勇者パーティを追放されそうになったので裏当たりスキル「コミュニケーション」を使ってみることにしました。
駄作セカンド!!!!!短いぞ!
追放される、するキャラに足りないのはコミュニケーション能力だ?読んでみろよ。飛ぶぞ。つまんなすぎて。
「ハル。お前はこのパーティから出ていってもらう」
「……ほぁ?」
「わからないのか?邪魔なんだよ。お前は」
何がなんだか、さっぱりだ。たしかに俺は、この勇者、ピナルのスキル、「剣の勇者」の下位互換のようなスキルで戦っている。その名も、「とりま剣使ってみる」。でも…
「俺だって、多少は役に…」
「ふっ…ふふっ…あははははははっ!やめてよ!そんなに真面目な顔でアホなこと言うの、まじウケるんですけど!」
バカにしながら大笑いするのは、仲間だと思っていた魔女。ピナルもそれを止めない。俺は悲しくなった。でも、ここで抜けるわけにはいかないので、一つ頼んでみることにした。
「っ…わかったよ。でも、一つだけ条件を飲んでくれないか?」
「…まぁ、一つだけなら」
「俺に、三日間くれ。その間に、このパーティにいる三人の心を変えられたら、ここにいさせてくれないか?」
「…そんなこと、できるわけないだろ」
「いいじゃなぁい!やってみせなさいよ!」
……よし。言質は取った。
俺には、もう一つスキルがある。裏スキル、「コミュニケーション」だ。俺は、今までこれを使ってこなかった。こういうのは、自分自身の力で作ったほうが絶対にいいから。でも、こうなったら手段は選ばない。俺は、何が何でも魔王を倒したいのだ。勇者に倒されるのを待っているだけでは嫌だし、ここから出ていって仲間を集めてうんたらかんたらしている時間もない。だから。
まずはピナルだ。
「【スキャン】」
『名前 ピナル・フェルターン
職業 勇者
所持スキル 剣の勇者
……………趣味 ロリ、魔法少女、女装』
ピナルの趣味はつかんだ。あとは…
「女装あるのみッッッ!」
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「ピナルちゃ〜〜ん!おっはよ〜!ぽわんぽわんのふわんふわーんできゅるるんぱっ!綿あめマシュマロカプチーノなシュガーちゃんのこと、忘れたら、めっ、だぞ!(裏声)」
やばい。言ってて鳥肌が…
俺は、ある装備を身に着けていた。
頭にも首にも胸にも腰にも足にも、その他色々なところにリボンとレースをいっぱいくっつけた激甘装備を。
『ピロリアン!ラキラキ魔法少女ピュアるん!』という劇の主役、シュガーのコスプレだ。
するとどうだ。
「しゅ、シュガーちゃん?!ってお前かハル!そのレース、どこで買った?!?!」
「ん?あぁ、これは…」
ここで俺の記憶は途切れる。ここからはスキルがやってくれるのだ。
数分後…
「ま、まぁ、シュガーたそのコスプレ作るの手伝ってくれたら、ここに置いてあげないこともないんだからね?!」
はーい、ツンデレですね。いい年のイケメンがやると微妙ですねこれは。早くシュガーちゃんにしてあげたいよ。
次は、さっき散々馬鹿にしてきた魔女、カルッタだ。
「【スキャン】」
『名前 カルッタ・ヒールーン
職業 魔女
所持スキル エターナルフォースブリザード
……………趣味 男の娘、ショタ、女友達と下ネタ祭り』
俺はカルッタがいつか何かをやらかさないか心配だよ…まあいいや。身長を縮める魔法だってあるんだ。
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「おねぇちゃん…(裏声セカンド)」
「!どぉしたのかなぁー?僕…ハルぅぇぁぅぅぅぅぅぇ?!?!?!え?え?は?」
「ハルだけど、どぉしたの?(裏声セカンド)」
「ハルのくせに、かわ…いや。うーん…」
この辺でスキルが代わってくれた。
結局俺はショタとのコミュニケーションの取り方を聞かれたらしい。
最後はよくいるハゲ、カボン。
「『スキャン』」
『名前 カボン・カンボラ
職業 斧使い
所持スキル 斧のヒーロー
……………趣味 ゆるキャラ、動物』
やっと、やっと普通のが来た…よくいるニキ、流石です…さて、これは全部オートでも…
「…………………」
あれっ?
スキル、使用制限でもあったのか…?
でもまぁ良いだろう。動物なら俺も全然語れる。今回くらい自分自身で乗り切ってやろう。
「カボン、ちょっといいか?」
「あ、ああ。お前さん、災難だったなぁ。追放とかなんとか言われたんだろ?もうこんなパーティ抜けたほうがお前のためだ」
…どーしよ。泣きそう。優しいよくいるハゲニキことカボンは、もう二人とは似ても似つかない良い奴なのだ。…普通に良い奴すぎて、もうちょい話したくなってきた。
「あ〜、まぁそれはちょっと解決したんでね。それより、ちょっと歩いたとこにふれあい動物園が…」
「なんだお前?いきなり。…行くなら俺を連れてゆけ!盾にでもなんでもなってやる!」
なるほど。彼はボケもできるらしい。面白いかと言われたらそうでもない気がするのでツッコミはしないが。
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「ホーンラビット…の、ホーン抜き…」
「うさぎだよ!!!!!」
「なんだこいつ。ユニコーンのツノ抜きか?ちっさいな…」
「それポニーね!!!」
と、万事こんな感じ。カボン、どうやら今まで野生の魔獣と戯れていたらしい。強いな。
動物園の帰り道、俺はカボンに裏スキルのことを話した。カボンは呆れて、「今日、なんかおかしいと思ったら…」と言ったので、カボンのときは使えなかったと答えた。
「お前コミュ障だの陰キャだの言ってなかった?」
ぐうの音も出ない。しかし、今回のことで俺は、本当の仲間と、今まで仲間だと思ってた仲間予備軍の意外な一面を知ることができた。やはり、このスキルを使うことは極力少なくしたほうが良いだろう。そう思った。
「かつて対立し戦っていた魔族と人間を、武力を用いずに和解させた、勇者パーティの一員。それがこの男、ハル・フォエルンである。しかも彼は、その交渉に、スキルを一度も使わなかったと言われている。勇者ピナルの英雄伝が語り継がれる今、それに協力したパーティメンバーを知るのも、大切なことだぞ」
ここは冒険者の学校。そして、ハルとかいう男について熱く語っている先生は、その勇者パーティの一員だったカボンを曾祖父に持つ、ディアズ・カンボラだ。私はため息をつく。ハルについて、何度聞いたことか。私は大魔女の不祥事の方が聞きたいのに…
つまんなかったですか?面白かったですか?
よければほぼ週一連載のやつと、もう二つの短編も読んでみてほしいです!