た。


確かに着古していたが大事に扱われていたのが分かる。


綺麗な赤い服を脱ぎ地味な色合いの服に着替え、頭も二つの三つ編みにして貰う。


「他の子達と同じような恰好にしないといけないからゴメンなさいね」


「大丈夫レイカ継接ぎだらけの服も着た事あるから」


そう言うと何故か涙ぐみ抱きしめて来る。


「レイカちゃんは色々苦労してるのね」


何か勘違いさせてしまったようだが敢て否定しないでおく








それから屋敷を回り使用人の人を紹介して貰う


最初はチェンさんの御主人で家令を務める寡黙な感じで渋いおじさんだった。朗らかなチェンさんとお似合いの気がする。


「レイカと言います。トムチーさん宜しくお願いします」


「小さいのに偉いね」


優しく頭を撫でて貰う。



次は厨房に案内されると丸まると太った髪の毛の無いおじさんがいた


しかも大きい


人間てこんなに太れるんだと初めてしる。そして髪が無い上に眉毛もなくちょっと怖いけど話すと優しそうな人だった。


「ちっちゃいのに働くなんて…おじちゃんが美味しい料理を一杯作るから沢山食べて大きくなるんだよ」


「ありがとうございます。トンガンさん」


そして助手の二人のお兄さんも髪の毛と眉毛が無く少し太っている……


何故??


厨房を後にしてチェンさんに聞いてみると虎族の厨房で働く人は毎日毛を剃らないといけないらしい、誤って料理に毛が入らないために決められているそうだ…もしかして女の人でも剃っちゃうんだろうかと謎だ


そしてフォンフー様とインフー様の侍女をしているミンシャーさんとテンさんで二十前後の可愛い感じの人達で二人とも既婚者でテンさんに至っては大きなお腹をしていて赤ちゃんが入っていると聞き驚く


「赤ちゃんがいるの!? 痛くないんですか?」


テンさんのお腹は大きな石を入れているみたいに膨れ上がり苦しそうに見える


「ちょっと重いけど痛くないわよ。あと一月で産まれるから今から楽しみなの」


幸せそうにお腹を撫でて微笑む。


レイカちゃんも触ってみてと言われ、恐る恐るお腹を触るとテンさんのお腹の中で何かが動いている!!!


「何か入ってる!!」


思わず言うと皆に笑われてしまう…だって初めてだもん


レイカもあんな風に母様のお腹に入っていたのかな?


ミンシャーさんも早く欲しいと羨ましそうだった。


そして次に紹介された女の子達がレイカの同室者になる子達で、十七歳のメイリン、十六歳のヤヤとカヤの双子の女の子だった。同じ顔が二つ!!あまりにも不思議で繁々と見ていまう


「「 見世物じゃないんだからジロジロ見ないでよ!! 」」


「ゴメンなさい、レイカと言います宜しくお願いします」


慌てて挨拶をする。


「レイカちゃんは小さいんだから優しくしてあげよ」


二人より一つ年上のメイリンさんがとりなしてくれた。


これから一緒に仕事をするお姉さん達なので仲良くやって行きたい


「「 私達の足引っ張らないでよ 」」


双子のお姉さんは難しいかも


少し不安になったがメイリンさんは優しそうだ


他にも庭師のおじさんや馬番の人など色々居るらしいが徐々に教えて貰う事にした。


仕事は明日からにして貰い今日は部屋で大人しくする。


部屋に戻るとハクが寝台で寝ている。


レイカも少し疲れてハクの横で寝転がる。


お仕事をする時はハクと一緒は駄目だと言われたので少し寂しいがしょうが無い


早く仕事を覚えてお給金を貰えるようになって王都に返るお金を貯めよう


今直ぐは無理だろうから十年経ってばほとぼりも冷め


あの男もレイカを忘れているだろう


大人になればレイカも随分変わる


サンおじちゃまが貧民街の学問所に行っている限り何とか母様に会えるはず


其の日を夢見てレイカは何時の間にか眠りについたのだった。









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