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依頼

ロキシーとアリシアが勇者協会の扉をくぐると、明るく微笑む受付嬢イリスが出迎えた。


「おふたり、久しぶりですね。お元気そうで何よりですわ。」


アリシアが元気よく挨拶すると、イリスは愛想よく微笑み返した。


「そう仰っていただけると、何よりですわ。では、依頼の詳細をご説明いたしましょう。」


手元の書類を大切そうに開くと、イリスは口を開いた。


「ある村で、最近魔物による被害が増えているとのことです。村人たちは、すでに命を狙われる恐怖に怯えております。勇者協会には、その村を救っていただけないでしょうか。しかしながら、冒険者たちの手が回らない状況が続いております。」


「魔物が急増しているのには、何か原因があるのでしょうか?」


ロキシーが疑問を口にすると、イリスは一瞬考え込んだ後、口を開いた。


「確たるところは分かりませんが、村の近くに魔法石があるという噂があります。恐らく、それが魔物の増加に関係しているのかもしれません。」


「それは危険ですね。我々、即座に出発します。」


アリシアが頷き、ロキシーも同意した。


「承知しました。喜んで協力いたします。」


イリスは安堵のため息をつき、書類に目を落とした。


「本当にありがとうございます。この依頼を受けるのに、あなたたちが最もふさわしいと思いますわ。村の場所と依頼の詳細は、冒険者ギルドの掲示板に掲載されています。それを参考にして、早速村に向かってくださいませ。」


「承知しました。」


◇◇◇◇


「ふむふむ、ある村を魔物から救うという依頼か。なるほど、これは私たちの得意分野だね、アリシア」


私たちロキシーとアリシアは、勇者協会で受付嬢のイリスからの依頼に目を通していた。私は、指先で下唇をかんで考え込んでいた。


「これは重要な任務だ。ただ、私たち二人だけで対処するには少々手に負えないものがあるようだな」


私はアリシアに視線を向けた。彼女はいつものように冷静な表情を崩さず、私が言いたいことを察してくれていたようだ。


「確かに、それに加えて、イリスさんが言うにはその村の人々はすでに大変な被害を受けているということですから、手早く対処しなくてはなりませんね」


アリシアの言葉に、私は小さくうなずいた。


「そうだな、じゃあ私たちだけでなく、協会の中から戦闘に優れた冒険者を選抜して、力を合わせることにしよう」


私はにやりと笑い、アリシアも微笑む。


「そうしましょう、師匠」


彼女は私を見上げ、純粋な目をしていた。私は彼女の笑顔に心打たれ、優しい気持ちになった。


「では、早速選抜作業にかかろうか」


私たちは、勇者協会のメンバーを順に目を通し、今回の任務に最適な人物を選抜する作業を開始した。

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