第5話:「魔王討伐はまだ早い。まずは“トイレの神様”を倒せ!」
~見た目と実力が比例しない、このパーティの掟~
「また新しい村か……」
ライル・クローバー、今日も成果ゼロの万年Eランク冒険者は、剣を背負いながらボヤいた。
「魔王? まだ見たこともないけど、勇者名乗る前に倒せってルールだしな」
セリナは財布の中身と睨めっこ。
「魔王情報欲しいけど、そんなもんどこにもないわよ。まずは金稼がないと」
ベルは自慢の鎧を直しながら、
「俺の武器もメンテ中。戦闘はいつでも来いだ!」
「いや、今まで一度も役立ってないじゃん!」
ミミルは冷静に、
「まあ、無理せず情報集めよ。戦闘はあとでね」
「そ、そうだよ!戦闘怖いし!」
◆◇◆◇
村に着くと看板に大きくこう書いてあった。
《トイレ神社 用を足すな罰当たるぞ!》
「は? トイレ神社? どんな神様だよ」
「用足したら罰って、そもそもトイレあるのか?」
すると突然、
「いらっしゃいませー!トイレ神様だぞー!」
巨大な和式トイレに跨った謎の妖怪が現れた。
「汚れた心と悪臭を浄化するトイレの神様だ!」
「いやシュールすぎるわ!」
◆◇◆◇
村人たちも口々に、
「神様のおかげで村は超清潔!」
「間違って使ったら村から追放されるぞ!」
セリナは分析。
「村の秩序はトイレ神様が守ってる…つまり最強ボスかもね」
ライルはノリで、
「よし!魔王まだ先!まずはトイレ神様倒してこの村の勇者になるぞ!」
「ちょっと待て!いきなり戦うとか無理だろ!」
「交渉しろよ!」
◆◇◆◇
ベルは武器メンテの手を止めず、
「俺は戦うぞ。鍛冶屋の腕見せてやる」
ミミルは魔法陣を展開、
「浄化だけじゃなくて、毒ガス攻撃も使うらしい」
戦闘開始!
「くっさ!この攻撃臭いだけじゃねえか!」
「ベル、毒ガス来てる!」
「臭いだけでダメージ微妙だな…」
ライルは剣を振り回すが、
「攻撃当たんねぇ!」
セリナは弓を放つ、
「硬すぎ!全然当たらない!」
ミミルはため息、
「大技ばっかで使いにくいんだよね…」
◆◇◆◇
トイレ神様が突然激怒。
「よくも我が神聖なる体を辱めたな!罰としてこの村を浄化せよ!」
村人たち青ざめる。
「神様の機嫌悪い…これはヤバい!」
ライル慌てて、
「だから戦うのはまだ早いって!話し合いだ!」
◆◇◆◇
交渉の結果、
「わかった、トイレ神様。汚れた心は俺たちが浄化する!」
「せめてトイレ使わせろ!」
神様、不敵に笑い、
「よかろう。条件クリアしたら“勇者の証”やろう」
こうして村を救う清掃&トラブル解決の試練が始まった。
◆◇◆◇
村の掃除、トラブル解決に奔走するライルたち。
「トイレ神様の試練って…結局清掃係かよ!」
「勇者の証もらえるなら安いもんだ!」
ミミルが不穏に笑う。
「さて、本当の試練はこれからかもね…」