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苦味なんて忘れさせて

作者: 菜の花
掲載日:2026/02/24


口に含んだコーヒーは

昨日の昼みたいに苦かった

君の顔を

真っ黒の液体に浮かべる


(かわいかったなあ。)

(きれいだったなあ。)

(やさしかったなあ。)


誰にでも言えるような

薄っぺらい気持ちに吐き気がした

三度使ったインスタントコーヒーよりも

ずっとずっとうすい味


だから断られたんだろ


砂糖もミルクも渡したつもりで

ちっとも届いていなかったじゃないか

君のマグカップの中に

強引にでも入れてやればよかった


いや、そうじゃない

最初から甘いココアとか

カフェラテでも出してやればよかったんだ

ブラックのコーヒーなんて

僕には早かった

僕にはまだうまく淹れられなかった


マグカップを揺らす

黒が少し溢れた

白いシャツを汚した


今すぐ洗えば取れるだろう

綺麗さっぱり消えるだろう

けれど

君の姿が見えなくなる気がして

僕には洗えそうにない


ごくりと

喉をコーヒーが通った

やっぱり、苦いままだった

この苦味は忘れたくても

忘れられそうにないな

ご覧いただきありがとうございました。


忘れられそうにない苦味。


誰かに届きますように。

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― 新着の感想 ―
 散々悪態を吐いておきながらも、それでもやっぱり飲むんですね。  結局はビター好き。(苦笑)
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