表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
正義の学園  作者: 紫将
1/3

01話 力とは?

  力(暴力)なんか何も意味をなさない。

 そう悟ったのは中学校に上がった時だった。


 小学校では体格に恵まれ、向かうところ敵なしだった。

 大人たちは子どもには手を出さないし、自分こそが中心だと思っていた。

 だが、中学校での力関係は勉強の成績と部活の成績で成り立っていた。

 運動神経は悪く無かったが小学校からスポーツをやっていた人には敵わない。

 当然、勉強なんかやる気すら無かった…

 無かったのだが…

 その時好きだった子がとても勉強ができる子だった。

 特に英語はペラペラで勉強の世界では、向かうとこ敵なし。

 そう、小学校の時の俺のように。

 多分そんな姿に憧れて好きになったのだろう。

 そして、気を引くために俺は猛勉強した。

 とにかく勉強、勉強、勉強、勉強。


 そんなこんなで学校2位の成績を収めるほどの実力を付けた頃に好きな子はクラスのヤンキーと付き合っていた。


 なんとも惨めだ。


 俺はムカつきそのヤンキーに喧嘩を売ったのだ。

 元から体格は良かったし、その頃には身長も174cmとでかい方だった。

 小学校の時の気持ちでいた俺は勝てると高を括っていた…

 が、それが間違いだったのだ。

 俺は手も足も出ずただ殴られた。

 

 好きな子は俺に憐れみの目を向けていた。

 俺はまたも惨めな気持ちになった。


 惨めで惨めで惨めで惨めで惨めな俺……


 でもそこで止まるわけにはいかなかった。


 そう、俺が次にしたのは格闘技を習うことだ。

 ちょうど近くにあったキックボクシングのジムに通い始めた。

 センスが良かったのか、それともただ無我夢中で鍛えたのが良かったのか、俺はジムの中で一番強くなっていた。


 そして、ヤンキー野郎にリターンマッチを仕掛ける。

 当然、手も足も出ないのは相手の方だった。

 そいつの顔面が膨れ上がったころ、好きだったこの目元も腫れ上がっていた。

 もちろん、俺が殴ったわけではない。

 泣いていたのだ。


 周りからは問題児扱いされ、先生からも見放されのだ。

 だが、幸いなことに勉強は出来たから高校受験は県内一の高校を目指し、受かる実力もあった。


 受験シーズンに入ると勉強のストレスからかクラスの中はギスギスして一人の子がいじめの標的にされた。

 俺は謎の正義感からいじめを止めに入った。

 それでも、いじめは続く…

 ついに、いじめられていた子が手をあげられる出来事が起きた。

 それを見て見ぬふりはできず止めに入った。

 普通には止められず手を出して。

 相手は3人。

 だが、俺が勝った。

 勝ったが、少し学校で問題になった。


 いじめが起きていたからか?

 違う、俺が手をあげた相手が政治家の息子だったからだ。

 いじめは先生たちは承知の上で黙認していた。

 それなのに権力を前にした先生たちは口を荒げる。

 俺はいじめがあった事を訴えたのだが、

 開かれたクラス会であろうことか全員がいじめの主犯は俺だと主張した。

 そいつらは中学生にして、上手い生き方を覚えていたのだ。

 そして、いじめられていた子まで俺を犯人にした。


 今思えば、みんな自分の人生に必死だったのだろう。

 俺だけが、現実を物語のような綺麗事でととらえていのだ。

 自分は主人公だと、何もかも上手くいくと。


 更には、俺と同じ中学校に通う弟がいじめの標的になる。

 もちろん、俺のせいで。

 全てに絶望していた俺にとどめを刺したのがその出来事だった。

 とにかく無我夢中で怒り、気づけば警察にいた。

 幸いにも相手は命に別状は無かったが、高校には行けなくなった。


 そして、中学の11月頃から俺は引きこもりになる。

 とにかく惨めな俺だが家族は支えてくれていた。

 その出来事が俺を更に惨めにする。


 人生はプラスな出来事は物語のようにはいかない。

 でも、マイナスには物語以上のことが起こる。


 次に起きたのは弟の自殺だった。

 両親は気が滅入り、うつ病となり仕事も手につかなくなった。


 もう、だめだ。


 俺も死のう。


 そう思った時、一通の手紙が届いた。

 こんな俺のことを世界一自慢のお兄ちゃんだと書いてあった。

 そして、手紙の最後に書いてあったのはある場所に俺を頼むと電話したと書いてあった。


 その場所は正義の学園だ。


 日本未来教育高等学校、通称正義の学園。

 あらゆる分野で日本を背負って立つ、人間を育てる場所。

 どうやら弟は俺の受験票をそこに出したのだ。

 色々な問題が合って高校に行けないはずの俺でも通える全寮制の学校。

 そこは、成績が良ければ誰でも入れる。

 そして、入ってしまえば最後、どんな悪い心を持ったやつでも、正義の心を持って卒業する。

 いやそれ以上に日本のリーダーとしての心と力を持って卒業するのだ。

 実際に、日本の優秀な人材は正義の学園出身だ。


 一度、入学は考えたが俺の才能では入れないと思い、入学を諦めた。

 だが、天国にいる弟の期待を裏切らないため、俺は猛勉強をし見事受かることができた。


 正義の学園に入学を決めた俺は、今ここで逃げては高校でついていけないだろうと思い、中学校に登校した。

 登校すると入学を知ったクラスメイト、先生、そして好きだった子、全てが俺に優しくしてきた。


 お前ならやれると思っていた。

 ずっと期待していた。

 前から好きだったと。

 

 中学校を卒業する俺は思った。

 人間の前では力(権力)こそ全てだと。

 そして、そんな力(権力)には絶対に負けないと。正義の学園


  力(暴力)なんか何も意味をなさない。

 そう悟ったのは中学校に上がった時だった。


 小学校では体格に恵まれ、向かうところ敵なしだった。

 大人たちは子どもには手を出さないし、自分こそが中心だと思っていた。

 だが、中学校での力関係は勉強の成績と部活の成績で成り立っていた。

 運動神経は悪く無かったが小学校からスポーツをやっていた人には敵わない。

 当然、勉強なんかやる気すら無かった…

 無かったのだが…

 その時好きだった子がとても勉強ができる子だった。

 特に英語はペラペラで勉強の世界では、向かうとこ敵なし。

 そう、小学校の時の俺のように。

 多分そんな姿に憧れて好きになったのだろう。

 そして、気を引くために俺は猛勉強した。

 とにかく勉強、勉強、勉強、勉強。


 そんなこんなで学校2位の成績を収めるほどの実力を付けた頃に好きな子はクラスのヤンキーと付き合っていた。


 なんとも惨めだ。


 俺はムカつきそのヤンキーに喧嘩を売ったのだ。

 元から体格は良かったし、その頃には身長も174cmとでかい方だった。

 小学校の時の気持ちでいた俺は勝てると高を括っていた…

 が、それが間違いだったのだ。

 俺は手も足も出ずただ殴られた。

 

 好きな子は俺に憐れみの目を向けていた。

 俺はまたも惨めな気持ちになった。


 惨めで惨めで惨めで惨めで惨めな俺……


 でもそこで止まるわけにはいかなかった。


 そう、俺が次にしたのは格闘技を習うことだ。

 ちょうど近くにあったキックボクシングのジムに通い始めた。

 センスが良かったのか、それともただ無我夢中で鍛えたのが良かったのか、俺はジムの中で一番強くなっていた。


 そして、ヤンキー野郎にリターンマッチを仕掛ける。

 当然、手も足も出ないのは相手の方だった。

 そいつの顔面が膨れ上がったころ、好きだったこの目元も腫れ上がっていた。

 もちろん、俺が殴ったわけではない。

 泣いていたのだ。


 周りからは問題児扱いされ、先生からも見放されのだ。

 だが、幸いなことに勉強は出来たから高校受験は県内一の高校を目指し、受かる実力もあった。


 受験シーズンに入ると勉強のストレスからかクラスの中はギスギスして一人の子がいじめの標的にされた。

 俺は謎の正義感からいじめを止めに入った。

 それでも、いじめは続く…

 ついに、いじめられていた子が手をあげられる出来事が起きた。

 それを見て見ぬふりはできず止めに入った。

 普通には止められず手を出して。

 相手は3人。

 だが、俺が勝った。

 勝ったが、少し学校で問題になった。


 いじめが起きていたからか?

 違う、俺が手をあげた相手が政治家の息子だったからだ。

 いじめは先生たちは承知の上で黙認していた。

 それなのに権力を前にした先生たちは口を荒げる。

 俺はいじめがあった事を訴えたのだが、

 開かれたクラス会であろうことか全員がいじめの主犯は俺だと主張した。

 そいつらは中学生にして、上手い生き方を覚えていたのだ。

 そして、いじめられていた子まで俺を犯人にした。


 今思えば、みんな自分の人生に必死だったのだろう。

 俺だけが、現実を物語のような綺麗事でととらえていのだ。

 自分は主人公だと、何もかも上手くいくと。


 更には、俺と同じ中学校に通う弟がいじめの標的になる。

 もちろん、俺のせいで。

 全てに絶望していた俺にとどめを刺したのがその出来事だった。

 とにかく無我夢中で怒り、気づけば警察にいた。

 幸いにも相手は命に別状は無かったが、高校には行けなくなった。


 そして、中学の11月頃から俺は引きこもりになる。

 とにかく惨めな俺だが家族は支えてくれていた。

 その出来事が俺を更に惨めにする。


 人生はプラスな出来事は物語のようにはいかない。

 でも、マイナスには物語以上のことが起こる。


 次に起きたのは弟の自殺だった。

 両親は気が滅入り、うつ病となり仕事も手につかなくなった。


 もう、だめだ。


 俺も死のう。


 そう思った時、一通の手紙が届いた。

 こんな俺のことを世界一自慢のお兄ちゃんだと書いてあった。

 そして、手紙の最後に書いてあったのはある場所に俺を頼むと電話したと書いてあった。


 その場所は正義の学園だ。


 日本未来教育高等学校、通称正義の学園。

 あらゆる分野で日本を背負って立つ、人間を育てる場所。

 どうやら弟は俺の受験票をそこに出したのだ。

 色々な問題が合って高校に行けないはずの俺でも通える全寮制の学校。

 そこは、成績が良ければ誰でも入れる。

 そして、入ってしまえば最後、どんな悪い心を持ったやつでも、正義の心を持って卒業する。

 いやそれ以上に日本のリーダーとしての心と力を持って卒業するのだ。

 実際に、日本の優秀な人材は正義の学園出身だ。


 一度、入学は考えたが俺の才能では入れないと思い、入学を諦めた。

 だが、天国にいる弟の期待を裏切らないため、俺は猛勉強をし見事受かることができた。


 正義の学園に入学を決めた俺は、今ここで逃げては高校でついていけないだろうと思い、中学校に登校した。

 登校すると入学を知ったクラスメイト、先生、そして好きだった子、全てが俺に優しくしてきた。


 お前ならやれると思っていた。

 ずっと期待していた。

 前から好きだったと。

 

 中学校を卒業する俺は思った。

 人間の前では力(権力)こそ全てだと。

 そして、そんな力(権力)には絶対に負けないと。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ