叶わぬ恋
それは叶わない恋だった
私が全てを捧げても叶わぬ恋だった
私は神に恋をした
出会いは一年前だった
私は学校に行きたくなかった
馴染めなかったし何よりいじめを受けていた
筆記用具は隠されるし靴はゴミ箱に捨てられている
それが嫌だった
だから親に話した
そしたらなんて言ったと思う?
「そんなの知らないわよ 自分で解決しなさい 高校生でしょ?」
最悪だ
神はいない
神は死んだ
神は私を裏切った
憎くて憎くて堪らない
私は一生神を憎むだろう
私はそれを聞いて家を飛び出た
もう帰りたくない
私に味方はいない
そう思っていた瞬間だった
「ねぇ君 大丈夫?!」
なに....?いまさら神が助けに来たとでも言うの?
[なによ....私に構わないで]
「でも!」
あいつは私に手を出した
助けに来てくれた
だけどその時は誰も信じれなかった
いや
信じたくなかったの方が合っているかな
友達にも親にも裏切られ
すべてが終わった昔の私には拒絶したほうが良かった
[来ないで!]
「どうしたの....?話聞くから 落ち着いて?」
あいつは冷静に聞いてきた
そして私の背中を押してきた
だが私は反射的に拒絶してしまった
あろうことか背中をさすってくれそうだった手を掴んだ
[だから私に構わないで!お願いだから!一人にさせて....]
「....」
あいつは無言で近づいてきた
思えばこの時もあいつは思うことは色々あっただろう
でもあいつは一歩近寄ってきた
だから
私はあいつの手を取った
私も一歩進む事を選んだ
「ねぇ君 名前は?」
[大山友理だよ...あなたは?]
「あー...私は 十六夜 奈美だよ」
思えばここで聞いておくべきだったのだ
だったら後悔しなかったのに...
奈美[友理ちゃん.....可愛い名前だね よろしくね]
友理[うん!よろしく!]
奈美は色々連れ出してくれた
京都、北海道、富山、岡山、群馬、大宮、仙台、新潟、神戸、明石、長崎、福島とか色々
前島根に行きたいと言ったら断られた
なぜだろう?
と当時は思っていたが今は合点がいく
ああ 後たまに海外連れ出してくれたよ?フランス、ナイロビ、リオデジャネイロ、サンフランシスコ、ワシントン、上海、成都、モククワ、ストックホルム、ベルリン、リスボン、ソウル、イルクーツク、ウランバートル、ラホール、エルサレムとか色々
今思い出したら結構大陸ごとに均等に言ってたよなぁ
アフリカはカイロ、ナイロビ、ケープタウン、チュニスとかくらい
ラバト行きたかったなぁ
でも行きたくないなぁ
あれはベルリンの時だったかな
奈美「ねぇ友理ちゃん」
友理「ん?どうしたの?」
奈美「幸せ?」
友理「そりゃ幸せだよ!私には奈美ちゃんがいるから幸せ!」
奈美「そっか....私も友理ちゃんがいるから幸せ!」
友理「なっ/////」
奈美「あれー?照れてるのー?」
友理「て!照れてないし!」
奈美「それにしてもさ」
友理「どうしたの」
奈美「友理ちゃんって変わったよね 会ったときはなんか 邪悪な感じ出てたよ」
友理「そ....そう?」
奈美「そうなの!だから墜ちないために私が助けたわけだけど」
友理「んー?墜ちるって?」
奈美「あー!なんでもないよ!」
友理「そ....そう?」
ここは昔の私でも引っ掛かった部分はあった
墜ちる?
ここベルリンだよ?しかもど真ん中のアレクサンダー広場だよ?
しかもここ普通に地面だし
じゃあ何?
もしかして墜ちる?
どういうこと?
邪な方に墜ちるの?
でもなんで奈美が?
まぁ
そんな事どうでもいいや....
まぁこんな感じで
気付くべきだった
昔の私はバカか....
まぁベルリンは普通に楽しんだけど
その時不思議に思った
こいついつでもどこでも現地の金持ってるなと
ユーロもいつも持ってるし前ナイロビいったときもケニアのお金持ってたし
おかしいんだよ
金がどこから出ているんだ?
んー
聞くか
時は過ぎ
あの時は確か...広島にいるときだった
まぁいつも通り新幹線乗って楽しんでたわけだけど
帰りで聞いてしまった
友理「ねぇ奈美ちゃん」
奈美「どうしたの?」
友理「なんで....」
言う前で聞きたくなくなってきた
なにかが離れていきそうな気がした
だが
でも
だけど
私は聞かないといけない
じゃないと私は何か間違いを犯してしまいそうだから
友理「なんで奈美ちゃんいつもその国のお金持ってるの?はっきり言って不思議だよ?」
奈美「ほんっと変なとこで勘がいいね友理は....]
友里「ん?なにかいった?」
奈美「いや....なんでもない でなんだっけ お金を持ってる理由?あれは私の親が金持ちだからいつも日本円をその国のお金に変えてるだけ」
友里「そ...そう?」
おかしいと思った
だってそうだとしても使っているお金的にもうとっくに尽きていてもおかしくないのだ
そんな金がどこに....
だってそんだけヤバいならどこかで一度でも名前を聞いたことがあるはずだ
十六夜....聞いたことがない
友里「お....おかしいよ!だって私達海外行くときいつも飛行機に乗ってるけど飛行機の金だって高いよね?!しかもその後のホテルのお金と観光のお金があるからおかしいんだよ!」
奈美「だから!あんたに関係ないの!やめて!」
そこから無言だった
どっちも思うことはあっただろう
だけど私達には一度考える時間が必要だった
そこから家に帰って何時間立っただろう
何か悪い事言っちゃったかな?
深く言い過ぎた?
やだ 奈美ちゃんと離れたくない
距離を取りたくない
奈美ちゃんを誰にも取らせたくない
やだ
やだ
やだ
やだ
やだ
甘い飴にずっと甘やかされた私はそれへの独占欲が異常なものに仕上がっていた
でも
私達には一度距離を離さないといけない
そしてちゃんとしたときちゃんと話し合わないといけない
....
なんだこれは?
はなしたくない
話し合ったとき
私達には亀裂が起きる気がする
違うか
私達には亀裂はとっくにあり私はそれを渡って不安定な関係をずっとずっとずっと続けていた
だけど距離を離され 私たちの亀裂は大きくなっていった
だけど
あいつを他の人に渡したくない
もう一度亀裂をちゃんとくっつけたい
でも
その時が来たら何かが崩れそうな気がする
亀裂どころかそれは全て崩れて私たちは真っ黒な空間に行く
厳密に言うと私だけ....?
けど
あー
もう
なんでこんなぎくしゃくしてるんだ私の脳内は
最悪だ
答えは決まっているじゃないか
もう一度話し合って
なにがなんだろうとあいつと話し合わないと
もっと大事な何かが壊れる気がする
だから
だから
だから
だから
崩れようとくっつけようと私は永遠にあいつと友達でいたい
そして....
なんだ?
答えは決まっているはずなのに
友達なのに
なんで顔が赤く....?
まて
嘘だ
私はもしかして
あいつに恋心を抱いている....?
でもあいつが応えてくれるはずない
言いたくない
けど
言わないと
....
....
....
決めた
明日 話し合ってちゃんと私の恋心を打ち明ける
壊れようとなんだろうと私はすべてを受け入れる
===
===
===
あいつは来た
全てを話さないと
奈美「....昨日はごめん 怒鳴って」
友里「いいんだよ けど....少し昨日考えた」
奈美「?どうしたの?」
友里「私は....私は!!」
なにを戸惑っている?
いまさら退く?
そんなことあるものか
それは私が許さない
友里「私は!あなたが好き!十六夜奈美が好きなの!!」
私は気づいたら泣き出した
奈美は戸惑っていた
奈美「告白は嬉しい...でも」
やだ
聞きたくない
ほんとにやだ
答えはわかっていたはずなのに?
どうして?
「わかっていたんでしょう?もうあいつと決別しろ じゃないとお前のためにはなr]
私「黙れ!!!!」
「おー怖いね でも 実際お前はダメだ 絶対あいつは応えない 実際お前も昨日までそういってたじゃないか!」
私と同じ姿をした私?は話しかけてくる
怖い
やめてくれ
私「違う!私は!私は!!!!」
「だってー お前言ってたじゃん 亀裂が出来ていたって ガラスの亀裂は戻らない 分かるか?」
「まぁいいけどさぁ 病まないでね?私!」
そうしてあいつは消えた
奈美が話し出す
奈美「嬉しいんだよ?!でも....私は 違うんだ」
え?
違う?
なにが?
不思議に思っていた時 奈美は話しだした
奈美「私は....人間じゃない」
は?
何を言っているんだ?
人間じゃない?
友里「そ そんなわけ....」
奈美「私は....神なんだ」
ん-ー....
ん?
あー
そっかぁ
え?
奈美「だから.....気持ちは嬉しいけど 友里とは付き合えない」
分かっていたけど心ではもしかしたらと思っていた
もしかしたら私と付き合ってくれるかもしれない
だけど
私が彼女に向けていた愛情はloveだったけどあいつはlikeだった
そうだった
私だって友達で居たかった
でも
恋心は私を裏切って友達どころではなくなってしまった
友里「そっかぁ.....ごめん...ね」
奈美「泣かないで友里....ほら ティッシュ」
こいつの優しい心が私には棘のように重く刺さった
友里「やめ....て....もう....やめて」
始めて会った時のような感じだった
私の感情はもう壊れそうだった
壊れて
壊れて
壊れて
感情が暴走しそうだった
けどそれは奈美に向けるのは違う
だから
どうか
お願い
友里「ねぇ....奈美ちゃん 最後の お願いがあるの」
奈美「え?!最後...ってなに?!どうしたの?」
友里「寝たら...どうか....私の事を忘れてくれますか?」
もう嫌だった
忘れて欲しい
忘れて奈美には生きて欲しい
そして
友里「あと....どうか....私の生きた証を消して」
もう私はこの世に居たくない
私の恋心を壊された私はもう嫌になっていた
予測していた未来なのに
何故か
忘れてほしかった
奈美「だめ...だよ友里ちゃん やめて!!!」
友里「だから....!優しくしないで....!」
はじめて会ったときの様に私は拒絶してしまった
あの時は助けてくれた
だけど
奈美「ごめ....ん友里ちゃん....」
奈美は足を進めてはくれなかった
けど私も足を進めたくなかった
私達の関係はもう戻れない
亀裂はもう戻らない
後悔しかない
本当に嫌だ
存在が嫌だ
消えなくなりたい
奈美「けど!」
一瞬ビクってしてしまった
奈美「私は君を生かすし生きた証も残す!!!」
友里「な....なんで?どうして?どうして消してくれないの?」
もう私は号泣だった
どうして消してくれないの?
奈美「私は本当に大切に思っているし私たちの想っている気持ちは違うかもしれないけど私は貴方を生かしたい!!だから生きて....友里」
友里「いや....いや!!!」
もう完全に壊れていた
もう戻れない
私は奈美に縋るように抱き着いた
友里「消して!!もう嫌なの!」
奈美「ダメ 生きて!」
友里「けど!もう!」
奈美「だから!!!」
友里「っ?!.....」
奈美「生きて....お願い 友里」
奈美は涙目で願ってきた
でも
私はそのとき 完全にこの世が嫌になっていた
死にたい
でも
死ぬなら
奈美の手がいい
友里「ころ...して....奈美...!」
奈美「だめ!!」
友里「なん...で?」
友里「なんでころしてくれないの....?」
友里「おねがいだよ...奈美!」
その瞬間だった
私は奈美に頬を叩かれた
理解できなかった
だけど
そのおかげか冷静になって
ちゃんと会話ができるくらいにはなっていた
友里「ごめん....奈美ちゃん」
奈美「いや....いいんだよ 友里ちゃん」
奈美「そうだ 友里ちゃん 話があるの」
友里「うん?どうしたの?」
もう私は目にハイライトが無い
希望が無く
私はもうずっと-に向かって走っている
奈美「神には 決まりがあるの」
もう嫌な予感がした
奈美「人間に....神って知られたら 天界にかえr]
気付けば私は奈美の手をふさいでいた
事実を認めたくなかった
半分理解していた
'人間に神と知られたら天界に帰る'
でも
分かりたくない
友里「やめて....もうやめて....話さないで」
奈美「で....でも!」
やめてくれ
分かっているが
もう私は奈美まで失いたくない
親友を失いたくない
そのためならなんでもする
会えるなら悪魔と契約するし自殺もする
だから
だから
だから
だから
だから
だから
友里「かえら...ないで奈美」
奈美「けど...」
やっぱり
もう決まっているのだ
破棄したらどうなるか
想っているならこの手を離すべきだろう
でも
そんなことしたくない
一生いたい
こいつの傍にいたい
友里「なんでもするから私!今までのお金だって払うし奈美が帰らないなら悪魔と契約だってする!!!だから!!!」
奈美「やめて...やめて もう泣かないで」
友里「もう無理....なんでしょう?」
奈美「....っ!なんで!」
友里「ごめん...なさい 我儘を言って」
奈美「....」
友里「私だって勝手に恋心抱いたのが悪かったよね ごめん ごめんなさい.....!」
奈美「....」
もう無理だった
奈美だって何も言っていなかった
もう私達は無理なのだ
この世の神に触れた私たちは強制的に引き離される
友里「ねぇ」
奈美「どうしたの?」
友里「いつ....天界に戻るの?」
奈美「早ければ.....真夜中 遅くて....朝」
もう分かった
もう私達はここで終わりだ
ここで最後だ
友里「そっか....ごめんね 最後がこんな会話で」
奈美「いや....私が神じゃなかったら....私が!!」
友里「違う....違うから!どうか泣かないで!」
いっぱい慰めた
けれど奈美は泣きやめなかった
友里「ねぇ奈美ちゃん....」
奈美「どうし...たの?」
友里「明日の...ために....はやく寝よう...?」
もう諦めた
願っても私の願いは届かない
この世は残酷で
私は奈美以外の神が許せない
奈美「そ....そうです....ね」
私達は布団に入った
はなしたいことはいっぱいあったのに明日が最後だと思うとあんまり話せない
奈美「ねぇ友里」
友里「どうしたの...?」
奈美「私達....離れても友達よね?」
友里「っ!当たり前だよ....奈美ちゃん」
奈美「私はあなたに応えれなかったけど私はあなたは永遠に忘れません....いえ 忘れるものですか」
友里「私もだよ奈美ちゃん....!奈美ちゃんのおかげで私は救われたし愛情の形がちがえど大好き!」
奈美「そう....ねぇ友里ちゃん こっち向いて」
友里「なに?どうしt」
ちゅっ
寝室にはこの音が響いた
友里「へっ...?!奈美ちゃん?!」
奈美「明日が最後だから....最後にできなかったことやっておこうと思って 私も大好きよ!友里!出会ってくれてありがとう!世界で一番大大大大好きな友達!」
友里「奈美ちゃん....!!私も....!大好き!」
そういって抱き着いた
そして
そのまま寝てしまった
時間は6時だった
横を見る
....
...
...
いない?!!??!?!?
え
うそ!
いないんだけど?!
捜そう
===
家を調べたけど結果的には公園にいた
友里「やっと...!見つけた...!!」
奈美「...?!なぜここに!」
友里「最後に...別れの言葉言わないと後悔しそうだったから」
奈美「.....」
黙ってしまった
奈美「友里...ちゃん...!」
奈美「もう...時間ないよ....!」
友里「へっ?!」
思えばそうだ
なんか奈美は後光が眩しいしもしかして神としての力を取り戻している
そんなことを考えていたら話しかけてきた
奈美「初めて会ったのも...ここだったね」
友里「そう...だね」
奈美「会った時からだと こんなことになると思ってなかったけど あえてよかった」
友里「私も...」
奈美の体が少しずつ 消えて行っている
もう行くんだ
天界に
友里「奈美ちゃん!」
奈美「へっ?!なに」
友里「私たちは友達だし 昨日も同じような言葉言ったけど ちゃんと聞いてね?」
奈美「はい!」
友里「私はここで会えて奈美ちゃんと会えてよかった!旅もいっぱいしたし私にとってはこの上ないくらい最高の1年だったよ!私たちの愛情の形は違うかもしれないけど また 機会があったらまた楽しく話そう 天界でも元気にしてね!私の大好きで
ちょっと抜けてるとこあるけど 最高に可愛い私の初恋の人! またね!」
奈美「友里ちゃん......」
もうほとんど消えかかっていた
もう一言いったら消えるぐらい
奈美「私....絶対忘れないから!絶対!天界でも忘れないから!!絶対人間界戻るからぁ!」
友里「うん....ありがとう!」
奈美「またね 私の最高の友達!」
そういって奈美は消えた
はぁ
終わってしまった
私の初恋
意外と辛いもんだな....
はぁ
けど
最高に楽しかった一年だったな....
こりゃ死ぬまで感謝しても感謝しきれないや
さようなら
私の大切な人
またいつか
公園で会えたら
そして
叶わぬ恋が叶ったら....
なんて