表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
正義の学園  作者: 紫将
2/3

02話 正義の学園

 日本未来教育高等学校、通称正義の学園。

 ここでは、日本にいる優秀な人材のみが集まる。

 入学式の今日、周りを見てみると名だたる企業の御曹司やテレビなどで見たことある芸能人、未来を約束された人たち。

 そんな中に俺が混ざっている。

 

 会場では俺だけが場違いなオーラを放っていた。


 俺は席に座り、しばらく経つと入学式が始まった。

 多くの人が注目する中、理事長が登壇する。

 そしてこの理事長の話により、俺が…

 俺達がどれだけやばい学校に入学したかを思い知らされる。


「まずは入学おめでとう。この学校は名前通り日本の未来ある若者を教育する学校だ。話を聞いたこともあるだろうが、この学校の卒業生は皆、優秀な人間になる。そのため、他とは少し違う教育を行なっている。そうだな…ここは正義の学園と呼ばれているがではなぜそう呼ばれているかわかるか?」


 正義……

 つまりは正しい人間を育てる学校だからそう呼ばられているのだろう。


「正しい人間……そんなものはこの学校には必要ない。正義とは何か、正義とは権力…すなわち力のことだ!!!!!」


 権力…

 俺が最も嫌うものだ。

 結局はどこでも同じなのか…


「学校では、テストの点数、部活動の成績、そして交友関係。全てが採点される。そして、その点数を総じて権力ポイントと呼ぶ。そのポイントが多い人間からAクラス、Bクラス、Cクラスと分ける。それ以外にもこちらの基準値を満たさないものはZクラスに落とす。Zクラスは通称、奴隷クラスと呼ばれ他のクラスの生徒の言いなりになら無ければならない。」


 奴隷…それに言いなりだって!!!


「この言葉を聞けば物騒に思うだろう。だが、貴様たちの想像以上に、この学校はなんでもありなのだ。AからCクラスの生徒はZクラスの生徒に何をしても良い。恐喝、暴力、強姦、これらのことを学校は黙認する。また、権力ポイントが学校一になれば全生徒に月に一度絶対命令権を得る。」


 犯罪がまかり通る学校。

 そんな物があって良いものか!!

 周りの生徒達も驚きの声を上げて、中には今にも泣き叫びそうな生徒までいる。


「そして、この学校の絶対ルールを教える。権力ポイントが上のものには絶対に逆らわない。そして、AからCクラス間での犯罪行為は許されない。これがルールだ。これを守れなければ問答無用でZクラスに落とす。話しは以上だ。では検討を祈る。」


 こうして、俺の地獄の学校生活が始まった。

 最初は1から4クラスに分けられ1ヶ月後、権力ポイントによってA,B,C,Zクラスに分けられる。

 俺はキックボクシング部に入り、更にはとにかく勉強をした。

 権力は大嫌いだがこの学校では逆らえない。

 何とか俺は権力ポイントを多く獲得でき同学年、130人のうちの27位でAクラスに入った。


 が、地獄はここから始まる。

 クラスが決まってから2週間でZクラスの生徒32人のうち女子生徒6人が自殺、3人が自主退学。男子生徒2人が自殺、1人が自主退学をした。

 自殺の原因は言うに及ばない。

 Zクラスの女子生徒の中で慰め者になっていない人はないないだろう。

 クラスが決まって3日間はみんな大人しかった。

 しかし、先輩たちのZクラスを人間として扱っていない姿に次第に感覚を薄れていく。

 そして、はじめはAクラスの男子生徒数人が結託してZクラスにいる女優の卵の子を輪姦した。

 俺も誘われたが、断った。

 もちろん反発したかったがすればZクラスに落とされる。

 それが嫌で俺は何もできなかった。

 

 次の日、Aクラスの生徒数名が輪姦した動画が出回るが学校から何もお咎めはなし。

 これが地獄を加速させた。

 Zクラスの男子生徒は毎日顔を腫らし、女子生徒は毎日呼び出される。

 これが日常となった。

 

 誰しもがZクラスに落ちたくない。

 そんな気持ちにより、勉強、部活動を今まで以上に取り組む。

 また採点基準である交友関係、通称派閥点を狙い、お金で身体で優秀な派閥に入れてもらう。

 これも当たり前になった。


 次の月、俺は学年60位でBクラスになる。

 生徒たちがとにかく恩恵を受けたいからだ。

 そして、新たにZクラスに落とされるものが出てきた。

 Zクラスの生徒がなぜみんな自主退学をしないのか?

 はじめは何人かが自主退学をしたが、薄々気づき始めたのだ。

 正義の学園の内情が外に知られていなかったことに。

 つまりは口封じ、最悪、命を奪われているのではないか。

 その考えが広まり、自主退学をするものは居なくなった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ